表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕のおつかい  作者: 麻竹
第一章【出会い編】
18/43

18.金髪碧眼美人さんが盗賊にさらわれました4

一人の盗賊が恐怖も露にそう叫ぶ。

その言葉に辺りがどよめいた。


「赤の魔女だと!?」

「なにい~!?」


ざわざわと騒ぐ盗賊達。

大騒ぎする盗賊の目の前で、その人物は地に降り立った。

音も無く地に降り立つ姿に盗賊達は、さらに大騒ぎした。


全身を覆い隠す真っ赤なローブ。

ローブから覗く長い深紅の髪はまるで炎のように揺らめいている。

目深に被ったローブのフードからは血の様に赤い瞳が覗いていた。


炎を具現化したようなローブ姿の女は、ゆっくりと手を前にかざすと軽く空間を切る。

すると。

ごおっと音を挙げて盗賊達の目の前に炎が生まれた。

その炎はアランたちを守る障壁のように盗賊達の前に立ち塞がる。

そして赤の魔女を中心に、その炎の輪が大きくなっていった。

じりじりと体を焦がす炎の熱に盗賊達も堪らず後退りし始めた。

そして魔女がパチンと指を鳴らすと、炎の輪は一瞬で無数の火の玉へと変わった。

その様子に次に何が来るのか悟った盗賊達は、一目散に逃げ出す。

それを合図に無数の火の玉は勢い良くはじけ飛んで行った。

「あちちちち~!」と遠くから悲鳴が聞こえてくる。

その光景をあっけに取られながら見ていたアランたちは、我に返ると魔女のいた方を振り返った。

しかし、魔女はいつの間にかいなくなっていた。

後に残ったのは焼け焦げた草原だけだった。

そこに先程まで魔女がいたという痕跡だけを残し、魔女は跡形もなく消えてしまったのだった。


「あの女が人前に出るとは珍しいな・・・・。」


沈黙を破ったのはウルガの一言だった。

忌々しそうに魔女のいた空間を睨みつけるウルガ。

その様子をアランは首を傾げてみていたが、マクレーンの事を思い出すと慌てて弾き飛ばされた茂みを探し始めた。


「確かこの辺だったはず・・・。」


アランが探していると「いたたたた」と、か細い声が聞こえてきた。

声のした方を振り返ると、よろよろとよろめきながら歩いてくるマクレーンの姿があった。


「大丈夫か?」


アランは駆け寄ると、ふらつくマクレーンの肩を支えてやる。


「す、すみません。」


満身創痍のマクレーンは素直に礼を言うと、アランに身を預けたまま気絶してしまったのだった。


「おい、マクレーン!おい。」


「どうした?」


意識を失ったマクレーンを、アランは抱きかかえながら呼びかけていると、声を聞きつけてウルガ達も駆けつけてきた。


「急いで宿へ戻りましょう!」


ニコルの真剣な言葉に、ウルガとアランも頷くとホテルへと急いで戻った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ