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御伽噺  作者: 実嵐
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凸凹

そんな情報番組を見ているとけたたましく電話が鳴り始めた。

「はい。」

「たびたびごめんなさい。澄川書店の橋倉です。」

「どうかしたんですか?」

橋倉は焦ったような感じで言っている。テレビの事態を受けて対談を早めようとでもしているのではないか。できるだけいい印象にしたがるはずだ。そのような感じにも取れた。

「今、情報番組やっていますよね。」

「はい、それで早めてくれという話ですか?」

「そうです。ライフオブの秘書の方から連絡があって、週刊誌の件は名誉棄損で訴えるとか言ってましたけど、此処まで広がってしまっては困ってしまいますよね。だから、社長本人が顔を出して話すことで何とかなるといってました。」

週刊誌は訴えてもテレビのことは訴えないのはスポンサーの件が隠れているからだろう。それがなくなってしまっても困るのでやらないのだろう。小関にとっては思っても見なかった形だろう。

「ホテルとか予約するつもりだったみたいですけど、できそうにないので大概使うレンタルスタジオのほうを聞いてみます。時間が延長してしまっても構いません。法人のほうで会員になってますから。」

「ライフオブのほうは高級なホテルに行きたがったということですか?」

「そうです。ブランドをお高く留まっているのがいいとでも思ったのでしょう。一応は自然食品の会社で少し普通とは高いですから。」

そのこともあってかライフオブは一定の客をとらえてから増えていないのだという。経済雑誌のほうに声をかけたときにいっていたのだ。ライフオブは顧客が決まってしまった上に大量に買ってくれる人も少ない。試しに買ってくれたとしても再び買うには高いということで手を付けないこともあるのだそうだ。現実に起きていることもあって社長の手腕を見ているのだろう。

「社長が敏腕とも言えないですから。大学生の時に成功した会社で、プライドが高いこともあって社員の言葉を聞かないんでしょうね。だから幹部はイエスマンしかいないんでしょう。」

「それでパワハラのことを流されたらブランドも落ちてしまって大変ですね。」

「ですから。レンタルスタジオを借りて好きにやってください。警視庁の封筒が俺に届いたときにわかりましたから。」

橋倉は社会人になってからの仲だが、それでも理解してくれているのだ。橋倉は別の会社にいったこともあったのでその経験もわかるのだろう。三枝に警視庁にとは言っていないが、警察に友人がいることは伝えているのだ。

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