第2話 錬金術師は情報好き?
主人公の戦い方はボウガン主体で他の道具を多種多用します。
ーー私は今、森から少し行った場所に在る村の近くにある、大木の下で座って道具や武器の整理、整備をして居る。
ーーんっ?なんで村に入らないかって?
根本的に言うと入らないじゃ、無くて追い出されたんだがね。
ーーこの村……ファード村は村人の8割位が、村にあるファード大農場で働いている。
そのファード大農場だが、この国の約50パーセントの麦を作ってるんだが、私の姿を見たらしい牧場主の領主が、ここは汚らしいお前の様な浮浪者が来る所では無いと、言って追い出されたんだ。
ーーだから今ここでしようとしているんだがね。
「ーーおじさん、なにしてるの〜?」
私が道具の整備してる内に、少女が私の側で屈んで道具を覗いていた。
「ーーんっ?ああ、これは道具の整備をしていたんだよ」
私がそう言うと少女は尚も道具が気になる様子でつつく。
「なんでここに居るの?」
私は少女の質問に頭を掻く。
「村に入ったら追い出されたんだよ」
「じゃあ、私の家に来なよ。村の外れだから誰も来ないし、爺ちゃんも歓迎してくれるよ」
少女はそう言うと私の腕を引っ張って連れて行こうとする。
「ーーおっと、ちょっと待ってな」
私は少し慌てながら道具を手で掴み消した。
「ーーおじさん‼︎今の何?すっごいー!どうやったの」
私は驚く少女を見て微笑ましくて頭を撫でた。
「秘密だ」
「ちぇっ」
少女は私の言葉に口を尖らせたが、家に案内してくれた。
少し歩くと少女の家らしき所が見えて来て、その家の庭には小さいながらも立派な畑があり、そこで働いてる人影が見えた瞬間。
その人影に向かって少女が走り出す。
「ただいま!爺ちゃん!」
その人影は少女を抱き抱え、肩に乗せる。私も近づいてみると、相当がたいが良い老人が居ただ。
老人は見るからに不審者みたいな私を見て、笑い出した。
「ーーがはっはっ、旅の人、話はサーシャに聞いた。災難だったな今夜はウチに泊まる様で歓迎するぞ」
私は老人に対して手を肘に付けて頭を下げた。
「ありがとうございます」
老人は私のした行動に驚いた顔をする、ついでにサーシャはキュトンとその光景を観ていた。
「お前さん、声の感じから若そうなのにその礼の仕方を知ってるとはな」
私のした行動はこの国の最上の礼の取り方の筈だが、老人の口振りから廃れてしまってるらしい。
老人が驚いてる間に畑の土を観て触ってみる。
「……はっ⁉︎とりあえず中に入るか。んっ?何してるんだ旅の人よ」
「いや〜。良い土だと思って」
私がそう言うと老人は嬉しそうに笑って、私の肩を叩く。
「わかるか、旅の人。あの村の連中とは大違いだ」
私は老人の口振りで、何か確執があると思い、触れない様にしようと決意するが。
「旅の人よ詳しい話は中でしよう」
一瞬で決意が無駄になったのだった。
*********
ーー私が家に入ると食事をしようと言う事になったが私は食事を食べる必要が無いので断ろうとする。
「私はお腹は空いて無いので大丈夫ですよ」
「なーに、旅の人。貧乏だからと遠慮するな、若いのだから沢山食べると良い」
老人の勧めが少し強引で押し切られる形で食事を始める。そして食べ終わった後に話が始まった。
「あの村の畑は儂が若い頃に全て耕して作ったんだがな。先王様の時代に王命で没収させられたんだ」
私はその言葉を聞き驚く。私の知っているあいつがそんな事をする様に思えないからだ。
「儂もな村のみんなと出来るなら、初めは良いと思ったんじゃがな。新しい牧場主の領主が儂は不要と追い出されたんじゃ。それからは儂はここで細々と暮らしておる」
さらに聞いても、何らかの裏がある様に思えて、この事を調べる事にする。
「この子……サーシャの親は出稼ぎで王都に行っとる。儂はここでは鼻摘まみ者でな。でも儂は此処から離れたくなくてな」
「それは大変でしたね、と言っても私には何も出来ないんですが……」
老人は外を見て気づいた様に驚く。
「辛気臭い話になって済まないな。もう遅いし寝れば良いじゃろ」
そう言って老人は私を寝室に案内してくれた。老人には済まないが、此れから私は様があるので手早く準備して、気付かれ無い様に注意しながら外に出た。
ーー外に出て少し歩き、私はとある名を呼ぶ。
「……シャドー居るんだろ」
すると木の上から私の前に1人のローブ姿の人物が現れる。彼または彼女はどっちの性別とも取れる声で答える。
「此処に何か用か。レンセイ」
私は情報が必要な時にはシャドーに依頼する。この世界でシャドーほど信用出来る偵察者は居ないのだから。
「シャドー調べて欲しい事がある、先王の時代の農園の王命の裏と近隣の国の情報を調べてほしい」
「異常繁殖は?」
シャドーの質問に私は簡潔に答える。
「今日終わるから要らないかな」
私の言葉にシャドーは頷き、初めからそこには居なかった様に溶けて消えた。
私は誰も居ない道を歩き森を目指す。
主人公は食べれないのでは無く、食べなくて良い身体なのです。
食べても別に害は有りません。
因みに味も感じません。