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時戻りの愚者  作者: ランファン
7/8

魔王軍幹部との戦い

あれ?この小説最初の投稿から時間だけは経ってるのにまだ最初も最初なのはなんでだろうなぁ(遠い目)

2人の戦いは熾烈を極めていた。剣と触手が交差し何度も何度もぶつかり合い火花を散らし続けていた。そんな光景に美之は腰を抜かしてしまった為離れようにも離れられないのだ。


「はぁ!!スラッシュ!」


「甘い!ダークウィップ!」


「そんなもの効くものか!クロススラッシュ!そしてファイアブレイド!スラッシュ!」


「ちぃ!!小賢しい!


多種多様な武器や魔法を上手く扱いスキュレーの事を翻弄し続けている。そんな状態が30分ほど続き。スキレーが一旦後ろに飛び退き


「忌々しい!だが良いわ。私は貴方を敵と認め本気で殺してあげる!この姿を人如きに見せるのは初めてよ!光栄に思いなさい!」


そう一方的に言い切るとスキュレーの姿が変わっていく。上半身は元の健康ではなさそうな美女のまま下半身が6首の犬と12本の足に変わり不敵な笑みを浮かべている。それに対し優輝と美之はよく分からないが著しい嫌悪感を感じていた。


「ハッ!光栄だな!だが外見が変わったところで大したことは無さそうだ!だが、そうだな…お前が本気を出したならこちらも手札を1つ切ろうか!」


「我は千手を扱いし者。我の名前はカイグルク!幾千の得物よ!我に付き従え!『千手支配』《サウザンドドミネート》」


空間の裂け目から幾つもの武器が現れてカイグルクの周りに浮遊している。それらの中には炎を纏っている武器や雷を纏った武器などもある。千とまでは行かないだろうがそれと見紛える程の量の武器が浮遊している。それらを手足のように完璧に扱う姿は正に千手と呼ばれるに相応しい。神々しいまでの技量と禍々しい力のぶつかり合いは現実味が薄れており映画の中だと錯覚するほどであった。


「オプスキュリテスネア!『オプスキュリテランス』×100!『オプスキュリテウェーブ』」


「『ルミエールウォール!』『ルミエールスラッシュ』」


スキュレーが放つ闇の払い。槍。波にカイグルクは光の壁1つで対応してみせ更に反撃で光の斬撃で相手を傷つける。


「何よ!余裕綽々で!いいわ!取っておきをみせてあげる!」

「不死の番犬たるスキュレーが命ずる。至高なる闇を顕現させよ!『オイサーストオプスキュリテボール』」


「流石にそれは不味い!!千手たるカイグルクが命ずる。至高なる光よ拡散せよ!『オイサーストライトディッフェンシル』『オーバーリジェネレート』」


そうするとブラックホールと眩いばかりの光が現れ反発しあった。勿論ブラックホール何てものが簡単に消える訳もなく私たちは無事でも服がズタズタになってしまっていた。カイグルクは必死に耐えながら自分に回復をかけ続けている。そうして数秒経った頃鎧もあちこちが削れ息を切らしているカイグルクと激しく笑っているスキュレーの姿があった。


「キャハハハハ!!流石の千手でも2人足で纏が居ちゃあこんなものなのね!それにしてもオイサーストの魔法を即座に反応して対応魔法を放つなんてほんとに化け物ねぇ。まあいいわさっさと殺してしまいましょ」


そう言いながらスキュレーは満身創痍のカイグルクに近づいて行く。そうしてスキュレーが触手を振り上げカイグルクは殺されてしまうかのように見えた。だがカイグルクの後ろから飛んできた一筋の光がスキュレーの胸の辺りを貫いて行った。


「な、何が!?」


「…ふっ。私は騎士だ。民や少年たちを守る義務がある。もう私は何も出来ないとは言えお前にダメージくらい与えておこう。後は任せ…たぞ…」


そう言い放ったカイグルクは前のめりに倒れて気絶してしまう。


「本当に化け物だわ。このスキュレー様にこんなに傷を与えるなんて…まあ、いいわもう奴は戦えないだろうし私は勇者を殺しに来たのよ。じゃあ死んでくれる?勇者君」


「俺だって魔法が使えるんだ!抵抗ぐらいしてy」


そんなことを叫んで警戒していたら奴が目の前に来ていて触手を振りかぶって居た。あ、これは死んだな。こんな世界に呼び出されてこんなにあっさり死ぬのか。俺が死んだら美之も死ぬのか。それだけは嫌だな…だがもうどうしようも無い。ああ、もう一度くらいお母さんのオムライス食いたかったなあ。そんなことを考えながら死を待っているとスキュレーとの間に頼もしい影が見えた。


「翔斗!」


「優輝!まだ死んでないな!さて、貴様スキュレーとか言ったか!俺の親友に手を出しておいてただで済むと思うなよ!」


「また横槍か!忌々しい!」


そうして翔斗とスキュレーの戦闘の火蓋が切られた。


________________________



side:翔斗


「まず刀を作るには鋼の純度を高めるところから始まる。と言おうと思ったんだがこの世界の金属は不純物が少ないな」


「製鉄する時の締めに精錬魔法を使うからな。ここにある金属は純度が高いんだ!例えばこのグランツ鉱石なんかはこういう効果があってな…」


そんなこんなで話しているとドアがズバんと開かれた。そこに居たのは如何にも隠密と言いそうな格好をした男性だった。


「勇者様!楽しい議論の中大変失礼ながら火急速やかに伝えなければならない事があります!勇者2名とカイグルクが転移によって連れ去られました!」


「なんだと!?何故だ」


「はい!この店を出て直ぐに足元に隠してあった魔法陣が光り輝き転移させられてしまいました!魔法の跡を見るに恐らく東の方角に転移なされたかと!私は宮廷に連絡して火急速やかに場所を特定し出来るだけ兵を集めて向かう所存です!勇者様は如何なさいますでしょうか!」


「俺は俺で探るからお前は国王や兵に伝えろ」


「はっ!承知しました!」


「そんな訳で話し合いはまた後だすまんがまた!」


「待て!これを持ってけ!怪我してる奴が居るだろう。ポーションだ!遠慮せず使ってやれ!」


「良いのか?」


「俺も上客に死なれたら困るからな!そいつなら部位欠損までなら治る。」


「ありがとう!」


お礼を言った瞬間俺は東に走り出した。そして何処に居るのか気配を探ることにする。先ずは街の中だ。余りの情報量に頭から煙が出そうだ。そうして探っていくと街の中には居ないようだ。なので外に探知範囲を広げていく。激しい頭痛を感じるがそんなのは後回しだ。そうするとそうして東に探知を広げていくと少し離れた森の中で漸く見つけた。そこに向けてアスリートを超えるような無駄の無い走りをして向かっていく。


「スキル『気配察知』がLv1からLv5に上がりました。」


「ええい!煩い!」


そうして一心不乱に走り続けていると東の方に門が見えてきた。そこには沢山の人が並んでいるがそれを全て無視して走り抜ける。


「止まれ!ここを出るには検問が必要だ!列に並べ!」


「急ぎなんだ!これを見せれば通してくれるか!?」


そうして懐からベルを取り出す。それを見た兵士が血相を変えて


「貴方が…大変失礼しました。話は通っております。お通りください。」


「ああ!職務お疲れ様!」


敬礼して兵士が通してくれた。おかげで減速しないで済んだ。爆速で門を駆け抜ける。そうして40分程かけて漸く優輝達のところに辿り着く。息も絶え絶えな為に1度機会を伺う事にした。多頭の犬に女性が生えたような化け物と多種多様な武器を浮かせたカイグルクが壮絶な戦いを繰り広げている。闇の波と光の壁がぶつかりとてつもなく派手だ。このタイミングで発振器と成り得るベルを鳴らしておこうか。


「さて、いつ出るか…」


そうしてタイミングを図っているとスキュレーが何か呪文を唱え初め終わったと思ったらブラックホールのような魔法が発動された。それは見てると闇に飲まれそうな錯覚を覚えた。それに対し焦ったようなカイグルクは魔法を使い光の波動が拡がって行った。流石に不味いと感じとり優輝達をあそこから連れ出そうと向かおうとするとカイグルクがこちらを見て「俺が守るから大丈夫」と目線で伝えてきた。その決意に満ちた目線に逡巡していると奴の魔法が発動してしまった。半径50メートルほどの範囲で闇と光がぶつかり合っていた。光の方も打ち消しては居るが強度が甘いのか幾らかの闇の波動が優輝達を傷つける。だがよく見てみると傷が付いてるのは飽くまでも服だけであり傷が付いてるのはカイグルクだけのようだそうして終わるとカイグルクはボロボロだが確かにそこに立っていた。


「キャハハハハ!!流石の千手でも2人足で纏が居ちゃあこんなものなのね!それにしてもオイサーストの魔法を即座に反応して対応魔法を放つなんてほんとに化け物ねぇ。まあいいわさっさと殺してしまいましょ」


どうやら奴はスキュレーと言うらしい。今の内に優輝達に近付くことにする。等々カイグルクが殺されると思ったところで剣が後ろから飛んでスキュレーを貫き俺の足元まで飛んできた。


「…ふっ。私は騎士だ。民や少年たちを守る義務がある。もう私は何も出来ないとは言えお前にダメージくらい与えておこう。後は任せ…たぞ…」


そう言い残しカイグルクが倒れる。そして飛んできた剣を見ると魔法が文字を象ったものが付いておりそれには「魔法を斬れる剣だ。すまないがあとは任せた。」と書いてあった。確認し終えたところでスキュレーが優輝に向かって動き出した。俺はそれに割って入る。


「優輝!まだ死んでないな!さて、貴様スキュレーとか言ったか!俺の親友に手を出しておいてただで済むと思うなよ!」


「また横槍か!忌々しい!」


そして奴の不意を付き1度剣を引き触手を断ち切る。

奴は1度距離を取るがそれをさせないように肉薄する。不意をつけたのか犬の首を1つ切り落とせた。


「ッ!私の美しい体に何をするのよ!?」


「美しい?寝言は寝て言え!異形が」


「なっ!?魔王様にも褒められたこの体を侮辱するの!?口を慎みなさい!人間如きが!」


「その人間如きに大事な頭1つ切り落とされてよくそんなことが言えるな!俺だったら恥ずかしくてそんなこと死んでも言えないよ!」


「言わせておけば!!『オプスキュリテランス』『オプスキュリテアロー』シャドウウィップ!」


奴が必死の形相で触手や魔法を使いこちらに向かってくる。1度でも食らったら死にかねないクソゲーだが銃弾の雨を避けるよりはイージーだ!


「魔王軍四天王とやらはその程度なのか?」


俺は無駄の無い動きで全てを避け時に剣で切り払い完璧に対処していく。


「その剣、魔法を切って…貴方には触手は通じないようだし。いいわ究極魔法で潰して上げるわ!」


そう言って奴は距離を取って詠唱に集中し始めた。それを見た俺は足に力を込めて前傾姿勢となり一気に駆け出した。そして一瞬で奴との間を詰めてそのまま居合のような形で奴の人形態の心臓部に剣を突き刺した。抉ってから剣を引き抜き頭を切り落とす。これ以上何かあっても困るので離れて警戒して見ていると奴の人部分から力が抜けこの世のものとは思えないような嗄れた声で


「ぎ、貴様ぁ…よぐもやってくれたな…」


「いい声になったじゃないか!お前のような異形には今のような声が丁度いい」


「カクトと言ったか…貴様はここで排除しなくてはならないようだ。我が力の全てを込めた一撃で葬ろう。」


「そうはさせない!」


どんな魔法が来るのかと警戒していたら唐突に大盾を構えた白銀の鎧を着た男が割り込んで来た。


「勇者様!遅くなってすまない!王国騎士団第1団団長

ローレンツ=ガンドルフだ!勇者誘拐の報を聞き波長を辿ってここに参上した!」


「王国の聖盾か…流石に命を賭けるには部が悪いか…」


「ここは一旦引くが貴様だけは絶対に殺してやるからなァァァ!!カクトォォォ!!」


「異形は遠吠えまで醜いのか感心したよ!」


「逃がすと思うか!!空間魔法妨害領域!」


「残念だな。私が使うのは空間ではなく闇だ!『オイサーストシャドウダイブ』」


「くっ、すまない!勇者様!取り逃してしまった!」


「対策していたようだが何故取り逃したんだ?」


「ああ、それは奴が使っていたのは空間魔法だと踏んで居たのだがシャドウダイブとか言う短距離移動魔法の上位互換だったのが。読み違えてしまったよ。」


「今回に関しては悪いのはスキュレーの奴だ。それにカイグルクも頑張ってくれたしな。」


「そう言って貰えると助かる。」


そういった俺はカイグルクに近寄りさっき貰った回復薬を掛ける。みるみるうちに傷が塞がって行きカイグルクは不規則な呼吸から安らかな安定した呼吸に変わった。


「そんな貴重な回復薬まで…何から何まですまない!」


「いや、カイグルクには2人を守って貰ったしな。俺が不甲斐ないばかりにこんなことになってしまったが」


(今回に関しては完全に俺の不注意だ。警戒しないで2人にしてしまったしスキルやアーツの確認も気持ち悪いという理由で怠っていた。こんなに危険な世界だ。使えるものは使っていかないと)


「勇者様達!馬車を用意したので安全な王城に帰ろう!結界が多重に貼ってあるからここよりはマシだと思うぞ!」


これまで半信半疑だったが今回でちゃんと化け物が居て魔王の配下を名乗っている。帰れない以上奴らが襲ってくる事が有るだろう。信用は置けないとは言え王国という後ろ盾を得て邪魔なものを排除していこうか。そんなことを考えながら馬車に乗り込む。こうして魔王軍幹部スキュレーの襲撃は終わりを迎えたのであった。

恐らくおかしなところがあると思いますが気になりましたら感想等に送ってください

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