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花は君のために  作者: 須田昆武
Season2~ラブコメ編
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修学旅行編 /おまけ (お土産)



 修学旅行も終わりまして。しばらくの振り替え休みのあとは、またいつもの学校が始まりました。朝一番の教室には私、花園雨音と、まだ眠そうな昴くんと、今日も元気な圭くんがいます。あ、そうだ。圭くんには渡すものがあった。



「はい、圭くんどうぞ。修学旅行のお土産です。パイナップルケーキ!これ、おいしいんだよ」


「ありがとうございます、雨音さん。これ、一生の宝物にします」


「それは大げさだよ」


「おはよう、雨音。あと相沢、朝日も。ぐっもにいえ~い」


「あ、るぅちゃんだ。ぐっもにいえ~い」


「いえ~い」 「…………いえ~」


「お、ちゃんと挨拶出来たじゃないか子猫ちゃん。いい子だ。そんなお前に土産をやろう。ほら見ろ、この朝チュン写真を。発狂モノだ」


「てめぇ何だこれは!!!!おい、相沢!!!!!」


「またその写真蒸し返すの……偶然だよ、偶然」


「偶然でこんな写真撮れるわけないだろうが!!!雨音さん、こいつに何かされてませんか!大丈夫でしたか!?」


「大丈夫だよー。何もないよー。ある訳ないよ。昴くんは安全安心のお友達だもの」


「お前……」


「察して……詳しいことは聞かないで……」




「…………でも俺、まだ諦めてないから。勝ったとか思って油断するなよ、朝日」


「……上等だ。修学旅行の間、抜け駆けしやがって。……まあ、どんなハンデがあっても。最後に勝つのはこの僕だ!」


「あー……この感じ、懐かしいな…………最近佐々木さんの面倒見てばっかだったから……」


「?」


「君のこと、やばい人だと思ってたけど……案外そうでもなかったね。上には上がいるというか……うん、まあ。変な人たちのことを思い出すのはやめておこう。はいこれ、俺からもお土産。なんか、いつもありがとね」


「な……何だよ急に……気持ち悪いな……」



「(おはよーございまーす。みなさん、ぐっもにいえ~い)」


「うわっ、佐々木さん何ですかそのデスボイス」


「(喉痛めました)」


「無駄に喋るから……」


「(無駄って何ですか、無駄って。僕がいないと盛り上がらないでしょ。まったく、最近の若者は年上への敬意ってもんが足りませんね!マイクスイッチオン!チェックワンツー!はい!ここで1曲、歌わせていただきます。布袋●泰の名曲、アレです。いきます。……ベビベビベイビベイビベイビベイビベイベ~)」


「うるさい、急に歌わないで!耳にこびりつく……ほんとやめて……!」


「おい、相沢。こいつを何とかしろ」


「俺に押し付けないで……もうやだ、ほんともう関わりたくない、誰か助けて……」


「(ベビベビベイビベイビベイビベイビベイベ~~~~)」


「歌詞その部分しか知らないくせにやめてください!!

!!もう!!!!」


「(はい!すみません!……では、別の名曲、いきますか。サカナクシ●ンで、新●島)」


「それも印象に残るタイプのやつだからやめて!」


「(………………)」


「真顔でステップ踏まないでください!!」


「……お前、ツッコミ上手くなったな。テンポがいい。才能あるんじゃないか?」


「こんな才能欲しくないよ!!!」


「(…………………………)」


「無言で踊り続けるのやめて!?」


「ふふ、なんかこれ、楽しいね」


「雨音さんまで踊り始めた……」


「最後はダンスで締めか。まるでインド映画だな。どれ、アタシも」


「ルーシィさんもやめてください!ここにはボケしかいないのか!」


「僕は自分の教室に戻りますね」


「まって朝日、置いていかないで!なんとかしてこれ!!」


「やめろ!引っ張るな!お前も踊ってればいいだろ!」


「嫌だよ!俺、変な人の仲間入りはしたくない!助けて!」




「相沢、朝日。あと2人で本家と同じ人数が揃うぞ」


「物騒なこと言わないでください!!!」




♢♢♢♢♢




「おはよ~、さーや様今日はちょっと寝坊~……ん?何これ?新●島?」


「(完成しました)」


「相沢と朝日、目死んでるじゃん。まじ本家っぽい。ウケる~」


「(洗脳完了です。ペンは剣よりヒ●ノシスマイク)」


「何それ、意味わからん(笑)てか何そのデスボイス。ウケる~」


「あ、さーやちゃんおはよう」「おはよう、さーや」


「「「ぐっもにいえ~い」」」






「……隣のクラス、意味わかんないんだけど」



 修学旅行が終われば、平穏な日常が帰ってくる……と思ったんだけど。雨音の様子を見に来たら、なんかみんなで踊ってて……ちょっとよくわからない。何だろうあれ?どういうこと?なんか楽しそうだな。



「お前も混ざってくれば?」


「簡単に言うなよ了……俺、ああいう頭おかしいノリはちょっと……」


「……お前もあいつらと同類だぞ?」


「えっ、それは……嫌だな…………」



 俺はあいつらみたいに変わり者じゃないし。あれに混ざりたいとは思わない。正直、ちょっと引く。何でああなっているのか、本当に意味がわからない。こわい。理解不能。


 けどまあ……雨音が楽しそうだから、どうでもいいか。


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