強くなる熱意と故
3人に会った翌日、三枝は警視庁へと足を運んだ。草間とのやり取りもできているが、上条の意見もほしかったりするのだ。だから、来た次第なのだ。受付へと行くと何処か相手にしていないような態度にも見えてしまうが声をかけた。
「すいません。」
対応してくれた女性は何処か仮面をかぶったような笑顔を見せつけた。草間と上条に合わせてほしいというと女性は部署に連絡を入れているようだ。上条を知っていることは何処かであったとしか思えないのだろうから。
「こちらでお待ちください。上条と草間がこちらに向かうといっております。」
「わかりました。」
受付から少し離れたところにある椅子に座った。三枝はメモを見つめた。出入りが多いことで小説につながることもあるのではと思った。外ではせわしなく動いている人の姿がある。歩行者用の信号機が変わりそうになっているのか革靴のスーツの人は走っていた。間に合ったのはいいのだろうが、息を上げていた。
「おい、三枝。」
「あぁ、草間と上条さん。お呼び建てして申し訳ないです。」
「構わないですよ。だって、草間から聞いてしますけど、警視庁の捜査一課も手に入れていなかった情報ですから。では、此処で話すのは何なんでこっちに来てください。」
上条に言われて通されたところは未解決事件部と堂々と書かれていた。応接室といっても狭いようにも思えた。ソファに座ると草間がコーヒーを作ってくれた。飲むとインスタントらしい味と少しの苦味が口を濡らした。
「それで話したいことってなんだ?」
「昨日、たまたま窪塚紘一と鈴木卓、詩織兄妹に会ったんだ。最初は会えたことで情報が知りえると思って少し立ち話をしたらいいことを聞いたんだ。・・・高橋権現の事件って秘書として鈴木詩織が使命されたというのは本当か?」
「本当だ。」
草間が言うには爆破予告をしてきた犯人は高橋権現と何かあった時のために秘書の鈴木詩織を指名したのだ。テーブルの上には机の上においてある薬を飲んで待っていろと書かれていたらしい。薬品については調べているようになった。科捜研に調べているらしいのだが、ぱっとする情報も入ってきていないらしい。
「あのホテルの一室で何があったと捜査一課の奴に声をかけたら全く誰かが出入りした様子もなかったとは言っていたけどな。」
「だから、鈴木詩織が薬を飲ませたと考えるのが妥当だといえるだろう。ホテルの一室で出入りがなかったら余計にだ。」
三枝の言葉が何処か強くなっていくのを感じた。




