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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

悪役仮面!レイ・ジョウ!

作者: 詩永あえし
掲載日:2022/06/05

 太陽が沈み、月夜が世界を照らし始める時刻……それは始まるのですわ。

 不届きな連中が現れ始め、本日のエモノを品定めし出す時間なのですよ。

 そして今夜も現れましたわ。


 悪い奴らですわよ〜。


「何を探しているのかしら?」


 人様の家の屋根上から路上を見下ろせば、何やら怪しげな集団を見つけますの。

 あの動き方は、間違いなく悪事の気配ですわね。

 ならば早速、痛め付けてさしあげましょう!


「おーほっほっほ! 悪党共っ! お覚悟なさい!!」

「何者だ!?」

「あ、あれは最近噂になってやがる……」

「悪役仮面! レイ・ジョウか!!」

「とうっ! ですわ!!」


 屋根からくるりと一回転して飛び降り、着地した際には、腰を深く落としながら片足をゆっくりと伸ばす。


 これぞ淑女の嗜み。

 私こそ、王都に蔓延る邪悪な心を持つ悪人を成敗する者!!

 その名も……。


「悪役仮面! レイ・ジョウ! ただいま参上ですわ!! おーっほっほっほ! 正義はここにありましてよっ!」

「ふざけた真似をしやがって! やれぇっ!」


 おぉっと!? 私が降り立ったと同時に、一斉に武器を取り出してきましたわね。

 これは少々分が悪いかも……。

 そんな考えが脳裏を過ぎりましたが、今更引く訳には参りませんわっ! こうなれば強行突破するのみ!


 わたくしは腰に帯びた剣を抜き取り、優雅に構えるのです。

 さて、どこからでも掛かってきなさいなっ! わたくしの剣の腕は一流ですわよ?


「おーっほっほっほ! オーッホッホ!! オーーーッホッホ!!!」


 あら失礼。

 わたくしとしたことが笑いすぎてしまいましたわ。

 さて、気を取り直していきましょう。


 この程度の輩に遅れを取るようなわたくしではありませんからね。


「仕事の邪魔をするならいくぞぉっ! やっちまえ!!」

「オラァアッ!」


 男の一人がナイフを片手に斬りかかってきますが、その程度で私を止められると思ったら大間違いでしてよ?


 相手の手首を軽く受け流し、隙だらけの腹部へ膝蹴りを入れてやりますわ。


 さらに続けて背後から迫ってきた男の攻撃をバックステップすることで躱し、勢いをつけて剣を横一文字に振り抜くのです。


「グハァアアッ!」


 私の放った渾身の一撃を受けた男は勢いよく吹っ飛び、後方の建物の壁へと叩きつけられてしまいましたの。


「まだ、生きておりますわよね?」


 確認のため声をかけてみますが、反応がありませんわね。

 どうやら気を失っているみたいです。

 良かったですわ。

 安心しましたわよ。


 私は殺生はしない淑女ですからね。

 ただ少しばかりやりすぎてしまった感がありますので……手加減は必要だったかもしれませんけれど。


「てめぇ! 仲間をやりやがったな!?」


 おっといけない。

 ついつい夢中になっておりましたわ。

 まだまだ戦いの途中でしたものね。


 ですが、ご心配なさらずに。

 すぐにあなた方も同じようにしてあげますので。

 うふふふふふ。


「……くっ……こえぇ……。」


 わたくしが微笑みながら一歩前に出ると、男達が後ずさっていく。

 恐怖による硬直といったところでしょうか。

 やはり所詮はその程度。


 たかだか小銭稼ぎをしているようなチンピラ風情では、相手にもなりませんね。

 ここは心を鬼にしてお仕置きするとしましょう。

 それでは張り切って参りますわよ!


「ふっふーん。どう致しましょうかしら?」

「な、何だ……?」


 わたくしは剣を収め、手持ち無沙汰になった手をワキワキさせながらゆっくりと近づいていく。


 もちろん目は笑っていませんわ。

 だって本気ですもの。

 本気の遊びですわ。


 ふふふっ。


「あらあら、逃げなくて良いんですのぉ? うふ……ふふ……ふふふっ」

「……っ! ……っ!」


 迫り来る脅威に対し必死に抵抗する哀れな悪漢達の姿は、とても哀れでしたわ。


「ぐぁっ!?」


 素手による拘束術によって自由を奪われた彼らは、為すすべもなく床に転がっていました。

 まるで何かのお遊戯会のようですね。


「くぅっ……き、貴様っ……」

「お、俺たちをどうするつもりだ!?」


 手足を縛られ、身動きの取れない状態でわたくしを見上げる彼らの視線は、怯えと不安に満ちておりました。


 しかしそんな彼らを見下ろすように立つ、わたくしの視線もまた冷たいものです。


「決まっているではありませんか。悪事を働く者を許すわけにいきませんのよ。当然、お覚悟はよろしくて?」


 悪を懲らしめる。それがわたくしに与えられた生まれついての使命。

 それを遂行するまでは止まれないのです。

 止まることは許されないのですよ! おーっほっほっほ!


「ま、待ってくれ! 荷物は返すから! もう悪事は働かねぇ! 見逃してくれ!」

「あら。そうなんですの? それならば早く返してあげて下さいまし。もう悪行はしないと約束して下さるのでしたら、命だけは助けてあげますわ」


「あぁ! 約束する! 二度とこんなことはしねぇよ!」

「……よろしい。あなたの言葉を信じましょう。皆さんもそれでいいですわね? 悪いことはできませんわよ? お返事は!?」

「は、はいぃいいいっ!」


 わたくしの問いかけに対して皆が声を揃えました。これは言質が取れましたわね。

 ふふふ。悪人を改心させるというのも悪くない仕事ですわ。

 そんな事を考えていると、遠くから怒鳴り声と共に誰かが近づいて来ます。


「両方とも! 大人しくお縄につけ!」

「ちぃ! 衛兵が現れましたわ! それでは皆さま、御機嫌よう」

「お、おい! 俺達はどうするんだ?」

「捕まりたくなかったら、さっさとお逃げなさい!」


 わたくしの言葉に従い、蜘蛛の子を散らすかのように逃げ出していく悪党たち。

 本当にこれで改心したのかどうかはわかりませんが……まぁいいでしょう。

 正義は必ず勝つ! これ常識ですわ!!


 わたくしも衛兵から逃げ出そうとしたその時、悪党共が捨てた荷物からは、一人の女性が見えたのですわ。


 それは、わたくしから婚約者を奪った憎き女。

 まさかこんな所にいらっしゃるとは思いませんでしたが、これは運命ですの? それとも……。


(面倒くさいですけれど、連れていった方が良いでしょうね)


 とりあえず一緒に来てもらいましょうか。

 その道中で、わたくしがこの様な事を始めたきっかけを思い出すのでありましたの。



 第一馬鹿王子から突如として婚約破棄を告げられた日のこと。

 そして、王子を射止めた相手に、わたくしが嫌がらせをしていた事が、全てバレてしまったこと。

 それからですわ。


 学園では、私の後ろをちょこまかと動きまわっていた貴族の令嬢達が、次々と陰湿な言葉を浴びせてくる様になり、わたくしは学園で孤立していく事になりますの。


『あの高飛車女よね、正直ざまぁみろって感じよ』


 コソコソと、廊下で立ち話をする生徒の姿が目に入りましたの。


「おーっほっほっほ!! わたくしについて何かお噂でもされておいでかしら?」

「ひぃぃぃ!? す、すみません!!」


 慌てて逃げ去って行く彼女たちを見て、少し満足しましたの。

 それと同時に、もうこの学園に通う必要性もないと感じましたわ。

 その後、お父様から呼び出され、家を勘当されてしまいましたけれどね。


 行く当てもなく、もう、このまま生き恥を晒して生きていても仕方ないと思い、アテもなく歩き続けた先で出会ったのが……一つの仮面ですの。


 最初は、何となく手に取っただけでしたが、不思議な力を感じる仮面に、わたくしは一瞬で惹かれてしまい、気が付けばその仮面を被るようになったのです。


 これがわたくしの人生を大きく変えることになった、切っ掛けなのですわ。

 それからというもの、私は王都に潜む悪党共を成敗する事で、己の罪を償う事に決めたのです。


 生まれ継いだ貴族として血筋の誇りを取り戻し、胸を張って生きていくために。

 そのためにはまず、わたくしが正しい行いをしているという証を立てなければなりませんわ。


 そんな自負を持って今日も、人々の平和のために戦っている最中でありましたの。



 町外れにある廃家へ、わたくしは彼女を背負って戻って参りましたの。

 わたくしは、気絶している彼女をソファーへ寝かせましたわ。

 どうやら、酷い暴力を振るわれていたわけではないようで、一安心致しましたわ。


「よく見ると、なかなかに可愛らしい顔立ちをしているわね。スタイルもいいですし。それにお胸まで大きいなんて……このわたくしに対する嫌味ですか?」


 ブツブツ文句を言いながら外傷が無い事を確認いたしましたの。

 あらやだ。

 わたくしったら、無意識にお肌に触れてしまいましたわ。


 いけないわ、イケナイわ。


「あとは、髪を梳いてあげなくては。淑女たる者、身なりは常に整っているべきですからね。ふふふ。これもお仕事の内の一つですわ。決して趣味ではないことを、ここで強調しておきますわよ?」


 わたくし達は、この様にして夜な夜な悪人どもを探し出しては、改心させたり捕らえるという仕事をしておりますの。


 その過程で、様々な出会いや発見があるものですから、中々面白いものがありますのよ?ふふふ。

 おっと、また話が逸れてしまっていますね。いけませんわ。


 さてさて、そろそろ起きていただきましょう。いくら気を失っているとはいえ、あまり長い時間寝られると風邪をひいてしまいますからね。


 毛布もそれ一枚しかありませんですし。


「もし、大丈夫ですの? 聞こえましたら返事をなさい? もしもーし?」

「……んっ」

「あら良かったわ! 目を覚まされましたのね? 具合の方はいかがかしら?」

「え……? あ、あれ? あなたは誰……?」

「申し遅れましたわ、わたくしはレイ・ジョウと申します。怪しいものではありませんわ」

「レイ・ジョウ? ……ってもしかして! 悪役仮面! レイ・ジョウ!?」

「おぉ! 良くご存知でいらして! その通りですわよ!」


 彼女が私の仮面姿を見て驚いた表情をするものだから、なんだか気分が良いですね。

 既に私の名を知らぬ者は、王都にはいないという事でしょうか?


「あっ、えっと、その……」

「どうかなさって? 急にしおらしくなってしまったようですが?」

「じ、実はアナタにお会い出来たら、お願いがありまして!」


 彼女は突然私に向かって深々と頭を下げた。

 ふむ。なにやら頼み事がある様子ですが、何でしょう?


「あんな危険な目に遭ってでもわたくしに会いたいだなんて……どうぞお話になってくださいまし。聞くだけならいくらでも致しますよ。もちろん秘密は守りますわ」


「ありがとう……ございます。それじゃあ早速……私のお世話になった方を探して欲しいのです」

「……はぁ?」


 彼女の話によるとこうだ。

 平民である自分に対し、親身に接してくれた女性がおり、その人の行方を探しているのだという。


「どうして探されているのですの?」

「……私が、彼女から婚約者を奪ったと誤解されたままなんです。お願いします! 私をいつも陰から見守ってくれた彼女ともう一度会いたいのです! 会って、ちゃんと謝りたいんです。あの馬鹿王子の言う事は全てデタラメだと……真実を伝えて欲しいと……彼女に伝えたいのです……だから……!」


 涙を堪えながら訴えるその姿は、とても演技には見えませんでした。

 なるほどそういう事でしたか。

 それなら話は早いかもしれませんわね。


「一つ聞いてもよろしいかしら?」

「はい! 何でも聞いて下さい!」

「その、彼女とやらが貴女にした行為は、嫌がらせではありませんでしたの?」

「えっ? 嫌がらせというよりはむしろ……私に親切にしてくれたんです」

「……例えば?」


 すると、先程までの元気のよかった態度が一変し、下を向いたと思ったら途端に静かになってしまいました。


「私は平民の出ですので……学園にいらした貴族の方々からよく嫌がらせを受けていました。ですがあの方は、その様な場面を目にすると私を庇ってくれたのです!」


 ……確かに、貴族足るもの常に品格を保てなければならないというのが暗黙のルールとなっております。


 それを破った彼等に対し、一言伝えた記憶もあるような気がしますわ。


「私は学園に通う為、村のみんなが仕送りをしてくれたのですが……王都は物価が高くていつもお腹を空かせていたんです。けれど、彼女はそんな私の姿を見かけると、パンをご馳走してくれると言ってくれたので、つい甘えちゃいました」


 ……それも記憶にある。

 お腹を鳴らすなんてみっともないから、パンの耳でも食べなさいと渡した事もありますわ。

 でも、それらは全て、わたくしの嫌がらせに過ぎないというのに、まさかこの子は気づいていなかったとでも!?


「そ、それは、さぞ素敵なお人でしたものねぇ……」

「そうですよね!? とても優しいお方でした。にも関わらず、あの馬鹿王子は、私が彼女に嫌がらせを受けていると勘違いをして婚約を破棄しちゃったのです! ですからどうしても、彼女には謝らなければならないんですよ! ……だって、あんなに素晴らしい人が悪者にされるのが間違ってるんです! きっと、今この時も苦しんでいらっしゃるに違いないのですよ!」


 えぇい! そんな恥ずかしい事を言わないで頂戴! わたくしの顔がどんどん熱くなっていくのがわかるではありませんか! あぁ! 顔が熱い! 燃えてしまいますわぁ!


「あ、貴女はその馬鹿王子に求婚されたのではなくて?」

「いいえ! まったくもってそんな事はありません! 寧ろ迷惑しています! もう! あんなヤツの事などどうでもいいじゃないですか!」


 プンスコ!と言った感じで怒りを露わにするその姿。

 もう! 怒り方がいちいち可愛らしくありませんこと!?


「それに、私が好きなのは……っ!」


 最後の方は何を言っているのか聞き取れなかったけれども、気にしてはいけない気がするわ。

 よし! 話を元に戻しましょう。

 如何にして彼女にバレない様に、お引き取り願うかですわね!


「事情はわかりましたわ。それでは、わたくしが責任をもって探し出して差し上げましょう」

「ほ、本当ですか!? ありがとうございます!」

「ですが、しばらく時間を頂きたいと思いますの。なにせ人捜しは初めてなものですから。色々と準備が必要ですの」


「もちろんです! いつまででもお待ちします! よろしくお願いします!」


 これでよし。

 まさか、全ては勘違いから始まった出来事だったとは。

 おーっほっほ。人生というものは本当に予測できないものですわ。


 それにしてもこの子……本当に素直ですのね。

 純粋すぎるというかなんというか……騙されないか心配ですわね。

 悪い人に騙さたりとかしないのかしら? ちょっと不安になってきましたわ。


 でもまぁいいでしょう。わたくしが何とかすれば済むことですわ。


「私、また彼女に出会えたら、伝えたい想いがあるんです……」


 あの顔は……間違いないですわ……!

 幾多の乙女を導き、そして救ってきたわたくし。

 もうこの展開だけは読めておりますの。


 つまり、この子はわたくしに恋してるパターンですわね!? 

 いやぁーモテる女は辛いのですわー。

 って違う! わたくしは異性が好きなのですの!


 わたくしはこの仮面を付けてからは恋愛に興味を無くしましたけれど、別にそういう感情が消えた訳ではありませんのよ?


 ですが、流石に同性は初めての経験でどうしたら良いのか分かりませんわ!!

 ……ハッ! 探す時間は頂けましたし、このままトンズラぶっこむのも手ではありませんこと!? そうと決まれば即行動ですわー!!


「今日の所はお戻りなさい。それでよろしいですわね?」


 ……何故わたくしの言葉に首を傾げるのでしょう!? 意味がわかりませんわ!! ここは素直に帰る所ではなくって!? こ、これは想定外ですわ。


「レイ・ジョウさんだけにお任せする訳にはいきません! 私も手伝いますよ!」


 そんな目を輝かせて何を仰っているのでしょうかねこの人は……。

 いや待て。

 落ち着けワタクシ……冷静になるのです……相手は女性……女ですのよ?冷静に対処しなさい……出来るわ。


 わたくしは深呼吸をして息を整えてから、再び説得を試みる。

 大丈夫、今度はいけますわ。


「その気持ちは嬉しいのだけれど、貴女は学生でしょう? まだ勉学に励む時ですわよ?」


 さぁどうですか。わたくし渾身の大人っぽい台詞。

 今のセリフならば完璧ですわよね? だがしかし、何故かわたくしは彼女によって両手をガッチリ握られてしまいましたわ。


 一体どうしたというの?


「大丈夫です! あの馬鹿王子をぶん殴って辞めてきました!!」


 ああ。そういえば、この子はアホの子でしたね。

 わたくしとした事が、すっかり忘れていましたわ。

 どうりで先程からの会話が嚙み合わないはずですわ……困った子ですね。


 ……あららら。

 何やらブツブツ呟きながら手をニギ二キされていらっしゃいますけど、どうしたのかしら?


「……レイ・ジョウさんって、あの人に良く似てらっしゃる……あ、いえ、なんでもありません。気にしないで下さい」


 わたくしでも理解できますわ。

 確実に何かを感づいてらっしゃるわねこの人。

 恐ろしい勘の良さですわ。


 やはり、このままではまずいですわ。早くお帰りになって頂かないと……いや、待ってちょうだい。


「わたくし、少々気になる噂を聞きましてよ?」


 その話題に、彼女はピタリと手を止めました。

 よしよし、そのまま黙って聞き入るのです。

 素直な良い子は大好きですよ。


 さて……本題に入りましょうか。

 ここが一番肝心要ですからね。

 ここから先は一歩間違えば大怪我では済まされない領域へと足を踏み入れます。


 慎重に言葉を選ばなければいけませんわね。


「彼女に関してですが、勘当されたご実家で姿を見たという噂を……」

「私、ちょっと様子を見てきます!!」


 ガタッ! ガタガタガタ! そう音を立てて彼女は立ち上がり、駆け出して行きました。

 ……よし! 早速お引越しですわ! 行方をくらますのが一番ですわ! おーほっほっほ!


 こうしてわたくしは、住処を変えて生きていくのだが、思えばこれは悪手であった。

 今後、わたくしが姿を現せば、どこからともなく表れる、永遠とも思えるライバルの誕生である。


 彼女に捕まれば、わたくしはきっと禁断の扉の先へと連れて行かれてしまうのだろう。

 それだけは何としても避けなければいけない案件なのだわ。


 だが、わたくしとて矜持がありますわよ! 胸を張って生きていくために、この活動を辞めるつもりはありませんもの!

 だからこそ、まだまだしばらくは、仮面を被っての生活が続くことでしょう。


 これもまた運命なのかもしれないですわね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] んん。 素晴らしいアクション、誤解、そして百合の種からの良いスタートのようです。 それでも、それは少し短く、連載の最初の章または最初の芸術であるべきだと感じています。 楽しかったのですが、…
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