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第1話 転生

初投稿です。

拙いところがいろいろあると思いますが、読んでいただけると嬉しいです。

 今日俺は25歳の誕生日を迎えた。

誕生日といっても普段と違うところは家族から誕生日おめでとうと連絡が来たぐらいである。友人はいないわけではないが、友人からは誰一人としておめでとうの連絡はなかった。しかも今日L○NEでやり取りしていた友人にも何も言われなかった。


おそらく俺の誕生日を覚えてないのであろう。俺もそいつの誕生日を覚えてないのでお互いさまではあるが、、、


そう思いながら俺――三島優(みしま ゆう)は入社三年目になる会社の帰りに自販機で買ったコーヒー片手に公園のベンチに腰を下ろしていた。電車まで少し時間があるので人の多い駅よりも人のいない夜の公園で時間をつぶそうと考えたのである。


することも無いので今までの人生を思い返してみた。誕生日や卒業式の日などの節目の日には過去を思い返してしまいがちである。いろいろあったようでなかったような25年間ではあるが、いざ思い返してみるとよかったことや後悔したことで溢れている。


やはり一番の後悔は学生時代のことだろう。学生時代は時間でみると一生の内の少しかもしれないが、思い出の大部分を占める大切な時間だと俺は思う。その時の失敗はいつまでも心に残っている。


みんなで協力して何かに躓いたり、失敗したなら逆にいい思い出なのだが、、、

残念ながらそうではなくただただ無駄にしてしまったたぐいのものである。

そしてその中でも特に酷いのは中学高校時代だろう。


「だるい」「する意味なくね?」と行事やあまり関わりのない人間と距離をとっていた。今ならわかる、本当はだるかったわけでも最低限のことしかしない省エネ人間だったわけでもなく、単純に新しい一歩を踏み出せなかったのである。


本当は行事にも積極的に参加したかったし、いろんな人と話してみたかった。しかしそのことに気づいたのはここ数年のことである。それ以来酒を飲んだりしんみりした気持ちになると口癖のように、


「青春やり直して~」


と言うようになってしまった。大の大人が情けない限りである。

ふとスマホの画面を見ると予定の時間を過ぎてしまった。これではいくら急いでも間に合いそうもない。


「はぁもう一便待つのか、、、」


ため息をつきながら項垂れていると、


「嫌です、離してください!」


嫌がる女性の声が聞こえてきた。ここは町の中心部から離れているので、そういったことが起こりそうだとは考えていたがまさか実際に起こるとは、、、

声のする方に目を向けてみると、大柄で右腕にタトゥーの入ったいかにもな男が女性の腕を掴んでいた。


どう見ても嫌がる女性を男がどうこうしようとしているようにしか見えない。合意なしに腕を掴むような強引なナンパはほぼ二次元の世界でしか存在しないので、現実にいるとすると相当ヤバい奴ということになる。


どうしたものかと頭の中で、見なかったことにする派の悪魔と助けに行く派の天使が争った結果、

「罪悪感に一生苛まれそう(小並感)」という天使の意見に悪魔が納得し助けに行くことになった。、、、まじで?


「あの~すいません、嫌がってるみたいなので離していただけませんか?」


俺は男を刺激しないように丁寧に言った。それなのに男は、


「横取りすんなよ」


と勘違い甚だしいことを言ってきた。

俺が一瞬意味がわからず「え?」っと声を上げたのとほぼ同時に男は拳を握って腕を力強く横に振ってきた。たまたまか狙ってか顎に入りボキッっと嫌な音を立てて俺の頭が普通の状態から120°以上回った。


よく映画で頭を強引に捻って殺すシーンがあるがそれを頭を掴まずやるとは、、、

「体格差ってやべえな…こりゃボクシングが階級制になるわけだ…」と人生最後に考えるにしてはあまりにもしょうもないことを考えながら俺は意識を失った。


目を開けると俺は見たこともない空間にいた。一面真っ白でどこまでも続いているように見える。


「ようこそいらっしゃいました。」


声がしたので正面を向くと金髪碧眼でギリシャ神話に出てくる神々が着てるような白い布を羽織ってるみたいなやつを着ている(名称忘れた)女性が笑顔で立っていた。ちなみに貧乳だった。


「どうかしましたか?」


笑顔が表情こそ変わらないがとても闇を含んでいる感じになったので、これは思考が読めると考えた方がよさそうだ。一応頭の中で「すいませんでした、でも俺貧乳も好きです。」と謝っておこう。


「ところでここはどこであなたは誰ですか?そして俺はどうしてここにいるのでしょうか?」

「順番に説明しますね。」


説明してくれるようだ。さすがは女神様?だ、貧乳って思われたぐらいで怒るわけないよな。

すると女神?は突然俺に殴りかかってきた。


「ちょ、ちょっと待って、何しようとしてるんですか」

「あなたが死ぬところを再現しようとしてるだけですが?」


前言撤回。めっちゃ怒ってる。


「一応言っておきますが私は貧乳ではありません。地球の人間でいうところのAカップです。」


Aカップって貧ny(ry


「それは失礼いたしました。反省いたしましたので丁寧に説明していただけませんか?」

「わかればいいんです。では説明してあげましょう。」


ようやく説明してくれるようになったらしい。でも改めて考えてみると俺死んだのか、、、

まだ実感がわかないな、、、まあでも別にしたいことがあったわけでもないし終わったことを考えても仕方ないか、


「まず初めにわかっているとおもいますが、あなたは亡くなりました。死因は首が折れたことにより気道、頸動脈が塞がれ脳死状態になったことです。そしてこの空間はあなたのいた宇宙ではない異空間です。それ以上は説明してもおそらく理解できないので割愛します。私が管理していますが、私は基本的にここから出ることはできません。そして私は女神で名をメルティスと言います。ここまで理解できましたか?」


「理解はできましたが一つ質問してもいいですか?」

「いいですよ何でしょうか?」

「俺が助けようとした人はどうなりましたか?」


「無事ですよ、あなたが倒れたところにあった窓ガラスが割れて近隣の人が集まってきてくれたので」


嫌味でも見栄でもなくただただよかったと思った。じゃないと俺の命が無駄になったことになるからな。


「ではここからが本題ですが、あなたには別の宇宙のある星に転生してもらいます。そしてその星の問題を解決していただきたいのです」


惑星全体の問題を俺一人が行ったところで解決できると思えないが一応聞いてみた。


「その問題とは?」

「その世界には様々な種族が住んでいるのですが、魔族と呼ばれる種族が年々力を増しておりまして、このままいくといずれこの星の魔族以外の種は絶滅するかよくて家畜か奴隷になりそうなのです」


内容を聞いて冗談を言っているのかと思ったら表情を見る限り真剣そのものなのでおそらく本当なのだろう。てかこの人女神だしな。そういうぶっ飛んだ話でもおかしくないか。


「それを俺に何とかしろと?」

「手段は問いませんし、その結果を回避できるのであればどのような結果になっても構いません」


俺は数分考えた。


「わかりました。でも、拒否権はないとしても判断材料として3つ質問させて決めさせてください。」

「いいでしょう。どうぞ」


「まず一つ目の質問で神様なのに俺と一対一でしゃべってる時間なんかあるんですか?」

「この空間の時間の流れはほかの空間と違い私が自由に変動させることができるため時間の概念はあってないようなものです。この空間の時間を戻してあなたの死ぬ前の時に戻ることもできます」


この質問は単純に興味本位なので特に意味はない。しかしそれだけできて一つの星の問題すら自力でどうにもできないともなると、おそらくこの空間から外への干渉はほとんどできないのだろう。

それを踏まえて2つ目の質問をしてみることにした。


「次の質問で、俺が転生するにあたって何か能力ってもらえたりするんですか?」

「それができるなら私一人でとっくに問題を解決しています。あなたの想像よりも私がこの空間外に干渉でできません。あなたの記憶を保ったまま転生させるので手一杯です」


だとすると何かあったとき女神に助けてもらうこともおそらくできないだろう。そのことを念頭に置いて行動しなければならない。最後にこの質問が一番聞きたかったことで、なんならこの質問だけでもよかったのだが、


「最後に、その星に学校ってありますか?」

「もちろん」


俺は正直この話をされたとき一番最初に頭に浮かんだのは


「もう一回学園生活送れるぜひゃふーー」


だった。普通ではありえない2度目の学園生活、正直星の危機や魔族のことなんて二の次だ。

でも俺がそう考えていることを女神は知ってるはずなのに何も言ってこなかったってことはある程度は目をつむるということだろう。


「では決心はつきましたか」

「はい。俺異世界に行きます…いや、行きたいです。」


2度目の人生、2度目の学園生活、俺は全力で楽しむことを心に誓った。


「心の準備はできましたか?」


女神の方を見てみるともう転生の準備が終わっているようだった。じゃあ最後にこれだけ聞こう、


「なんでおっぱい大きくしないんですか?」


直後異世界にぶっ飛ばされた。















読んでいただきありがとうございます。

次も読んでいただけると嬉しいです。

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