11.結局ついて来るそうです
はぁ……。
はぁぁ……。
はあぁぁぁぁぁ。
「溜息ばっかり吐いてると、幸せが逃げてっちまうぞマクレーン。」
背後から聞こえてきた暢気な声を、キッと睨み上げる。
誰のせいだと思ってるんだ!!
マクレーンは泣きそうな気分で背後の男に向かって胸中で叫んだ。
僕の計画が……。
僕の旅が……。
僕のプライベートが……。
この人のせいで、みんなみんな……。
台無しだ!!
マクレーンは、この世の終わりだと言わんばかりの勢いで両手で顔を覆って嘆いていた。
あれから半時。
次の町へと続く道のりを、マクレーンはとぼとぼと歩いていた。
しかも後ろには、あの男――アラン・バッシュフォードが軽快な足取りでついて来ている。
結局あの後、アランの強引な押しに負けたマクレーンは、旅の同行を嫌々許してしまったのだった。
あの状態で何て言えばいいんだ……。
お荷物……もとい、旅の同行者となったアランに恨めしそうな視線を向けながらマクレーンは溜息を吐いた。
アランを追い払う上手い言葉も見つからず、ならいっその事全速力で走って逃げてしまおうかとも考えた。
が、しかし……。
何となく……何となくなのだが。
その占い師に思い当たる節があって……。
自分がこのまま彼を置いて行くと、後々大変な事態になるのではないかという予感がした。
もとい。
悪寒がした。
「はぁ……。」
「おいおい、本当に幸せが逃げちまうぞ~。」
盛大な溜息を吐くマクレーンの直ぐ横で、若干心配そうな声でアランが同じ言葉を繰り返してきた。
「放って置いてください。」
そんなアランにマクレーンは、ぷいっとそっぽを向く。
もうとっくの昔に幸せなんて逃げてる……。
誰のせいだと思ってるんだ、と現在進行形の不幸の元凶に向かって、マクレーンは胸中で毒吐くのであった。