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僕のおつかい  作者: 麻竹
第一章【出会い編】
34/43

34.姉からのお願い


「あ、マクレーン!フローレンスさんが悲しそうな顔してるじゃないか!?」


そんな姉の表情に気づいたアランが突然抗議してきた。

いきなり復活して参戦してきた相手にマクレーンはむっとする。


「何なんですか?さっきまで死んだ魚のような顔して参加してなかった人が!」


「う……それとこれとは違うだろ!というかお前きょうだいは仲良くしなきゃ駄目なんだぞ!!」


と何故か兄の様な物言いをしだしたアランに、マクレーンは更に不機嫌になっていった。


「はぁ?何言ってるんですか僕達は仲の良いきょうだいですよ!?アランさんこそ他人の事に口出さないでください。」


ぴしゃりと言い放つマクレーンの言葉にアランが口籠る。


「ま、まあそうだけども……。」


さっきの勢いは何処へやらマクレーンの言葉に、アランはしゅんと項垂れてしまった。

そんなアランの反応に、なんだか気まずくなるマクレーン。

どうしたら良いのかわからずマクレーンが言葉に詰まっていると、フローレンスが助け舟を出してくれた。


「アランさん、ごめんなさいね、マクレーンたら日頃人と付き合わないものだから言葉がきつくって。」


と言いながらアランに謝罪してきた。


「なっ!?」


「あ~わかります、わかります!マクレーンは人付き合い得意そうじゃないですからね~♪」


姉の言葉にマクレーンが抗議しようと立ち上がりかけたところに突然魚が水を得たようにぱっと元気になったアランが嬉しそうに相槌を打ってきた。


「ふふ、そうでしょう~この子ったらほんと人付き合いが苦手で……。」


何故かアランの言葉にフローレンスも楽しそうに頷いてきた。

二人の息の合った遣り取りにマクレーンは驚き口をパクパクするばかり。


「こんな子ですがアランさん、この子の事どうぞよろしくお願いします。」


そう言ってアランの手を取りキラキラした目で見つめる姉に「任せてください」ときりっとした表情でアランが頷いていた。


マテマテマテマテ!さっき頃合いを見て別れるって言ってあったのになんでお願いするようなことを言うかなこの人は!!


フローレンスの言葉にマクレーンが内心ツッコミを入れる。


あ……だめだこりゃ……。


ぱああっと保護者の顔をしてこちらを見ているアランの姿に気づきマクレーンはがっくりと肩を落とすのだった。

マクレーンがどうしよう、と頭を抱えているとフローレンスが思い出したように言ってきた。


「そうですわ、お願いついでにもう一つよろしいかしら?」


「なんなりとおっしゃってください。」


困った顔をしながら小首を傾げて甘えたように懇願するフローレンスにアランはきりりとした表情で頷く。

まるで姫を守る騎士ナイト気取りだ。

そんなアランにフローレンスは嬉しそうににっこり微笑む。


「頼もしいですわ、実は数日前から森の反対側で怪しい人達が時折うろうろしていますの、退治してきてくださる?」


更に笑みを深めて言ってきた言葉にアランが固まった。


「え?怪しい人達……ですか?」


「ええ、怖くて夜も眠れませんの。」


お願いしますわ、とアランの逞しい胸にフローレンスが縋りつくような形でおねだりしている。


もう……勝手にしてくれ!


そんな二人の遣り取りを見ながらマクレーンは胸中で絶叫するのであった。

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