急すぎる答え
どうやって自宅に帰ったのかわからないが、上の空で歩いていたのは確かだった。夏樹が言っていることが正しいのであれば、兄妹の仲は悪くないのだ。週刊誌が外野が茶化すことになるのか。誰かが何を言ったとするのがあっている。寝室のパソコンの前にいた。小関絵里と調べれば有名人ならなおさら会社のこともわかる。小関絵里と打つと会社のことに加えて、家族関係のことを書かれていたのか週刊誌のサイトも浮かび上がった。自然食品の会社名はライフオブとなっていた。掲げているものは薬になるべく頼らないからだへとなっていた。
「父親とは別の内容だな・・・。母親の気持ちを受け取ったとすればあっているか。」
ライフオブというのは人生と何かがつながっていることを示しているのだという。それは多くは表せないのだ。三枝にもわかるものがあると思った。高橋製薬は病院と統合がうまくいっていないのだとも書かれていた。病院が統合をしたいがために医療ミスを隠したことが判明したので高橋製薬から切ったと書かれている。病院側が痛手を受けたのだ。医療ミスを隠したうえに遺族に対して病院には非がないというような言い方をしていたことが週刊誌に打ち明けられていたのだ。そこは大学病院であったために隠すことを選んだとしている。執刀した医師が別の大学で引き抜かれていたことが明らかになり、大騒動となったと書かれている。
「人生を無駄にしているかな。欲望のために人の死を受け入れなかった分の罰といってもいいかもしれない。」
そんなことを思っていると携帯が鳴った。
「もしもし。」
「ごめんなさい。藪遅くなって・・・。」
かけてきたのは澄川書店の橋倉だった。携帯をかけるのが遅くなったのは澄川が主催となって行っている賞の審査をしていたのだといった。明日にもよかったのだが緊急に話がしたくなったとも加えた。
「構わないですけど・・・。なんですか?」
「高橋権現との対談が今週の土曜日といわれたんですよ。こちらも審査をしていて出れなくて別の人が受けたらそう言われたそうです。経済誌を扱っている担当者は焦ってましたよ。高橋権現は突然、指定してくることもあるといわれていて構えていたからよかったです。そういう話です。」
「あいているのでいいですよ。それなら場所と時間が分かったら教えてください。」
対談となるとレンタルスタジオを借りることになる。相手に合わせることも多い。作品を抱えているのなら断る部分もあったりするかもしれない。
「わかりました。先生でよかったです。・・・この対談が終わったら新たな小説を書くことを考えましょう。」




