謎のオンショア対決
「勝負はセットの中の1本だけ。どれにするかは俺が決める。あとはあっちの奴らに回す」
そう言ってケンジは、ショルダーの連中に声を掛けた。
「おーい、波、まわすからな〜。そっちも乗ったら、もう適当に上がろうぜ〜!! 」
「あざーっす!」 「どもでーす!」 「ラッキー!!」
正式におこぼれがまわって来ることになって、 しつこく粘っていた残り少ないビジター達は一気に盛り上がった。
「ササラさぁ〜ん、、、多分俺たち、一番やばいっすよ〜、、、」
本郷の前だと言うのに、舎弟Bが青ざめた顔でササラに訴えた。
それを見て本郷が笑いながら言った。
「よう、B!運が悪かったな。リーシュ絡めてロミオと心中しねえようにな!」
「ねえ、ササラ君!ちょっとどうなってんの??オレ、ちっともワケ分かんねんだけど!?」
本郷にロミオと呼ばれても、タケルに問いかけられても、 ササラの耳にはもはや何も届いていないようで、じっと黙ったまま、遂には目を閉じて瞑想を始める始末だ。
タケルは焦った。
気分はまるで、マグロ漁船に乗せられた某マンガの主人公である。
「ケンジさん、お願いです!教えてよ!!どういうゲームなんすか?ルールは?!?!」
「黙って見てろ。簡単簡単。ほい、セット入るぞ〜」
沖に目をやると、強い風と共に青いスライムのような波の塊りが、ブヨンブヨンと張りも無く、ただ大きくだらしなく膨らんでくるのが見えた。
「ヒャハハ!一発目はどれでいこっかな〜??」
中堅ケンジの、オトナ子供のようなはしゃぎ声が一段と大きくなる。
引きつり顔のAに対して、『ぶっこみのコンちゃん』は腰に手を当てほくそ笑む。
「Aさん、俺どっちでもOKっすから、パキッと決めて上がりましょう!」
ケンジが膨らみ始めたセットの第一波を真剣な表情で見つめる。
そしてタイミングを見計らい、高く手を上げ、風によく通る声で叫んだ。
「うっしゃあぁぁーー!!始めぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
Aとコンノが睨み合う。
本カガミ・ローカルルールによる、謎のマン・オン・マン対決 、スタート。
マン・オン・マン → 一対一




