表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
性格の悪いお嬢様  作者: violet
8/54

悪夢

ライバルは徹底的に潰す。

ロイもベルンストも当然のことをしたのだ。


「まさか、私がムクレヘルム王の求婚を受けると思われたのですか?」

呆れたようにメリーアンジュが3人を見る。


「国の事とは別件だ。」

足を組み片手を顎に添えてベルンストの態度はふてぶてしい。

間違いなく王子様である。


「すでに妃がいるのに、図々しい」

ロイはアンジュにプチフルールを盛った皿を差し出してくる。

「アンジュに見惚れたというのだろうが、他国の王だからと我慢することはないからね」

ウィンクして笑顔を見せるロイも王子様のようである。


ムクレヘルム国内の処理は、簡単にはいかないだろう。メリーアンジュを拐ったことにより、国内だけでの処理はできなくなっている。

アーレンゼル達をリビングに残し、メリーアンジュは寝室に入った。

令嬢にとって、今日一日は怒涛の如くだ、疲れ果てるのも無理はない。



「きゃあああ!」

深夜まで打ち合わせをしていたアーレンゼル達がメリーアンジュの悲鳴で寝室に駆け付ける。


ベッドの片隅で縮こまり身体を震わせているメリーアンジュがいた。

「どうした? 眠れないのか?」

アーレンゼルが問いかけるとメリーアンジュが顔を向ける。

寝室に灯りがともり、ベッドの横には装飾をあしらわれたサイドテーブル、窓際にはティーテーブルと2脚の椅子がうかびあがる。


「夢を・・、夢なのでしょうか?」

どんな夢だい? と問うかわりに、アーレンゼルがベッドの端に腰かける。

ベルンストとロイは、窓際から椅子を持ってきてベッドサイドに置いて座った。


「祭壇に縛られて、血を取られるの。

私には弱い魔力しかないから逃げれなくって。腕から滴る自分の血を眺めているの」

「そんな事は絶対にさせない!」

ベルンストとロイがメリーアンジュのベッド脇に立つ。


「怖くて、わけがわからなくって。どこかもわからない、男達は不気味で。

逃げる事しか考えられなかった。」

それは、夢のなかの事なのか、昼間の出来事なのか。

「薄暗闇の中で触ったのは、まだ温かい死体で、触った手には血が・・」

広げた両手の平に、メリーアンジュの視線が固定されている。


昼間の事だ、と3人は理解する。

興奮が収まってきて、理解してくると恐怖が沸き起こったのかもしれない。

「逃げる場所などなくって、生け贄って言われて。でも、言いなりになんて絶対になるものかって、諦めたくなかった」


アーレンゼルがそっとメリーアンジュを抱き締めた。

「よく、頑張ったね。私達を呼べたね」


うんうん、と首を振りながら、

「お兄様とベルンストとロイしか思い浮かばなかった」

メリーアンジュがアーレンゼルの腕の中からベルンストとロイを窺い見る。

「来てくれてありがとう。 助けてくれてありがとう」


「アンジュ!」

感動して抱きつこうとしたロイが、アーレンゼルにベッドから叩き落とされる。


「アンジュ」

呼び掛けるのは、ベッドサイドの椅子に座るベルンストだ。

「その夢は正夢になるかもしれない」


「とんでもない事を言うな!」

ロイがベルンストに掴みかかる。


「そんな事させないが、そうなる可能性があると言う事だ。

アンジュは自分で使える魔力は弱いくせに、他人には膨大な魔力を与えるというのが、私達を呼ぶことで立証された。

欲しがる人間がいると言うことだ。 それは、ユークレナ結社だ。

それが女神と呼ぶものなのだろう」

椅子の肘あてに腕をのせ、顔の前で両手の指を組ませているベルンスト。


「アンジュ、そんなことにはさせない。気にするな。絶対に守るから」

ロイがメリーアンジュを安心させようとするが、ベルンストは現実を突きつける。


メリーアンジュはアーレンゼルを押しやり、3人に身体を向けた。

「すごく怖い。でも、隠れるなんてイヤ。

私はマドラス公爵令嬢メリーアンジュですもの」

「アンジュ、そこは隠れようよ。公爵令嬢ならばこそ守られてよ」

溜息をつきながら、アーレンゼルが言う。震えが止まらないくせに。


「絶対に私を守りなさい」

自分の能力を理解しているというのだろうか。メリーアンジュは他力本願のようだ。

可愛く、私を守って、と言えないメリーアンジュ。

同じ意味なのに・・・・・・



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ