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色鉛筆

作者: シマユウ

「お父さんのバカ!!!!」


「ど、どうしてだい!?」


 お父さんはなんで私がどうして怒っているのかまるで分っていなかった。お父さんは狼狽えながら


「ちゃんと買ってきたんだぞ」


 お父さんにねだったのは色鉛筆だ。友達が持っていたのを見て私も欲しくなったからだ。お父さんは


「分かった。買ってくるよ!!」


 お父さんの言葉に喜んだ。しかし


「私が頼んだのは色鉛筆よ。普通ので良かったの!!」


 私は色鉛筆を指差した。そこにはバカでかいケースがあった。


「何、500色って!!?」


 そのバカでかいケースの中には大量の色鉛筆が敷き詰められていた。お父さんはキョトンとして


「だって、多い方が良いのかと思って……」


「多すぎるわ!!! 基本的なやつで良かったの。多くても36色とかでも……36でも多いけども。それなのに500ってなんなのよ!!!!」


「いや、だって……」


「じゃあこの色何よ!!」


「青」


「これは!!」


「紺」


「これは!!」


「空色」


「これは!!」


「群青色」


「これは!!」


「露草色」


「これとこれは!!」


「右が瑠璃色で左が浅葱色」


「なんでわかるのよ!!!」


 私は青を投げた。お父さんは大事にキャッチしていた。


「こら!! 露草色を投げるんじゃありません」


「知らないわよ、露草色なんて!! ていうかどれも青にしか見えないわよ!!! 小学生が『露草色貸して』なんて言う訳ないでしょう!!!」


「そうかな?」


「当たり前でしょうが!!! 何考えているの!!」


 私はぜぇぜぇと息をしながらお父さんに話した。お父さんは


「わ、分かった。それじゃあ基本の色をチョイスするよ。24色ぐらいで良いかな?」


「それぐらいなら……」


「そのままだといけないから明日筆入れでも買ってくるよ。それでいいかな?」


「………それならいいわ」


 お父さんはすぐに500色の中から使うであろう色を選んでいた。私は内心嬉しくて部屋に戻り明日が楽しみでいた。


******


「……何これ?」


「ペンケースだが?」


「なんで皮の筆入れなのよぉおお!!!」


「ただの皮じゃない。牛革100%のブランドのだな……」


「そこじゃねぇえええええええ!!!!」


 今日もお父さんと話し合いが始まる。

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