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僕のおつかい  作者: 麻竹
第一章【出会い編】
20/43

20.北の大地へ

「通行証を拝見致します。」

「はい。」

「マクレーン様、以下お連れの方々共に東の大地イーストブレイから北の大地ノウズサンドへの移動でよろしいですね?」

「はい。」

「ではこちらへどうぞ。」


マクレーンたち一行は昨日訪れた転柱門の場所へと来ていた。


教会のローブを羽織った役人に案内され転柱門の中へと入っていく。

暫くすると転柱門が眩く輝きはじめた。

マクレーン達の足元――転柱門に描かれた魔法陣が紅く光を放ちマクレーン達を包み込む。

次の瞬間――マクレーン達は転柱門から一瞬にして消えたのだった。




しゅん。


小さな風を切るような音の後にマクレーン達はゆっくりと目を開けると、そこは先程とは全く違う景色になっていた。

正確には目の前に現れた人物や建物の装飾が変わっただけで、転柱門と大理石の床は同じである。

もう一つ付け足せば転柱門に描かれた魔法陣の紋章も違っていた。


――北の大地ノウズサンド。


黄の魔女が統治するここは、四大陸のうち最も発展していると言われている場所だ。

その証拠に目の前にある建物には東の国とは全く違う装飾が施されていた。


それは、この国独特の特産品である雷ランプが大きな広間の壁に取り付けられていたのだった。


この雷ランプとは、雷を利用し発光するという変わった代物であった。

北の大地ノウズサンドは雷の国である。

空は雷雲に覆われ常に電気を発生している。

その為この国独自の電気を使った機械というものが発明され、それを作り出す発明家や技術者が数多く住んでいるのが特徴だった。


今は日中の為、建物内のランプは点いていないのだが夜になればそれこそ昼間ではないかと思うほど建物の中を明るく照らしてくれる。

壁沿いにふよふよと風船のように浮かぶ丸いランプを横目で見ながらマクレーン達は転柱門から出た。


「ようこそ北の大地ノウズサンドへ、そしてここが発展の都キャセロです。」


マクレーン達が転柱門から出ると教会のローブを羽織った門番がにこにこしながら出迎えてくれた。

マクレーンはすかさず通行証を門番へと見せる。

赤の魔石の嵌め込まれた通行証はそれだけでその人物の身分を証明する身分証の役目も果たすのだ。

アランやニコルもマクレーンに習って門番へと通行証を手渡した。


「マクレーン様とアラン様は東の大地から直接ここへお越しのようですね、ようこそおいで下さいました。ニコル様は・・・・東の大地からお帰りのようですね、お帰りなさいませ。」


役人の言葉にマクレーンとアランは顔を見合す。


「ではマクレーン様、アラン様、良い旅を。」


そう言って門番はにこにこしながら通行証を三人に返した。


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