浮き上がった浮き輪
いわくつきの議員と仲良くなっていたが故にそれに対する人も多かったのだ。それを知らない可能性だってあるのだ。いまだにわかっていないのだろう。小関絵里の存在とはそんなものなのだろう。ドアをノックする音がした。
「はい。」
三枝が声をかけると少しおじけづいているかのように入って来たのが橋倉だった。普段ならすっと入ってくるのに少しばかり違和感を覚えた。小関に何か言われたのだろう。
「先生にいったら聞いてくれなかったと社長秘書の高坂さんに怒られたんですよ。久しぶりです。此処まで怒られたのは・・・。」
「橋倉さんは堂々としていればいいんですよ。あちらにはやましいことが多いからあんなことを言うんです。ろくでもない会社だとしか思えなくて・・・。それで準備のほうは?」
「椅子の設置とかはすでにできているんですが、小関さんがやらないとか言い出していて・・・。他のスタッフがなだめているところです。彼女はかなりお嬢様で育ってきたうえに都合が悪いとお父さんに泣きついていたという構図が見えてきました。」
「ですよね。だから、橋倉さんはそのままでいいんですよ。」
橋倉は愚痴を言いたくて来たのだと思った。設置もできたのに都合が悪いことが起きたのでやめたいと言い出しているところを見ると。橋倉にできることも限られているのでそのスタッフに任せたのだという。そのスタッフはライフオブの大ファンとのこともあってかなり心を許しているのだという。名前を聞いてわかったほどの仲だからかなり通っているのではないかと思った。
「そのスタッフに聞いたところ、ライフオブという会社に来ないかといわれたこともあったらしくて・・・、それは社長発信みたいで当時は驚いて就職しようと考えたそうです。ですが、人事の人に止められたようです。最後は飼い犬にされて都合よくつかわれて意見を言っても通らないのが日常な会社にいても困るだけだといわれてやめたそうです。」
当時の人事担当者は今はもうやめてしまっていないのだという。別の会社にヘッドハンティングされてやめてしまったのだろう。人材派遣の会社に行ってしまったこともあってあまりライフオブの中途には名が上がらないのだ。それやネットの情報でやめてしまうのだろう。
「社長をやめさせようとする意図があったみたいですよ。ざっとクーデターですよ。それも押しつぶされたみたいで全員辞めさせたということみたいですし・・・。全てのため、会社なのか悪党の集まっているだけなのか・・・。」




