オープニングストーリー
『今日も月が綺麗だ…』
1人空を眺めて静かにつぶやいた。
俺、海月隼人はこの町、風波町の海辺から見る夜の景色が好きだった。
この町は人口は2万人と決して多くはなかった。都会へ働きに町を出て行く大人が多く、風波町に残る人は数少なかった。ほとんどの人はこの景色も忘れていくのだろう。
でも俺はそんな物静かなこの町が大好きだった。
浜辺でぼーっと何もせずにただ空を見て、月を見てる時間が俺には心地よかった。
『な〜にやってんの、隼人』
声のした方に振り向く。そこには俺の姉、里美が立っていた。
『別になにもしてねーよ。ただ空を見てただけだ』
『ま、隼人がここにくるなんていつもの事だしね』
さと姉が隣に座ってくる。
『ここからの景色、すごく綺麗なんだけどなぁ〜…なんでみんなわかんないんだろうなぁ』
俺の姉も同じことを思うらしい。やはり姉弟なだけあるのだろうか。
『今時、海の景色見て綺麗とか言うやつは他の町や市から来た人ぐらいだからな。ここら辺の人はこの景色がもう当たり前ってなってるんだよ』
『それもそっかぁ』
さと姉がため息交じりに答える。
『そろそろ、夜も遅いし、明日学校でしょ?早く寝なさいよ?』
立ち際に砂をはたきながら言う
『はいはい。わかりましたよ』
…正直、もう少しこの景色を眺めていたいのだがしょうがない。俺は仕方なく家に戻ることにした。
海の方を振り返り、ふと思う。
いずれはこの景色も見れなくなるのかな…
『隼人〜?あら、まだ寝てるのか。ほらっ早く起きなさい!学校でしょ!』
朝、目を覚ますと大声でどなってくるさと姉がいた。
『うん……あと3時間………』
『だぁ〜め。早く起きなさい。…てか三時間って長すぎるわよ』
時計を見ると7時00分を示していた。まだ間に合う時間なはずだ。まぁ、あと三時間も寝ていたら確実にアウトだが。
ばさっと布団をめくられ、その反動で冷たい風が入ってくる。
そして下に降り、学校の準備をし、家を出ようとする。
『隼人、鍵持った?忘れ物ない?財布は?あと……』
さと姉は心配性だ。俺から見たら心配性だと思う。
『大丈夫だって。確認はしたし、じゃあ、さと姉行ってきます』
『はい!行ってらっしゃい!』
そしていつもの日常がやってくる。
家を出て近くのバス停まで徒歩10分歩き、そこから30分乗り、隣町に行き、バスを降りて10分のところにある月城高等学校に俺は通っている。
この学校に行くまでも俺は好きだった。いつもと変わらず、歩いている町は商店街もあれば普通の家もある。どこにでもある日常だ。
『お〜〜いはやと〜!』
学校につき、正門をくぐろうとした時、ふいに後ろの方から声がした。見ると、3つの影がこっちに向かってきているのがわかる。
『はぁ…はぁ……おっす!はやと♪』
『おはよう祐樹。そんな早く走らないでも間に合うだろ』
『だってぇ、早く隼人に会いたかったんだもん♪』
『って抱きつくなよ気持ち悪い』
こいつは松田祐樹。俺と同い年3年の小さい頃からの友達だ。愛想が良くいつも周りを笑わせてくれる、面白いやつだ。
『はぁ……ゆう、足速いんだから…あっ隼人だ。おはよ』
『あぁ、おはよ』
『聞いてよ隼人。ゆうがさ隼人見つけた瞬間に走り出すもんだからさぁ、足痛くなっちゃった』
『それ俺のせい!?』
『お前のせいだろうな』
『えぇっ!?そんなぁ…隼人までぇ…』
そしてもう一人、足を痛めたこいつは小浜結衣。同じく3年。祐樹の近くに住む友達でいつも祐樹と一緒に登校している。いつも祐樹をネタ(?)として使っているらしく、本人曰くいじりやすいそうだ。結衣とは高校入ってからの友達で出会って2年が経つ。
『はぁ…はぁ…はぁ……海月くん。おはよう』
『星野さんも、おはよ。大丈夫?』
『だ、大丈夫だよ…あはは…』
そして三人目は星野蛍。同じく3年。結衣の友達で、大人しい控えめな性格だ。星野さんも結衣と同じ頃に出会ったから、2年経つのかな。
『さっ!早く行こうぜ!俺たちの楽しみがいっぱい詰まった楽園へ!』
『学校と言え学校と』
さりげなくツッコミをいれる。ツッコんでくれたのが嬉しかったのか、異様なにやけ顏で言ってくる。
『やぁだなぁまったく、ここは男子の夢と希望が詰まったまさしく天国じゃないか!』
手を大きく広げながら祐樹が話す。
『あんたは女の子狙いでしょうが』
『そそそそんなことないよ?べべべつにねね狙ってなんかないんだから!』
『へぇ?じゃあ、ゆうは何を持ってエデンやらヘブンやら言うのかな?』
『そ、それは……勉強ができてうれしいなーってえへへ(棒)』
『絶対思ってないだろ今の嘘だろ』
さらにつっこみに結衣も加担する。やはり祐樹と結衣のコンビが面白いと思う。
『あ、あはは…』
星野さんが苦笑気味に笑う。
キーンコーンカーンコーン…
『やっべ!早く行かなきゃ遅刻しちまう!』
『もうそんな時間だっけか』
『ほらっ祐がそんなこと言ってるからこんな時間になっちゃったじゃない!』
『それよりも急がないと…』
『なんで俺だけ!?』
喋りながらも俺ら四人は急いで校舎へと走った…
初めまして谷川真斗と申します!以後お見知り置きを…
初投稿させていただいた、『うみほたる』!
題名と登場人物からしてわかりそうなアレですがそこは静かに見過ごしてください(笑)
恋愛系になります!なかなか初なのでいろいろおかしいところ等ありますが、色々言ってもらうと助かります…(笑)
軽く登場人物のおさらいしておきますね
海月 隼人……主人公。高校三年生。A型。誕生日は9月28日。普段は冷静で静かな性格。たまに怒るとかなり怖い。
星野 蛍……いずれのヒロイン。高校三年生。A型。誕生日は1月1日。大人しい控えめな性格。結衣とは昔からの友達だが、主人公達と会ったのは高校入ってからのこと。
小浜 結衣……蛍の友達。高校三年生。B型。誕生日は7月5日。元気いっぱい…とまではいかないが少し楽観的な性格。周りからは祐樹と結衣のコンビが面白いと評判になっている。主人公とは祐樹の知り合いで会った。
松田 祐樹……高校三年生。17歳。隼人の小さい頃からの友達。O型。誕生日は11月3日。明るく楽観的な性格。周りをよく笑わせてくれる。その明るすぎな性格でたまに馬鹿だの阿呆だの言われるが、そんなこと気にしない器のでかいやつ。
海月 里美……隼人の姉。A型。誕生日は12月30日。几帳面でしっかりしたお姉さん。時々言い方が子供に戻る時も?
っとまぁこんな感じでしょうか。(汗)
是非読んでいただけたら幸いです。それではまた!次の投稿で会いましょう!!次の投稿で会いましょう!