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妻とメイド  作者: セラフ
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その後

私はメイドである。


私は自分が仕える家の奥様と喧嘩をした。結局、3時間以上殴り合っても結局が付かず、奥様と共に泣き出した娘をあやすために家に戻った。


どうやら娘はお乳を欲しがっているようなので、お乳を与えた。娘が眠りについてから、血と泥にまみれた身体を洗うために、浴室へと向かった。その途中の廊下で奥様と会った。奥様も身体中に擦り傷や打撲痕を負っていて、血と泥にまみれている。私は奥様に先にお風呂を譲ろうとしたが、いっしょに入る様に提案された。断る理由もなかったため、承諾した。お互いに下着を脱いで裸になり、浴室に入る。二人でシャワーを浴び、身体の汚れをきれいにしてから、奥様が先に湯船に浸かる。湯船の大きさも一般家庭のそれと変わらないため二人では手狭であったが、奥様にいっしょに入るように言われた。断っても最終的には逆らえないことはわかっているため、私も湯船に浸かる。お湯が湯船から流れ出て、二人は向かい合う形になった。湯船は決して広くないため、足を少し折るしかない。それでも奥様と足が密着して窮屈な状態だ。しかし、奥様と身体が密着するときの抵抗はもうない。


それから、奥様は私の身体にできた大量の痣と打撲痕を治してくれた。魔法を使ったのである。そして、自分の傷も治してから私を強く抱きしめてくれた。私も奥様の身体を強く抱きしめ返した。



奥様は涙を流しているのがわかる。水滴が肩のあたりにポロポロ落ちているのを感じる。私も涙を流してしまったようで、奥様にくすぐったいと笑われた。


決して私も奥様も互いを嫌っているわけではないのだと思う。私が旦那様と行為をするまでは親友と言えるほど仲が良かった。それが私と旦那様の過ちによってかわってしまった。互いに同じ男の人に生涯を捧げる妻となってから、どこか不満やわだかまりをかかえてしまうようになったのだ。

それは夜の順番はどうするか、晩御飯はどちらが作るのか、子どもたちの教育をどうしていくか、互いに今後どう接していくべきなのかなど今までなかった問題が顕在化してしまったのが原因であった。そして、こういった家庭の問題は妻二人だけでは収まらず、家族全員にも波及してしまう。旦那様は私たちの関係をかなり心配していたがあながち間違っていない。いつか私と奥様の間で決定的な亀裂が入っていただろう。奥様も私もそれを望んではいないし、何より旦那様や私をかばってくれたぼっちゃまに心配をかけたくなくて、家族の問題になる前に二人の問題にした。そして、喧嘩という一番原始的なやり方で解決しようとしたのであった。



お風呂から上がり子どもたちを寝かしつけた後に私たちも眠りについた。

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