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仕込み

「さて、ゲームをやることは決まったが、問題は何をやってルールをどうするかだ」


こういった細かい交渉はミリアには余りにも早すぎる。

経験も入るしな。


「そうだな」


イスラも同意を示す。

本当に不承不承といった感じだ。

まぁ、俺が向こうの立場でもそんな感じのリアクションになると思う。

南無。


「取り合えずゲームの種類から決めるか」


このゲームという興行、種類が複数ある。

簡単な物はじゃんけんからはじまり、複雑なものだと半月かかるものもある。

実際のところ今回は国を建てるなどと言う馬鹿げた賭けになるので、長くもなく、短くもない物を選ぶのがベストである。

大体1日くらい時間がかかるものになるだろうか。

そうなると必然的に数は絞られてくるわけで……


「カードムーブとロータープレイか」


「まぁその2つのどちらかだろうな」


1日で済むものの中で少人数となるとこの2つだろう。

どちらもそれほど複雑なルールでもないし、簡単だ。

確かこの世界の学校の体育にも導入されていたはずだ。


「カードムーブでいいだろ」


「私もそれでいいと思います」


「そうだな」


三者とも異論は無いようだ。

カードムーブとは、

まず、参加者の中でチームを組む。

ここでは仮に3人ずつの2チームとしよう。

その2チームで1~3までの数字の書いた紙を2セット用意する。

それをそれぞれの指定した回数シャッフルする。

で、それを混ぜる。

そのカードを持った人が町に散らばり、相手を探しながら移動する。

もうこの辺りまで説明すれば、聡い人なら想像がつくだろう。

相手を見つけたら、お互いにカードを提示して数字の大きい方が勝ちだ。

勝つと相手のガードがもらえて、相手側のカードをすべて集めて、元々決めておく、ポイントに持っていければ勝ちだ。


単純明快で、学生でもできる簡単なルールが受けて世界中で爆発的なブームを巻き起こした。

学校の授業に取り入れられ、世界大会も開かれている。

まぁ現代で言うところのサッカーだ。


「今回の人数は何人にするんだ?」


「6人だな」


イスラの問いに俺が答える。

イスラがこちらに人数を聞いてきたのは、俺たちの用意できる人数が、限られているのをきちんと理解しているからだろう。


「分かった。使うメンバーはあらかじめ顔と身分を公開しろよ」


唐突にイスラはそんなことを告げてきた。

昔同じような事案を俺が担当して町の人全員に偽のカードを渡して圧勝したのを覚えていたのだろうか。


「そんなに警戒しなくても、そんなこと10回中10回しかしませんよ」


「そうだな……」


あれ?何かイスラが疲れきった顔をしている。

ぐるりと回りを見回すと、他の全員もそんな顔をしている。


「ん、ま、まぁ話を進めようか」


全員の視線から逃げるように俺は、話し合いを再開させた。

また遅くなりました…


つ、次こそわ!

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