過去にあった話
草間と電話をした数日後に対談をするレンタルスタジオの予約が取れたといって、橋倉から連絡があった。澄川書店が利用するレンタルスタジオは最近では利用されることも多くなっていて強引には使えないのだ。その日を抑えることができればいいのだが・・・。三枝は草間にも連絡をした。日にちと時間だ。上条とともに来ることになっている。三枝にとっては時間が過ぎるのを待つだけとはいかないのだ。テレビをつけても何処かライフオブという会社を疑っているようだった。小関という元外資系の金融サラリーマンだった旦那についても少なからず調べているようでもあった。小関勇作といってサラリーマン時代はかなりのやりてであった上に融資を受けられないとされた会社をぶった切って行ったようだ。会社から見ればいい人だったわけだが、お客からすれば融通が利かない頼りにならない人とも言われていたようだ。その人が結婚をして会社をすぐに辞めるという決断はしなかった。安定をしていないことを理由に仕事をしていたようだ。奥さんがやっている会社が安定をしてくるとさっさとやめてしまった。
「会社にいたときといい、小関さんをよく言う人なんていませんよ。営業をやらしても会社に嘘をついて契約をさせようとしてみたりしていましたから。そんなことをすれば会社の信用が失ってしまいますからね。だから、やめるといった時には喜びました。彼の上司になったら地獄に落ちるとまで揶揄されてましたからね。」
小関が勤めていた会社の上司がうんざりした顔を張り付けて言っていた。外資ということもあって海外に飛ぶことになったが、全くといっていいほど役に立たなかったのだ。鵜呑みにして帰ってきて損をさせることをしていた。それも海外に行って交渉をするのが何度かあったらしいが、それでも同じことを繰り返していた。彼の部下になったら大した指示もない状態で何かをしろといっただろうといってきたりするのだ。
「上司になっても地獄、部下になっても地獄といわれていました。同期になった人達は出世コースからいなくなった彼をあざ笑ったんじゃないんですか。大きなことを言っていても何もなりませんでしたから。」
融資担当になっても何もなかったらよかったのだが、信託を担当にさせたりと会社の中でうろうろしていたようだった。
「当時、僕は融資担当だったんですけど、今の奥さんの会社の融資をどうにかしろと迫って来たことがあったんです。自然食品を扱う会社ですから、何かアンテナをたてないとやっていけないですから。小関さんに以前言われたのは書き換えてもいいから融資をさせて会社に損を生み出せとか言ってましたよ。」
勇作は怯えさえせる対象だったのかもしれない。夫婦そろって難が存在していることが分かった。




