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016 ヨワイボクラノココロジテン



 考えても考えても

 どうしても

 分からないから

 辞書を取り出した



 でも

 ページを

 めくってもめくっても



“僕の心”も

“あなたの苦しみ”も載っていない



 今の自分の考えていることさえ

 分からない


 悲鳴を飲み込んだら

 涙が溢れた



 紙の上に

 ポタポタ落ちてきて


 滲んで読めなくなる文字



 脊索の位置は分かるけど

 あなたの心は何処か分からない


 二次関数は分かるけど

 僕はどうしたらいいか分からない


 漢字は読めるけど

 あなたのキモチは読めなくて


 マルクスは誰だか分かるけど

 自分が誰だが分からない




 授業は何にも役に立たないね


 僕が知りたいこと何1つ分からない



 だからそっと辞書を閉じて


 あなたに逢いに行こうと思った



 2人のキモチのページ開いて

 僕達の役に立つ辞書を作ろうか


 学校で習わないのなら

 教えあえばいいんだね



 あなたの苦しみを教えて下さい


 僕のもどかしさを教えます


 あなたの痛みを教えて下さい


 僕の弱みを教えます






 そして出来た

 心の辞書


 やっと僕

 全てが

 分かりました



 僕は僕だ


 あなたのことが誰よりも好きな



 あなたはあなただ


 強がって突っ走って止まれなくなってしまっただけ



 僕は決めた


 あなたが疲れたら

 支えてあげよう



 一緒に生きよう




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