夢現
日にちは決まらずにただ時間だけが残っているかのように過ぎていく。三枝にとっては時間が過ぎるのを待つよりもやるべきことのほうが多いと思ったのだ。パソコンのメールを見てみると、橋倉から警視庁から受け取ったと書かれている。小関が連絡が来ないというのはタイミングを見計らっているとしか思えないのだ
。父親同様の価値観を持っているのなら弁護士をつけてくるのだろうか。週刊誌に載ればといってくるかもしれないが、大概が後の祭りの状態にするだろう。同じ手は使いたがらないだろうから。テレビをつけると情報番組でライフオブという会社について特集が組まれていた。あくまでもいい会社として扱っているようだ。それでもなお戦うことを選ぶのだろう。その時だった。その情報番組で過去にあったとされるパワハラ騒動が取り上げられていた。
「こりゃいいだまし討ちでもあったかな。小関がそれを許すなんて言うわけがない。それらしきことを言って逃れるに決まっている。」
きっと週刊誌に載っている情報を取り上げないことにしていたのだろう。それでも取り上げたのはそれで得るものがあると知っているのだ。傍観者のふりをしてみるとかなりぞんざいな扱いを部下にしていたのだ。それすらも隠すなり自主退職という名目にして消し去ったことも報道されてしまった。小関が映った時に相手が悪いといって終わるだろう。それで弁護士が出てくる。木佐に頼む余裕もないうえに高橋製薬の社長になるという夢もつぶれることになる。マスコミを敵にしたが故の出来事なのだろう。髙橋権現の時から偉く見張られていた部分もあったのだ。情報番組の司会者がえらく憤慨していた。
「こちらの映像ではきれいに映っていますけど、真実が週刊誌だったら買っている人たちとっても裏切り行為をしていたことになります。釈明をしていただくことと透明性のある会社になっていただくことをお願いするしかない。」
思ったことを言うということで有名な人であったので、きっと視聴者は司会者の言葉に傾くだろう。テレビの計画勝ちともとれるものだった。他の出演者の人も驚いているようだ。立場がなくなっていくこと。夫婦そろってそれなりの恰好をしているのが明るみに出たのだ。
「これが事実なら映像というのは何ですかね。きれいに映してもらうことでブランドの名を上げようとしていたんですかね。」
「そうでしょうね。会議の内容を教えてもらうことをして逆に立場を悪くするって犠牲にするは何かもわかっていないのでしょう。」
口口にいう姿がテレビの中でなされていた。




