行動の意図
上条の真剣な顔を張り付けているわけでもないのを見て思ってしまうのだ。この人もきっと捜査一課のホープとして動いていたのではないかと。机の上にあったコーヒーカップをつかみ、コーヒーを飲んだ。乾いた喉を潤したかったのだ。考えすぎているのかもしれないのか。
「まぁ、そういうこともあったんです。けど、権力にはあっけないのを国民に知られたらたたかれますよ。警察は事件が起きなきゃ動かないのに動いたふりをして全く調べていなかったことを知られるとたまったものじゃないですよ。」
これを知ったことによって鈴木家と窪塚家、高橋家が全て以前につながっていることが示された。それは親の代での出来事できっと今回の事件とはつながっていないのだ。子供の代になって起きていることもあったのだ。
「これがつながりの縁というのは簡単には言えないのでしょうね。恨みとかあった可能性も加算されるだろうでしょう。」
「親の代でつながっている家柄たちが子供になっても途切れなかったというのもどうしたものかとなっている。」
上条にとっても疑いをかけた人間であったのは事実らしく、窪塚紘一となっているのだろうから。窪塚紘一となっていることになっているのだろうから。
「先生の考えすぎじゃないかとか思っているんですか。」
「これが今回に深くかかわっているとも思えないんです。窪塚康は脅しで殺されたというべきであって・・・。」
上条も同じように思っているのか小さくうなずいている。窪塚康のフリーライターとして働いた会社に行ってみたら脅しで金を奪っているのだと知っていたのだ。政治家の金の事や芸能人のスキャンダルを持ち込んでは踏み込まないところで止めていることに対する口止め料を要求していたというのだ。決定的なネタは多くは書き込まれていないことに不審がることもなかったのだといった。
「会社に行けばネタのない中で出してくるのに止める義務もないといっていたんです。社長もこのご時世のこともあったから喜んで書かせていたみたいですから。鼻の利く立派なライターだったといっていたんです。」
「社長もそのことを容認していたとすれば関連と思うのが正しいんでしょうね。」
三枝はメモを取り出し書き込んだ。フリーライターになった経緯が知りたくなったのだ。何故、窪塚康は出版社に勤めずにフリーライターとして居続けたのか。会社員でいてしまっては不利益を被ることを知っていたということになる。真実を嫌がる人間に対して・・・。




