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嘘つき探偵兎双創代  作者: 千風紅葉
第一幕 天王寺高校の噂
6/7

修正中

 では、一度ここで筆を置こう。


 私は日記帳を閉じ、一息つく。


 改めてまとめてみると、兎双君との出会いは中々衝撃的なものだった。


 まだ、出会いの冒頭の部分だというのに全くもって長い。


 私は凝り固まった身体をほぐしながら、顔を少し回し部屋の中を見渡す。


 出会った当時にゴチャゴチャとしていたこの第二研究室も、現在は綺麗に片付いている。


 というか、片付けた。このままだと自分のスペースがないと思ったので。


 現在は元々あった一人用のソファにその向かいの席に来客用のソファをもう一つ用意した。その間には捨てられる予定だったテーブルを持ってきた。


 その他は本棚のようなものもあったので、学校の資料に紛れて完全に趣味の小説や雑誌などが綺麗に並べられている。


 後は、端っこに机を持ってきて私の作業場としている。作業といっても今まであった事件なんかを簡単にファイリングしておくだけだ。


 完全にこの部屋を私物化しているダメ将棋部二人組。


 そこでふと、小説を読みふけっている兎双君と目があった。


「どうしたんだい、月夜野さん。ムラムラしてきたのかい」


「女の子に向かってそんなこと言うなんて最低ですね」


「あら、いいじゃない。女の子通しなんだから」


「急に女の子みたいに喋るの止めてください。声まで変えると完全に女の子にしか見えないんですから」


 そんな冗談を言い合いながら、彼はゴソゴソとソファの裏から将棋盤と駒を取り出す。


「それは、失敬。ところで、暇だから僕と一局打たないかい」


「いいですよ。いい加減一度ぐらいは勝ちたいですし」


「それなら、負けたほうが一枚ずつ脱いでいくというルールはどうだろう」


「脱衣なら麻雀だけでにしてください、麻雀で挑戦を申し込まれてもお断りしますけど」


 つれないね、などと言いながら兎双君はテーブルの上に将棋盤を乗せその上に既に駒を並べ始めていた。


 現在、私は将棋部の二人目の部員として兎双君と共に活動をしている。


 ちなみに現在まで一度も彼に勝てたことはない。おかしい強すぎる。


「さて、それじゃあ何枚落として欲しい?」


「平手で大丈夫です」


 それじゃあ、先手はどうぞと彼に先手を譲られるので私は初めの一手を打つ。


 さて、では将棋を打ちながらもう一度記憶を呼び起こしていこう。


 そう、あれは兎双君とゲームをした後の話だ。

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