大学登校
大学に入ると“合コンいっぱいで青春できる”とかいわゆるウハウハなことになるのかなぁというイメージを抱いていたが実際はそんなことはない。
大体なんでそんな金のかかることに参加せにゃならんのだもったいない。
セッティングなども面倒くさいしそもそも開催する人間がいないのだから、出られるはずもない。
…悔しくなんかないぞ?
大学には電車で30分ほど時間のかかる場所にある。
1限からなら、別の学校に行った友人と一緒の電車になるので、趣味の話に花が咲くのだが2限からなので寂しく1人で登校することになる。
「おーい、横山ー」
…と思ったら俺を呼ぶ友人の声がする。
言い忘れたが俺の名前は横山 慎だ。
もしも“しん”とでも言おうものなら俺が不機嫌になるからやめてくれ
名前を間違われるのは気分がいいもんじゃあない。
「おう、おはよう」
「なぁ今日の基礎科学のテスト予習した?俺全然してないからこれからしないと…」
そして今日テストの予習をしてこなかったこいつは兒玉聖司
通称マリオ
何となくマリオな感じがするからということだ。
俺は親しみを込めて“こだまん”と呼んでいる
大学で知り合ったのだが、趣味がそこそこあって結構いい友人になっている。
「俺がやってるって思ってるのか?」
「思わない」
やるわけないじゃないかそんなめんどくさいこと
その日で覚えたことで何とかなるレベルなのだからわざわざ前の日にするもんでもないだろう
「お前らバカか?そんなもん前日に済ませておけよ。落としても知らんぞ」
…ちょっとイラッときかねないことを言ったこいつは山本克己
ぶっちゃけ頭いい。普通に勉強できるやつって感じだ。イラッとくることを言ってくるのがウザイと思ったりする。
…さて授業開始まであと20分でできる限り覚えるか