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ジン

俺はこの世界の人間であって、この世界の人間ではない。


哲学的なことを言ってんじゃねぇ!

とか言われそうだが、実際にそうなのだから仕方がない。

もう十年この世界に住んでいるので、この世界の人間と言え、生まれはこの世界ではないので、違うともいえる。


俺は十年前別の世界からこの世界に飛ばされた。

あの時は混乱したもんだ……

その元の世界が現代の地球である。

だからタ○リも知ってるし、マ○モトキヨシも知っている。

このジジ……公爵は俺がこっちの世界に来た当初から右も左も分からない俺の近くにいた人だ。(面倒を見てもらった訳ではない。


まぁ今の情報屋の仕事を見つけるきっかけになった人ではあるので、あながちお世話になってないとも言えない。

その後も、こいつのパシリをしたり、パシリをしたりパシリをしたり……


何だか思い出したらイライラしてきた。

もうやめよう。


「ところで、ユスティーナを返すだけのために来たわけではないのだろう?」


そんな雰囲気を察したのか、向こうも話題を変えてきた。

まぁこういうところはしっかりしているとかなんというか……

しかも話題の切り替えと探りを同時にやっているところが抜け目ない。


「まぁ、そうですね」


軽い反撃のつもりで俺は軽く黙って、焦らしてたみた。

そういう趣味があるわけではないです。


「ミリア様ご乱心でござる」


「……」


ジジイが何言ってんだこいつ?的な目で見ている。


「余り調子に乗ると何もせんぞ小僧」


ヒィィこのジジイ冗談が通じませんよ!!

何かしてもらわないと困るので、しっかりと話すことにする。

主に話したのは3つ

ミリアが国を建てようとしていること。

平等な世界を作りたがっているということ。

ミリアの決意は固いということ。


暫く黙って話を聞いていたジジイは俺の説明が終わると、


「それで?」


そんなことを聞いてきやがった。

こいつ話を聞いてなかったのか?


「何をしてほしいんだ」


なるほど、そういうことか。


(山場だな)


交渉の内容を頭でまとめながら俺はそんなことを考えていた。

このジジイ相手に下手にやると自分が損をする公算が非常に高い。

特にミリアの夢を叶えるほどの大きな要求となると、ジジイの想定を大きく越えるような交渉をしなければならない。


「この町でミリアに独立国を興させたい」


「……話したのかね」


そう。ミリアには俺からこの詳細は話している。

最初のうちはやんわりと反対していたのだが、やはり覚悟は決まっているのかあるひとつの条件の下に同意してくれた。


ユスティーナの取り扱いについて


なんか、こう、もっと真面目な要求かと思っていたのだ。

いや、ミリアらしいと言えばらしいのだが。

まぁ少しくらい甘いところがミリアの良いところなのかもしれない。


「結論から言うとその条件は呑めん」


だろうな……


こんな条件が通るなんて思っちゃいない。


「儂にも立場というもがあるし、公爵に返り咲いたばかりで多くの奴等に目をつけられておる。間者がいるという話も聞くしな。そこまで安定しておらんのだよ儂の立場も。」


まぁそんなところだろう。

交渉がそんなに素直にまとまったら誰も苦労しない。


「だが、方法がないわけでもない。」


えっ?

何か思ってるのと違うお。


「そ……それは……どういう……」


「珍しく鈍いのう。大方想像はつくんじゃないのかね?」


確かに考えが無いわけではない。

だが、それは……


「奪い取れということですか?」


「そういうことだ」


やはりそうか。

公爵としての地位に余り影響がない方法というとこれしかない。

実際有力者が自分の土地を奪われて、国を建てられるというのは実例がある。

しかし、これは最終手段として考えていたもので、自分から提案してくると思わなかった。


「少し考えさせてください」


これは少し相談しなければいけなそうだ……

もう遅くなったのも何もかもバレンタインのせい。


ということで随分間が開いた割には中身スッカスカという酷い有り様でございます。


次は早めに……

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