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お天気裁判   雨の逆襲  作者: 双鶴


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7/9

第7章 午後1時、雷を伴う激論(俊太)

「それでは、今日の探究の時間は“お天気裁判”を行います」

佐藤先生の声が響いた瞬間、教室がざわついた。


黒板には大きく書かれた文字。


晴れ vs 雨

〜どちらが私たちの生活にとって“より良い天気”か〜


裁判形式での発表。

由美子が“晴れの代表”、俺が“雨の弁護人”。

クラスの20人が“裁判員”として、最後に評決を下す。


「では、まずは雨派の細川くんから発表をお願いします」


緊張で手が震えたけど、深呼吸して前に出た。

スライドの1枚目には、こう書いた。


「雨は、静かな応援団」


「みんな、雨って聞くと、どんなイメージがありますか? 濡れる、じめじめ、うっとうしい…そんな声が多いと思います」

「でも、雨がなかったら、どうなるでしょう?」


スライドをめくる。

水不足のニュース、干上がったダムの写真、カラカラの畑。


「雨は、命をつなぐ水をくれます。

植物を育て、川を満たし、私たちの生活を支えてくれてるんです」


次のスライドには、詩の一節。


「雨は、空の涙ではない。

地上にそっと触れる、優しい手のひらだ。」


「雨音には“1/fゆらぎ”というリズムがあって、心を落ち着ける効果があります。

それに、雨の日の匂い“ペトリコール”は、植物と土が生きてる証なんです」


クラスが静かになった。

誰かが、ふっと息をのむ音が聞こえた。


「雨は、ただの悪者じゃない。

誰にも気づかれなくても、静かに、優しく、世界を支えてる。

そんな存在が、僕は好きです」


最後のスライドには、虹の写真。

その下に、こう書いた。


「雨があるから、虹が出る」


発表を終えて席に戻ると、由美子と目が合った。

彼女は、少し驚いたような、でも優しい顔をしていた。

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