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素話、草案  作者: ヅメメ
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月日が経っても変わらない、叶えたい想い

井戸のカエル

井戸の中に大きなカエルがいました。



カエルは井戸の中で一番強かったのでした。


でも、いつも意地悪ばかりするので みんなの嫌われ者でした。



そんなカエルにも、一つ悩みがありました。


それはカエルの大きすぎる体には、井戸は小さくて自由に泳ぎまわる事が出来なかったのです。


カエルはいつも「外の世界は広くていいなぁ、いつか外の世界の大きな湖で 自由に泳ぎ回ってみたいなぁ」


と、そんな事ばかり考えていました。




ある日の事。


外の世界から井戸の中に


ヒューーポチャンっ



小さな小さなアマガエルが落ちてきたのです。


小さなアマガエルは井戸の中を見て言います。



「この中はなんて狭くて暗いんだ!

外の世界はどこまでも続く広い空と、見渡しても見渡しても見渡してきれない地平線が広がっているっていうのに!」



その言葉を聞いて井戸のカエルは

外の世界に出ようと決めて



井戸の壁を登り始めたのです。

でも、井戸の壁はツルツル滑って



ツルッ ツルッ ボッチャーン



思うように登る事が出来ません。


そんなカエルを見て、みんな カエルの事をバカにしました。



それでもカエルは「絶対、外の世界に出るんだ」

と、心に決めて井戸の壁を登り続けました。






何回の朝と、何回の夜が過ぎたでしょう。






カエルは歳を取って、井戸の中で 一番弱くなってしまったのです。



でも、井戸の外に出ようと決めた あの日から



ずっと…ずっと…井戸の壁を登り続けていたのです!



そんなカエルの頑張っている姿を見て


もう誰もカエルの事をバカにしようとはしなくなりました。



それどころか、みんな、カエルの事を応援するようになったのです!



「頑張れ!」

「あと、少しだぞ!」



カエルはもう嫌われ者じゃ、ありませんでした。




そして

…遂に

カエルは井戸の外に出る事が出来たのです!



どこまでも続く、広い空と

見渡しても見渡しても、見渡しきれない外の世界を見たカエルの目には涙が溢れて、止める事が出来ませんでした。




今、カエルは広い 外の世界の どこかの湖で


きっと 自由に泳ぎ回っている事でしょう。

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