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時戻りの愚者  作者: ランファン
6/8

敵襲

長くなりそうなので途中で1度切ります

窓から差し込む光に目を覚まし逃れ難いシーツの誘惑から逃れ起きると今は大体5時くらいだと言うことが分かる。身支度を整え部屋を出てもう習慣となった剣の稽古を行うために近くにある広場に向かう。広場に着き運動している時にふと思った。


「そういえば昨日あんなことになったが2人は大丈夫だろうか?少し探るか」


そう思い立ち気配を探ってみる。気配を研ぎ澄まし自分を薄め広くを見るような感覚に陥り気配を探ることに成功する。そうして見ると取り敢えず2人は部屋で寝ているし体調に別状はなさそうだった。


『スキル「気配察知Lv 1 を習得しました。」』


そのアナウンスに驚き周りを見回し気配を探るも矢張りどこにも居ない。


「ここまで超常的な現象が頻発しているんだ。本当に神かそれに準ずる存在がいるのか…」


そして一段落つき鍛錬を始める。10分程過ぎた時にふととある物を思い出した。それはアーツと言うものである。倒れてしまって忘れていたがそんな事を言っていた気がする。スキルも使えるのだからアーツも有るのだろうと考えどう使うのか分からないが取り敢えずスラッシュを使うと念じてみる。するとどうだ勝手に体が動き出すでは無いか。体が無駄のない動きで真一文字に一閃を行った。


「うわっ!?なんだこれ!」


驚いて自分の体をまさぐって見るも特に何も付いていないし誰がいた痕跡もない。これがアーツという物なのだと無理やり納得し色々と試してみる。スラッシュはどの角度で出来るのか音声に出して発動は出来るのか等などであるその結果…


「ふむ、スラッシュの角度はどの角度でも放てる。そして倒れかけている状態でも剣を振れる幅があれば威力は減るが勝手に動いて攻撃するし幅が無ければ攻撃出来ない、か。スキルが無くても同じ動きはできるからこれは飽くまで補助という形なのか。」


一通り試してみた結論としてはゲームのオートで発動するスキルのようなもので勝手に体を動かしてくれるらしい。自分の体を自分が動かしていないのに動くという不快感に駆られるがいざと言う時や場合によっては戦闘に取り入れられるであろう。


「これがあると言うことはその辺の兵士でも鋭い一撃を放ってくる可能性があるな…警戒しなくては」


そう思案しているともう1時間ほど経っていることに気が付く。もうそろそろ起きる時間だろうし動く事にした。2人には起きたら食堂で集まろうと伝えてあったので食堂で取り敢えず待つことにする。


「おはよう!翔斗!」


「おはよう…翔斗…」


美之と優輝の態度は対照的だ。優輝は別段と朝でも変わらないが美之は朝が弱い。普段は1時間早く起きて誤魔化しているらしいが昨日のことがあったためそんな余裕は無かったのだろう。そんなこんなで席に付いて朝食を待っているとドアをばん!と開けて国王が入ってきた。


「おはよう。勇者様方!そして昨日は本当に済まなかった。そして酷い行いを受けた美之どのには失礼だがあの馬鹿の尻尾を掴ませて頂いて感謝する。」


「ほう?其れはどういう意味だ?こちらも害を被っている。理由次第ではどうなるか分からないぞ?」


「ああ、それはそうだろ。儂としても不甲斐ないのだが奴らがなにか後ろめたい事をやっているのは分かっていたのだが隠すのだけは上手くてな。確たる証拠が掴めずに膠着状態だったのだ。だが、勇者様方に対して蛮行を働いた馬鹿のおかげで奴らを調べる口実を作れてな調べてみれば腐敗が酷くてな。騎士団を派遣したので明日にでも一掃されて首が届くであろう。」


「貴様等の実力不足で美之が危険にさらされたのは不愉快だが仏の顔も三度までだ。あと1回貴族関連で何か起きたらどんな手を使ってでも失墜させてやるからな。」


「ああ、この短い期間で2回も起きているため安心出来ないだろうが腐った貴族は殆ど全て潰したから恐らく大丈夫だろう。城内でも何かあったら対応できるように何時でも動ける兵を用意しておくので何かあった場合はこのベルを鳴らして欲しい」


「これは?」


「これは『魔通信機』と言ってな。出土品なため数は少ないが遠くにいても対話や対応ができる魔道具だ。逆探知や盗聴は対策されているためその辺は気にしなくていい」


「ああ、分かった。その時は呼ばせてもらう」


一人一つ貴重なはずの魔道具を渡す辺り本気なのだろう。美之や優輝もある程度は安全だろう。


________________________



そしてその後3日の間常識の勉強や鍛錬などに励み。優輝は光魔法と槍術スキルのLv1を習得し、美之は全属性の魔法を取り敢えず習得し火魔法だけは中級の段階まで習得し俺は一通りのアーツの動作を確認した。


「お疲れ様。やっぱり流石勇者と言うべきか、彼の成長速度は凄まじいものがあるな。普通の奴なら短くても槍術スキルを手に入れるのに3ヶ月は掛かるのだがな。まあ、ここからが大変なんだがな」


「そうなのか?」


「ああ、Lv1とは要するに初歩だからな槍ならば鋭い突きが放てるようになったと言ったところだ。Lv2より上は長い月日の鍛錬が必要になってくる。」


「そういう事か…そう言えばカイグルクはどのくらいのLvに至っているんだ?」


「俺か?俺のスキルは軒並みLv6だな。」


「それは凄いな!5から上は達人の領域と聞いたぞ!まあ、俺が言ってもだが…」


「ああ、そうだな。」


(この反応はある程度立場がある奴、もしくは訓練を任される人は俺のステータスを知ってるのがわかったな。何か鑑定器具みたいなのがあるのか…)


そして今日の鍛錬も終わりまた日が巡る。次の日。翔斗達は買い物に向かう事にした。案内はカイグルクがすることになった。この世界で初めて外に出た時であり翔斗はとても警戒していた。


「さて、外出か…この世界の街の治安はどんなもんなんだ?カイグルク?」


「ここは陛下の住まわす城の城下町だからな。検問は入念にされているしそれ相応に安全だぞ。まあ、スラムだったら分からんが。ミノをしっかりと守ってやれよ?ユウキ!」


「痛いって…まあ。しっかり守るつもりだけどさ…」


「あんたに守られる程ヤワじゃないわよ!で、でももしもの時はよろしくね…?」


「お、おう!」


そんな仲睦まじいやり取りを見ていると目的地が近づいて来た。看板を見ると文字はいまいち読めないがスミスハンマーのような絵柄が描かれている。そう、鍛冶屋に来たのである。国王から「勇者様方。儂が金を出すから武器を買って来るといい。あのようなのこともありましたしな。」と言われたので武器と防具を頼みに来たのである。趣のある扉を開き中に入ると小柄の男性が立っており


「おう!お前らが勇者一行か!俺は鍛冶師のキールンだ!よろしくな!」


「よ、よろしくお願いします!キールンさん!」


「俺は陛下から「スミス」の称号と貴族位を貰っててな。腕には自信がある。お前らの武器を全力で打ってる!!よろしくな!」


武器の構想は順調に進んで行った。優輝の槍は長柄の刃をつけるタイプの槍で材質はライトオリハルコン製の刃で柄はアズ・エーギグの枝、そして石突きにはアダマントヲタ纏わせて仕上げるそうだ。

そして美之の武器は護身の意味も込めて長杖にし素材はエルダートレントの幹を掘り出してそこにミスリルのコーティングをすることになった。そして俺の武器は…


「黒髪の兄ちゃん…アンタの武器相当な業物だが俺の武器なんか必要なのか?」


「翔斗で構わない。俺は剣も扱うが本当は刀の方が得意でな。刀が欲しい。」


「刀!?おめぇさん刀を知ってんのか?!?そういや勇者だったか!あれの作り方とか分かるか!?概要だけでも良い!何か情報はないか!?」


「ああ、ある程度なら分かる。だからキールン。貴方の腕を見込んで俺の刀を打って欲しい。」


「刀が打てんならなんでも良いぜ!さぁ!どんな方法で作られてんだ!教えてくれよ!?」


「えっと確か…先ずは玉鋼を作るところから始めようかそしてこうしてあーして……


「翔斗なんか話長くなりそうね…先に外出ておく?」


「そうしようか、翔斗ー!!先外で待ってるぞ!」


話しながらこちらに手を挙げて居る。余程楽しみなのだろう。そう思いながらカイグルクと外に出た。そして扉を開けて外に出た瞬間、微かながらあの光に包まれた時のような感覚に陥ったと思ったら景色が変わっていた。


「あら、なんか要らない護衛まで付いてきてるじゃない。面倒臭いわねぇ。まあいいわどうせ殺すんだし」


「何者だ!?対応によっては敵と見なし切るぞ!」


「あらぁ!せっかちね!私は魔王軍四天王が1人スキュレーよ!貴方たちが強くなっちゃうと困るから先に芽を摘みに来たわ。」


「ユウキ!ミノを連れて下がっていろ!絶対に俺を助けようと等思うなよ!実力が違いすぎる!」


「ぇあ、はっ、はい!」


そうして2人が十分な距離を取るのをスキュレーのことを気にしながら見届けるとスキュレーに対して剣を向けて言い放った!


「私はへキシル王国騎士団2番隊隊長カイグルク=デンジュールだ!彼らを倒したくば先ずは『千手』たる私を倒して見ろ!」


「へぇ、貴方があの千手なのねぇ。でも残念ねぇw貴方じゃなくてあの子達を攻撃すればいい話だもの!」


そういうや否やスキュレーは勇者達の目の前にテレポートし、美之のことを殺せたかのようにおもえた。だがその間には優輝が割り込み触手を止めて居た。


「なぁ?俺の美之に何してんだ?てめぇ!」


「なぁ!!?」


「ライフリンクを起動してある。俺を倒さない限り彼らには傷1つ付かない。さて、どうする?魔王軍幹部!貴様がその程度の攻撃しか取れない等魔王もたかが知れてるな!」


「なんだと!貴様!そこまでほざくと言うならお前から始末してやる!お前を殺してから処理すれば変わらないからな!」


そうして戦闘は始まった。



















優輝はとても温厚ですが美之に関する事だけは沸点がとてつもなく下がります。

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