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姉ちゃんは同級生 ~井の頭の青い空~  作者: 山崎空語
第6章 高校生の俺達 ~卒業に向かって~
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6-7 部活を引退した日(その2)~妙なスローガン~

 6月13日の朝、俺は久しぶりに何か柔らかい物に包まれて身動きできなくて息苦しい感覚になった。この感覚の夢には既知感デジャブーがある。いつもならこの辺りで目を覚すと、姉ちゃんか彩香が俺に乗っかってる筈だ。だが、この日は嬉しい事に夢の続きを見る事が出来た。夢だと判ってて観る夢だ。おそらく、いつもの日とは違って、今日は朝から色々しなければならなくて、目覚まし時計を1時間早くしたから、それが鳴るまでは起きる必要が無いという安堵感がそうさせたのだと思う。後から思えば、姉ちゃんか彩香かが乗っかっていると思った段階で、起こされていると言う論理展開に気が付くべきだが、夢見心地と言うのは判断を鈍らせる。初めて見る夢の続きになんか嬉しくなっていた。

 俺はさっきまでこの状況から何とかして脱出したいと思っていた筈だ。だが、どうやらそれは無理で、覚悟を決める段階になった様だ。すると、幽体離脱したかのように、妙に冷静になって、混濁した意識が徐々に晴れて、辺りの景色が見えて来た。木漏れ日が踊る苔むした森の一角に、美しく張られ所々に水滴が宝石の様に眩しく輝く幾何学模様の蜘蛛の巣があって、その巣の左上、つまり第2象限の位置で、捉えた獲物をぐるぐる巻きにしている巨大で美しい蜘蛛が見えた。その蜘蛛は複数のルビー色の紅い単眼を輝かせて、捕獲作業の最終段階で、獲物の息の根を止めにかかろうとしている。それが解っているのに、俺は恐ろしさを感じるのではなく、むしろ癒される感覚で全てを受け入れようとしている。『この美しい蜘蛛の身体の一部に同化できる・・・』そんな安堵感に包まれている。やがてゆっくりその紅い瞳が俺の顔に接近し、左右1対の内側に湾曲した鋭い歯が俺の喉に突き立った。痛みは無く痒みに似た感覚に続いて、体液が吸い取られる感覚があった。『ああ、ついにこれで終わった。』と思った瞬間、

「翔ちゃん、起きて!」

俺をファンタジーの世界から呼び戻す姉ちゃんの声がした。その声に応えて静かにゆっくり目を開けると、制服のブラウスに、少し緩めた紅いスカーフをした姉ちゃんがブルーのタオルケットの上で俺に全体重を乗せて覆い被さる様にして覗き込んでいる。

「姉ちゃん、何してるの?」

「起きて!」

「その前に、今何かした?」

「なかなか起きないから首筋にキスしたわ。」

俺はさっきの美しい蜘蛛の巣とルビー色の紅い瞳と優しい森の中の木漏れ日の感覚を反芻はんすうした。

「そっか、でもその恰好じゃあスカートが皴になるよ!」

「大丈夫よ、撒くってるから。」

「そう?」

「み・る・な!」

「へいへい。」

「もうすぐ7時よ!」

俺は枕元の目覚まし時計を見た。アラームノッチが押された状態で6時55分を過ぎていた。どうやら俺は2度寝をしていた様だ。

「ほんとだ。」

雨の音が聴こえた。かなりしっかり降ってる音だ。俺は姉ちゃんを見詰めて、

「雨なんだね。」

「うん。大雨よ。」

「ねえ、起きるから退いてくれる?」

「うん。」

姉ちゃんが上体を起こして、俺に跨った左足を戻してベッドを降りる時、白い膝と太腿とその根元の衣類がチラッと見えた。思わず姉ちゃんに見惚れた。姉ちゃんは俺を睨み返して、

「あららっ! 見えた?」

「今日は・・・ピンク?」

「こらっ!」

「事故ですから。」

「なるほど、それが起こすまで起きない理由わけね。」

「えぇ~! 俺が悪者?」


 姉ちゃんは笑顔の余韻を残して先に階下へ降り、俺はYシャツと紅いネクタイとライトグレーのスクールパンツに着替えて、スクールバックとギターを持って降りた。いつもならパジャマのまま降りて顔を洗って朝食を食べてから再度2階に戻って支度をするのがだが、今朝は登校前にちょっと寄る所がある。なのに寝坊してしまったので、かなり慌て気味だ。リビングに荷物を投げ出すように置いて、ダイニングに移動した。

「お兄ちゃんおはよう。」

「おはようサヤ! 今日は起こしに来なかったのか?」

「行ったよ! でも起きないからお姉ちゃんと交代したよ!」

「そっか。」

昨夜ゆうべ遅かった?」と姉ちゃん。

「いや、そうでも無いけど、朝方観た夢が良かったのかも。」

「どんな夢?」

「えっと、深い森の中のファンタジーかな。」

「何それ!」

「まあ、忘れてくれ。」

俺は夢の解説を省略して、ベーコンエッグとトーストと牛乳の朝食を掻き込んだ。それから、かなり簡単に顔を洗って玄関に出た。

「ちょっと待って、2人共、これも持って行きなさい。」

母さんが口を閉じれるビニール袋と白いタオルを渡してくれたので、それをスクールバックに押し込んだ。いつもの様に、姉ちゃんが俺のギターのソフトケースで俺が姉ちゃんのキーボードのソフトケースを背負った。そして、背負った後で互いに雨除けのカバーを被せあった。どうして俺が姉ちゃんのキーボードを運ぶ役になったかと言うと、姉ちゃんがキーボードを背負うと引きずるからだ。姉ちゃんも結構大きい方だが、フルキーのキーボードはそれ以上にデカイのだ。それに結構重い。玄関を出てしばらく歩いて、神田川沿いの道になると、水かさを増して加速した川の流れの音と桜の大木の梢に降り注ぐ雨音と、傘に降り注ぐ雨音で姉ちゃんの声が途切れがちに聴こえた。

「雨、すごいね。」

「うん。今日は止まないみたいだ。」

「翔ちゃん、ズボンと靴がもうビショビショみたいね。」

「うん。結構冷たい。」

俺は自分のスクールパンツが濡れて、裾に行く程濃い色のグラデーションになっているのを確認した後で、姉ちゃんの白いふくらはぎ辺りに視線を移動した。

「姉ちゃんも濡れてんじゃない?」

「うん。かなり。」


 7時40分前エコサの横の加代ちゃん家のエントランスに到着した。姉ちゃんはスクールバックからタオルを出して、俺の背中のキーボードと俺の制服の雫を払うように拭いた。もちろん俺もお返しに姉ちゃんを拭いた。それから姉ちゃんと俺は長細い壺の様な焼き物の傘立てに傘を刺すように立ててから、俺が玄関チャイムを押した。加代の声が迎えた。姉ちゃんも俺もどうやらモニターに映っている様だ。

「おはよー! 待ってたよー、遅いじゃん。」

「加代ちゃんおはよー」と姉ちゃん。

「おはよー ごめん、俺が寝坊した。」

「2人共4階に上がって! あ、暗証番号はあの時と一緒だから。」

「うん。わかった。」

エレベータが来るのを待って、4階に上がった。狭いエレベータホールに出ると、目の前に重そうな防音扉が有って、その扉には上下2か所にロックレバーが有って、その間にテンキーのプレートが付いている。俺は4桁の暗証番号を押した。カチャッと音がしてロックレバーのロックが外れた。上下のロックレバーを持ち上げて扉を押して開けた。姉ちゃんと俺はドアの下のステップを跨いでその部屋に入った。一面光沢板張りのレッスンルームが拡がっていた。俺は姉ちゃんが入ったのを確認して、防音扉を閉めてロックレバーを下げてロックした。振り返ると同時に左側の鏡の壁の奥から制服にスクールバックと靴を持った加代ちゃんが現れた。加代ちゃんは姉ちゃんと俺が居る入り口の傍に来てスクールバックと靴を置いた。

「右の下駄箱にスリッパがあるから。」

「足が濡れてるからスリッパは良いや!」

「私達このまま上がるとフロアに足跡が着くかも。」

「そっか、それならこれ使って!」

加代ちゃんは鏡張りと反対側の収納壁からタオルを取り出して持って来た。姉ちゃんと俺はそれを有難く受け取ってソックスを脱いで足を拭いた。

「靴下をそのタオルで挟んどくと良いわ!」

「ありがとう。じゃあ遠慮なく。」

姉ちゃんと俺は素足にスリッパを履いてレッスンフロアに上がった。レッスンフロアの1番奥の窓際にベンチソファーが並べて置かれていて、加代ちゃんがそれに座ったので、姉ちゃんと俺も荷物を下ろしてベンチソファーに置いて、加代の隣に座った。俺はフロアを見渡しながら、

「想像していた以上に凄いのができたねぇ!」

「5月の連休にはお披露目の積りだったんだけど、建材不足とかで遅れちゃったの。」

「これでいつでもレッスン出来るわね。」

「うん。ハルちゃんも翔ちゃんも自由に使っていいよ。防音もしてあるから。」

「いくらなんでもそうは行かないよ。」

「何の問題も無いわ!」

「使わせてもらう時にはお父さんに相談するよ。」

「そんなに気を遣わなくても良いのに!」

姉ちゃんが窓の外を見て、

「雨が降って無かったらここはきっと眺めも良いわね。」

「うん、天気が良ければ6階の私の部屋から都心の高層やスカイツリーも小さく見えるの。」

「へー、良いねえ。」

「写しても良い?」

「もちろん。」

姉ちゃんが赤いミラーレスを構えて部屋中を撮影した。俺は姉ちゃんのご要望でポーズをとった。もちろん加代ちゃんも参加だ。演技ではあるが、久しぶりに加代ちゃんに体温を感じ取れる位に密着した。そうしている所にマスターお父さんが降りて来た。鏡の壁の裏側が階段になっるみたいだ。左手にトレイを乗せている。どうやらコーヒーを持って来てくれたみたいだ。

『おはようございます。』

「中西さん、良くおいで下さいました。」

「素敵なレッスンルームが出来ましたね。」と姉ちゃん。

「有難うございます。」

マスターお父さんはトレイをベンチソファーの間のサイドテーブルに置いて、

「コーヒーをどうぞ。」

『あ、有難うございます。』

「スワイプ・イン・ドリーム以外はハルちゃんと翔ちゃんに最初に見せたかったの。」

「それでどうしても今朝って事になったのね。」

「うん。そうなの。」

「ありがとう。嬉しいよ。」

「父さん、この部屋、中西姉弟には自由に使ってって言ったけど、良いよね。」

「もちろん。後で暗証番号のメモをお持ちします。」

「あ、いえ、もう知ってます。」

「そうですか。」

マスターお父さんはもちろん、加代ちゃんと姉ちゃんと俺はコーヒーを飲んで、ピカピカのフロアに写ったダウンライトや自分達の姿を眺めた。コーヒーカップを持ったまま少し歩いたりもした。当然の事かも知れないが、入り口側の隅にはカラオケマシンも置いてあった。俺達があちこちを興味津々で見渡す様子を見て、マスターお父さんは満足気な笑顔だった。

「ツルツルで滑りそうだね。」

「トウシューズなら問題ないわ!」

「そうだね。まあソックスでレッスンは無いか!」

「うん。」

「だけど、厚手のソックスを履いて滑りたいね。」

「別に良いけど、やっぱ翔ちゃんはお子ちゃまだね。」

「そうかぁ? でも、そんな気しないか?」

そう言って俺が加代ちゃんを見ると、なんかハズそうにしていた。

「・・・もうやったわ!」

「ほらみろ! やってんじゃん。」

「まあね。父さんもね。」

「えっ、何で知ってるんだ?」

「母さんが言ってたわ!」

「そっか。」

皆顔を見合わせて苦笑した。

「あ、そろそろ行かないと!」と姉ちゃん。

壁の時計を見ると8時10分だった。

「本当だ、雨の中をダッシュだね。」と俺。

「あ、車で送りますから、玄関で待っていてください。」

姉ちゃんと俺は湿った靴下と靴を履いて、加代ちゃんに続いてレッスンルームを出て、1階の玄関でマスターお父さんを待った。そしてマスターの運転するワゴン車で登校した。結構強い雨が降り続いていた。


 学校には8時20分に到着した。登校してきた生徒達はみんな雨で濡れている。玄関に入って、濡れた足跡がついたスノコに上がって、靴を履き替えていると、順平が小走りに入って来た。順平は雫を手で払いながら、

「おはよう翔太。ずぶ濡れだよ!」

「おはよう、凄い雨だよね。」

「順平君おはよう。」と姉ちゃん。

「おはよう!」と加代ちゃん。

「おや、3人揃ってんの?」

「うん。加代ちゃん家に寄って来た。」

「今日の準備?」

「広い意味ではまあそんな所かな。」

「順平君、タオルあるよ!」

「あ、姉ちゃん、俺のを貸すよ。」

「それが良いわ。」

「サンキュー! 流石ハルちゃん。良く気が付く。」

「いやいや、気が付いたのは母さんだから。」

「そっか。ところで、今日、ありがとうな田中!」

「ううん! 割り込んだのはこっちの方だし。」

「改装したんだろ?」

「そうよ!」

「それは楽しみだ。」

「ちょっと期待して良いわよ!」

「そっか。」

順平はそう言いながら、加代ちゃんを見詰めた。

「・・・田中は何か変わったよな!」

「それ、どういう事?」

「なんか優しくなって、可愛くなったって言うか・・・」

「あら、そう? どうもありがとう。」

「そう言う素直なところ。惚れてしまいそうだぜ!」

俺はこの順平と加代ちゃんの会話に割り込むのを躊躇ためらった。やっぱりどこかでまだ引っかかっているのかも知れない。俺達が自然体になれるにはもう少し時間が必要な気がする。

「順平君、ダメよ!」と姉ちゃん。

「『惚れそうだ』ってだけで、僕はナッちゃん一途だから。」

「あら、ご馳走様。でもそれなら良いわ!」

「私に惚れる前にできればCD買ってね。」

「ああ、もう買ったぜ! 初回限定版。」

「ありがとうございます。」

「良い曲だよね。DVDのダンスも凄いし!」と俺。

「ほんと? ありがとう。何度褒められても嬉しいわ!」

「今度持って来るからサインしてくれる?」と順平。

「もちろん良いよ!」

姉ちゃんと加代ちゃんと順平と俺は玄関から3階の教室に上がる階段を上った。順平は濡れた制服の雫を拭きながら。そして、3階で姉ちゃんと順平と別れて教室に入った。席に着くとまもなくチャイムが鳴った。


 1時間目はホームルームだ。主題は中間テストの成績集計結果だった。担任の黒田先生が35人分の集計結果の印刷物を抱えるようにして入って来た。

「これから出席代わりに中間の集計結果を配る。名前を呼ぶから1人ずつ受け取ってくれ!」

『へーい!』

黒田先生は集計表に書かれた名前を呼んだ。呼ばれた生徒は前に出て、両面印刷された4枚組のA4の集計表を受け取った。答案そのものは既に返されているし、暫定総合得点と暫定成績順位はもう知らされている。だが、この集計表は確定版で、しかも1人ずつ記載内容が違っていて、教科別に偏差値や弱点分析が細かく書かれている。情処部による分析ソフトの提供とグラフ化のサポートが有るとは言え、1人ひとり個別に分析結果を掲載するのは先生達の手間を惜しまない情熱が感じられる。客観的に自己分析するにはとても有難い資料だ。

「私のアバターが赤座布団に座っている者はその教科の補講が座席指定されるから出る事!」

『へーい!』

「青座布団の者も弱点強化のために出るべし!」

『へーい!』

「ひまわりマークの者は安心して良し!」

『ハーイ!』

「ただし、油断はしない!」

『了解!』

俺は座布団に座った先生のアバターを見た事が無いので何とも言えないが、次の試験でも見ない様にしたいから、姉ちゃんといつもの様に勉強するしかない。今回の試験では日本史が少し悪かったので、そこを中心に補講に出る必要がありそうだ。黒田先生が説明を続けた。

「3枚目の共通ページの2を見てくれ。今回の得点分布を分析したヒストグラムが出ている。平均点の線が縦に入っている。前回と比較すると、どの教科も平均点が5点以上良くなっているって事だ。皆よく頑張った! 特に連休の合宿補習参加者の平均点が6点以上向上してるから、特訓効果が有ったという事だ。つまり、君達はやれば出来るんだ!」

なるほど言葉だけでなく、分析グラフになっているからすんなり納得できる。

「話は脱線するが、今回も総合でクラストップは中西だった。先生はそろそろ中西を負かす奴が出て来るのを楽しみにしてるぞー!」

「・・・」

「返事はどうした?」

「無理っす!」と古田照之君(学級委員)。

「そうでも無いと思うがな。中西は全力で勉強だけしてる風でもない。」

「中西君に勝つ方策を教えてください。」

「なーに簡単だ、中西より勉強努力すれば良い。」

「僕が思いますに、努力だけでは中西君にはたぶん勝てないです!」

「なんでだ?」

「成績優秀で優しくて賢くて美人のお姉さんが必要です。」

『激しく同意~!』

「おお、なるほどそう言う必要条件があったのか!」

「申し訳ありませんが、この議論、非論理的かつハラスメントの恐れ有と思われます。」と俺。

「すまん。そうだな。」

「まあ、俺は逃げも隠れもしないから・・・てか、俺より上の連中を目標にしてくれ!」

「なるほど、一理ある。」と先生。

「中西君は学年ではどうだった?」

加代が悪戯少女っぽい目つきで俺の方に振り返った。俺は集計表をめくって確認した。

「集計表によると、前回7位から4位に浮上したみたい。」

「おおぉ~、3人抜きとは凄いじゃん。」

「ちなみに、お姉さんは5位だそうだ。」と先生。

「あぁ~、良かったぁ~!」

「なんでだ?」

「姉ちゃんには負けれませんから。」

「それだ。その負けられないと云うライバルを意識が良いのかもな!」

『同意!』

と言う事で、次回定期考査に向けて、『追い付きたいより負けたくないライバル』を想定して頑張ると言う妙なスローガンを作られてしまった。こうして、部活追い出し会の日の授業が始まった。残りの高校生活は、部活をしていた時間を受験勉強にシフトする事になる。そう言う意味でも、この成績集計表を今日受け取ったのはなんか意味がある様な気がした。それに、姉ちゃんと俺の成績が初めて学年で5番以内になったのが密かに嬉しかった。もっとも、3番と俺の間には15点もの大差が有る一方で姉ちゃんと6番との差はわずか1点だった。ちなみに姉ちゃんと俺との差は2点だった。つまり、姉ちゃんと俺の実力が上がったってのじゃなく、今回は単にラッキーだったのかも知れない。

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