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第6話 王都への旅路1

開いていただいてありがとうございます。

諸事情により一週間ほど毎日投稿ができません。

 俺とテトラは王都を目指して走っていた。俺が暮らしていたムルド村は王国の南西にあるのだが、国境付近にあるため中心の王都まではそれなりに距離があり1日ではとてもたどり着かない。なので余裕をもって入学試験の1週間前に出発している。野宿は俺だけならいいが、女の子であるテトラも一緒なので途中で見つけた街に宿泊しながら行こうと考えている。


お金については村で修行で狩った魔物を村に定期的に来る商人に買い取ってもらっていたため問題ない。ちなみに受験費も合格した後の学費も自分で稼いだ。両親に負担はかけられないからな。


「そろそろ休憩する?」


テトラにそう話しかけた。俺はレベル4の魔法、筋力強化を使っているからまだ大丈夫だが、それがないテトラではもうしんどいだろうと思ったが、


「まだ大丈夫かな、ユウ程の筋力強化は使えないけどレベル2ぐらいは使えるから」


筋力強化という魔法はレベル1と2と4のものの3つが基本的には使われているが、どれも名称は同じ筋力強化である。どれも度合いは違うが筋力を強化するのは変わらないことと、周りからみて見た目に差がないため統一して同じ名前が使われている。


使う側が混乱しないかという疑問が出るかもしれないが3つ魔法の消費魔力がそこまで変わらないため、使うのは基本的には一番レベルの高いものになる。よって使い分ける必要がないのである。


「え、テトラも魔法が使えるのか?」


そんなことよりも、テトラが魔法を使えるということ今まで知らなかったので驚いた。


「使えると言っても無属性魔法だけかな、リエールさんに事情を話したら2年間ぐらい教えてくれたかな」


それも初耳である。おそらく俺が一人で修行を始めてからだろう。


「じゃあテトラは騎士を目指すのか?」

「私は冒険者になるかな、騎士は時間の融通がきかなくていろいろ不都合だし」


冒険者とは冒険者ギルドに所属している、国や個人から出された依頼をこなしてその報酬で生活している人たちのことだ。ピンキリだがトップクラスのAランク冒険者の稼ぎは豪商の頭に引けを取らないと言われている。俺も興味がないと言ったら嘘になるが、今は学園生活が優先だ。


それからしばらく進んでもうすぐ夕方になろうとしている。リエールからもらった地図によるともう少しでエスタロンという街につく。その街は王国でも5本の指に入る規模の大きい街らしい。時間的に次の街に行く時間はなさそうなので、今日はそこで泊まるとしよう。


「テトラ、今日はこの先にある街で泊まろう」

「はぁはぁ、わかったかな」


テトラの息が上がっている。しかしレベル2の筋力強化でここまでついてこれただけでもすごいことだろうと思う。俺だったらもうとっくに休んでいただろう。早く街に着かないかと前を見ていると、


「止まって!」


テトラに止まるように指示を出した。30体程のオークの群れに遭遇したからである。オークとはDランクの魔物で、顔は猪で体は人間のように二足歩行で歩くのが特徴である。獣のしなやかなで力強い筋肉と人間のように武器を操る器用さの組み合わせは脅威であり、修行中に遭遇して死にかけたこともある。

それにしても、、、


「こんな人里近くで遭遇するなんて、しかも単体じゃなくて群れでなんて珍しいこともあるもんだな」

「そんなこと言ってる場合じゃないかな、なんで落ち着いているのかな、これ普通に死んじゃうかな」


確かに昔ならそうだっただろうが今の俺ならオークの大群ぐらいには負けない。テトラは疲弊しているのでここは俺一人でやろう。


「ここは俺に任せて、テトラは周囲の警戒をしてて」

「一人で何とかなるのかな?」

「僕は修行して強くなったから大丈夫、任せて」


「フゴッ、フゴッ」


前の方にいたオークたちが、一斉に襲い掛かってきた。俺はそいつらに手のひらを向けて魔法陣を構築しながら言い放った。


「ファイアーストーム」


手のひらかららせん状の炎が出現しオーク達に襲い掛かった。らせん状の炎に包まれたオークはなすすべなく焼かれ絶命していく。俺は手のひらを左右に動かし向かってきたオークを全て焼き尽くした。


オークの肉はおいしいと評判なのでいい匂いがしてきそうだが、血抜きをしていないのと焼き加減がどう見てもウェルダンを越えているため嫌な臭いが漂ってきた。その光景を見ていた後ろのオーク達に手のひらを向ける。


向けられたオーク達はさっきの呪文が来ると思い一目散に逃げて行った。何も全員殺す必要はない。今は街に行くのが最優先だからな。


「もしかして今の魔法ってレベル4のファイアーストームかな?」

「そうだよ、すごいよく知ってるね」

「その年でレベル4の属性魔法を使える人に褒められても普通はうれしくないかな、まあユウにならなにをされてもうれしいけど、、、すごいと思うなら頭を撫でて褒めてほしいかな」


そう言って頭をこっちに寄せてきた。どうしたのだろう、、、その時俺は理解した。今日から独り立ちと言ってもまだ12歳だ、きっと両親と離れ離れになって寂しいのだろうと。


「よしよし、長期休暇になったら一緒に村に帰ろうな」

「さては何か勘違いしてるかな?」


そのまま俺たちはエスタロンを目指した。

夕日が沈み始めたころ、ようやく街についた。もう夕方だというのに通りは人で溢れている。こっちの世界に来て初めての大きな街で観光したいのもやまやまだが、明日も早いし早速宿屋を探そう。


しばらく中央の通りを進んでいくと、宿屋の看板が目についた。外装は悪くないし今夜はここに止まることにしよう。


「テトラ、今日泊まるところはここでいいかな?」

「私はユウと一緒ならどこでもいいかな」


入ると正面に受付がありホテルマンが立っていたので早速チェックインすることにした。


「えーと、シングルを二部屋「一部屋で十分かな」、、、?」


注文をかき消してテトラはそう答えた。年頃の女の子なんだから同じ部屋でもまずいのに同じベッドなんてもってのほかだ。


「テトラ、お金は僕が出すから心配しなくて大丈夫だよ」

「?さっき私()()()()()()()いいって言ったよね?もうわすれちゃったのかな」


さっきの一緒ってそういう意味だったのか、、、やっぱり家族と離れ離れで寂しいんだな、それなら男として見られてるわけじゃないんだし問題ないか。


「じゃあすみませんやっぱりツイン一部屋で一泊お願いします」

「せめてダブルじゃだめなのかな?」


なにがせめてなのかわからないが、、、


「それではツイン一部屋を一泊でよろしいですか?」

「はい」


受付の人が決めかねているのを見て催促兼確認をしてきたので、それに便乗した。テトラは少し拗ねていたみたいだけどさすがに同じベットは問題しかなので仕方ない。


「それでは、大銅貨60枚になります。」


この国の通貨は、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、白金貨からなっていて、銅貨が約10円、大銅貨が約1000円、銀貨が約1万円、大銀貨が約10万円、金貨が約100万円、白金貨が約1000万円ほどの価値があるようだ。


なので大銅貨60枚とは、約6000円である。こんな大きい街にしてみれば妥当な金額ではないだろうか。俺は納得して代金を支払った。


「一階はレストランになっておりますので、まだ夕食を済ませてないのでしたらぜひご利用ください」


鍵を渡して受付はそんなことを言ってきた。これから外に出て食べるのはちょっとしんどいので利用させてもらうことにしよう。


そのままレストランで食事をとって俺たちは部屋に向かった。ちなみにレストランでは牛肉を色々な具材で煮込んだ初めて見る料理を食べたが、なかなかおいしかった。


部屋に入るとテトラはよっぽど疲れていたのであろう、ベッドにダイブしてそのまま寝てしまった。


俺もそのままベッドに入った。そして明日のことを考えてわくわくしながら眠りについた。










読んでいただいてありがとうございます。

次も読んでいただけると嬉しいです。

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