表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/139

帰路(7)

「どういたしましてや…リオ君」



由宇麻(ゆうま)、しっかりしてよ!約束だよ。帰ろう?』

「しっかり…してるで。だけどな…約束は守れへんのや…動けへん」

『だったらぼくに任せれば―』

「嫌や。ごめんな…もう…死にたいんや…」

『どうして!由宇麻!代わってよ!!!』

「約束…守る気ぃあらへん…のに…嘘吐いた…ごめんな…彩樹(あやき)君、もう俺から…解放されて…いいんやで?」

『ぼくは好きで一緒にいるんだ!』

「俺を…生かしてくれて…ありがとう」

『ぼくは生かすなんてつもりで助けたんじゃない!一緒に生きたいから助けたんだ!!!!』








変わり果てた屋敷。

結界が消えた。

何かが起きたんだ。


司野(しの)…どこだ?」










鉛色の空。

俺の最期の空だ。


彩樹君の声は聞こえない。

彩樹君が俺の中から消えたのか。俺の頭が機能を停止したのか。

どっちでもいい。

死ぬ覚悟はとっくの昔からできてた。


ミシリ。


屋根の歪んだ音。

それだけは妙に聞こえる。


「一緒に朽ちよう」

もう十分生きたやろ?

終わらせてもええやろ?

ミシリ。

「…もうええやろ?」


ミシリ。




「解放されてもええやろ?」


ミシリ。





………………………………………………ばきっ。




崇弥、会えて良かったで。

情けない姿やけど勘弁な。









由宇麻の体が崩れた屋根と共に堕ちた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ