書き手の心情
鈴木兄妹の告白を受けてから数日後、三枝はスクリプトの社長に呼び出されたため、行くしたくをしていた。何時もの普通の身なりにしただけだ。珍しく荒木が迎えに行くことになっているのでアパートの前で待った。アパートの駐車場に現れたのはスクリプトと書かれた車だった。
「お待たせしました。・・・いや、社長が今回ばかりは迎えに行くべきだといわれましたので伺いました。」
「有難うございます。」
助手席に乗ってビルへといった。荒木は営業でもないのであまり乗る機会がないのだという。都会に生えるような車なら乗るきにならないが、スクリプトのロゴがあまり大したことでもないので乗ったのだという。ビルにつくと荒木はスクリプトが所有する駐車場においてくるので先に行ってほしいといわれたので、エレベーターへと乗った。会社の中に入ると以前と同じような何処か違うような雰囲気を醸し出していた。
「いやー、三枝君待っていたよ。」
「社長、車だなんていらなかったのに・・・。」
「今回ばかりはね、他のマスコミも騒いでいるしね。スクリプトという出版社に目をつけてくれて恩恵を受けてばかりだよ。」
社長はそういった。ニュースで取り上げられた話によると鈴木兄妹は何も隠すことなく話をしているうえに高坂も全て話しているのだという。小関絵里は横暴な態度をしていて否定をしているが、指紋などが上がっているので起訴されることになっている。社長には高橋明子の事件について書いてもらうつもりはないから書きたくなったら書いてほしいといわれて終わった。そのあと、三枝は夏樹を呼び出した。少しばかりしゃれたカフェで待つことにした。夏樹は何時もの黒のスーツをぱっきりとした雰囲気を出している。
「どうしたの?急に呼び出して・・・。」
「あのー、夏樹がも一度付き合わないかという答えを先延ばしにしていたから答えようと思って・・・。」
店員にコーヒーを2つ頼んで少しやりづらい感じがあったが、夏樹は笑顔だった。
「もう1度付き合わないか。大学の時と同じようにさ。」
三枝はカフェに来る前に買っておいたネックレスを渡した。
「弘樹ならそう言ってくれると思った。弘樹に相談した子は今、会社を辞めてね。バンドを組まずに歌手になる夢をかなえようとしているの。」
三枝がはやりを知らないのを知っている夏樹はシンプルなネックレスを自分の首に付けた。
「似合ってるかな?」
「似合ってるよ。」
そのあと2人は時間が許す限り、話をして夏樹は会社へと戻って行った。




