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初めての異世界召喚  作者: 鍋ノ縁冗句
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日常のシミ part3

「ふあぁ」


体中が痛いので寝心地は悪く目覚めも悪かった。

だがそれでも日常は続いていく。


時計を見ると昼間の2時。


仕事の時間が近づいていた。


ハレイはギルド街にある冒険者ギルド兼酒場で働いている。


まぁ酒場がメインの仕事ではあるんだけども。

料理の注文を取り、運ぶ。その繰り返し。


この仕事は意外と嫌いではない。


冒険者達の話が無意識に聞こえてくるのでそこまで退屈することがない。



今日は夕方の5時から仕事の為、あと3時間の余裕がある。


昨日の彼女を捜しに行く事もできるがどうしようか。

運命の出会い!感動的な再会!互いの無事に安堵して熱く抱擁する!なんて事はないだろうが……礼を言いたい。


……よし!捜しに行こう!



「んー、ちょっと汗臭いかな」


彼女を捜しに行く前にまず銭湯に行こう!

そう決めたハレイは服を着替えて家を出た。



自宅から徒歩5分の所に銭湯がある。


この辺りは歓楽街の中でも男性向けの少しHなお店が多い為、銭湯の利用客も女性が多い。

なので男湯は空いていてとても快適だ。


そ・れ・に!風呂上がりの美女をシャンプーの香りと共に堪能する事がデキル!!!

眼福眼福…

いやいや!そんな邪な考えは決してない!

いつもご苦労さまです!と労いの視線と態度で敬っておりますとも!


そんな事を考えている内に銭湯へと到着した。


番台のお婆さんに入浴料の300コールを渡すと鍵を貰った。

脱衣所の壁に備えつけてある宝箱の鍵だ。

皆そこに服や貴重品を入れておく。



――ヌギヌギ


財布と服を宝箱に入れ、タオルを持ち、早速風呂場に入場した。


ここは戦場だ。いかに自分のムスコが立派なのかを証明できるかで勝負は決まる。


だが焦ってはダメだ。

誇らしげでありつつ、余裕も忘れない。

それが漢というものである。


絶世の美女の裸を想像し、少しばかりムスコを元気づける。


元気になりすぎてもダメだ、しなしなもダメだ。

絶妙なラインを掴み取った者だけが風呂場での覇権を手にすることができるのだ。


しかし…あそこに居るのは…この世の終焉を表現できる程の悪魔的要素、つまり異次元のデカさを誇る悪名高き豪チンの持ち主、


「ブリー・ブリッドグランド…!」


くそっ!奴と同じタイミングで風呂場にいるのは極めて危険だ!

俺のムスコが敵う相手じゃないっ!



――そう…奴と知り合ったのは1か月前、場所はこの銭湯だった。


俺はいつも通り、お風呂に浸かる前に備えつけシャワーで体を洗っていた。


その日は仕事が休みで気持ちのいい朝風呂を堪能していた。


しかし、そこに奴が現れたのだ。


俺の横に居座る巨体。


お風呂用のちっちゃいお風呂イスが余計ちっちゃく思える。


問題はそこではなかった…

なんというデカさ!もう少しで床に着くのではないかというほど下まで垂れ下がるそのブツは異様であった。


――ぐっっ!敵わねぇ!ダメだ!ヌオォォォオ!


俺は気を失った。



そして目が覚めるとそこには奴が居た。

どうやら脱衣所らしい。


「兄ちゃん大丈夫かい?」

野太いがまっすぐで誠実な声が聞こえた。


「あ、あぁ大丈夫です」

状況を飲み込みつつの返答であった。


「いきなり倒れたもんだからビックリしちまったぜ!」


「ははは、すみません。ところであなたがここまで?」


「おうよ!その通りだぜ!」


「どうもありがとうございます」

ハレイはぺこりとお辞儀した。


「へへへ!いいってなもんよ!」


「俺、キザキ・ハレイって言います!」


「キザキ・ハレイねえ、んじゃザッキーだな!ガハハハ!俺はブリー・ブリッドグランドってんだ。そんな堅苦しい態度取んなくたって食ったりしねえぞ?よろしくな!」


「うっ……ブリー・ブリッドグランド…覚えたぜ…!」


そんな訳で不思議な縁を感じた二人は顔見知りとなった。

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