5-30 入試モードに突入した日(その1)~末永くよろしくネ~
2013年の年が明けた。例年通りと言っても中学からだから5回目だけど、吉祥寺の神社に一家揃って初詣に出かけた。姉ちゃんは母さんのお下がりの振袖だ。水色生地に赤や黄色やピンクや白い無数の花や蕾や緑の葉が天の川に流れる様にデザインされて散りばめられている。それに朝日が当たると・・・眩しい。振袖にはモチーフやデザインが古くなると言う事が無い様だ。そう言えば、今年はタクシーで無く、電車移動になった。彩香は、今年入学するだけに、かなり大きくなって、もう荷物扱いでタクシーに乗せられなくなったからだ。今日はブルージーンズにピンクの縄編み模様の手編み風のセーターの上に白いダウンジャケットを着て、可愛い。俺は紺色の地味なスーツにいつものサンドグレーのコートを羽織って、彩香の手を引いて先に三鷹台駅に行こうとした。
「翔ちゃん、待って。家の前で撮りましょ!」
「あ、うん。」
「ショール持って。」
「了解。」
姉ちゃんはアルミ3脚に赤いミラーレスをセットして玄関を狙っている。振袖姿で前屈みになってバックも持っているから、なんか滑稽に見える。
「お姉ちゃん、そのバック、サヤが持とうか?」
「ううん、良いよ、もう準備できたから。」
そこへ親父と母さんが出て来た。親父は例によって薄目の藍色の噺家風の和服で、母さんもベージュ基調の生地に細かいピンクや草色の柄が散りばめられた和服だ。
「お父さん、お母さん、写真撮るから!」
「おぅ、そうか。」
「翔ちゃん、ありがとう。」
「どういたしまして。くすぐったいね、これ。」
「もう、顔拭かないで頂戴。」
「拭いてないから。」
親父と母さんが玄関ステップの1番上に並んで、その1段下で彩香を間にして姉ちゃんが左、俺が右に立った。姉ちゃんはショールを巻くと自由が利かない様で、
「彩ちゃん、これお願い。」
「うん。良いよ!」
彩香は姉ちゃんからリモコンを受け取って、顔の前にあげてカメラを狙ってボタンを押した。
『ピピッ・ピ』
「サヤ、今の、サヤの顔が映って無いんじゃないか?」
「そっか。」
「手は上げなくても良いから、下でこっそり押すみたいにして良いよ。」
「わかった。」
「リモコン押す前に、写すよって言ってくれ。」
「わかった。・・・写すよ!」
『ピピッ・ピ』
こうして、中西家の5人は姉ちゃんの赤いミラーレスの2013年元旦記念の写真に納まった。
30分後、例年通り神社の待合室に入った。ここで約30分、中途半端な寒さに耐えて、家内安全、交通安全、健康祈願、学業成就のお祓いをしてもらう。特に今年は彩香が入学するし、姉ちゃんと俺は3年生になるから、受験勉強に専念しなければならい。だから、お祓いをしてもらう側として、『学業成就』に気持ちを込めた。
「今年のメインは俺達の学業成就だね。」
「そうね。頑張ろうね!」
「ああ、頑張ってくれよ! 2人共。」と親父。
「お兄ちゃん、学業成就って何?」
「おっと、そう言えばサヤも今年1年か。」
「うん。そうだよ!」
「学業成就ってのは、つまり、頭が良くなりますようにってお祓いして貰うんだ。」
「お祓いして貰うと、頭が良くなるの?」
「うーん、それはちょっと違うかな。」
「なんで?」
「頑張って勉強したことがちゃんと覚えられて、その結果、成績が良くなる様にお願いするんだ。」
「うーん、ムズい。」
「そうね、頑張った事が無駄なく頭に入る様に見守っていて下さいって神様にお願いするの。」
「ふうーん。」
「神様が味方に付いてくれてるって思ったら勉強頑張れるでしょ。」
「そっか。神様に味方になって貰う儀式なんだ。」
「その通り! サヤは賢いな。」
「へへん!」
神殿に向かって右から親父、俺、彩香、姉ちゃん、母さんの順に座ってお祓いをして貰った。彩香の素朴な疑問のおかげで、お祓いの意味がはっきりして、これまでに無く実感が伴うお祓いを受けたような気がする。お札とお守りと破魔矢を社務所で受け取って神社を出た。
「お前達はしばらく吉祥寺で遊んで帰るんだろ?」と親父。
「うん。友達と待ち合わせしてる。」
「じゃあ、私達は渋谷にでも行ってみようかしら。」
「うん。それが良いと思うわ!」
「サヤはどうしよっかな?」
「サヤちゃんは私達と一緒だよね。」
「そっか。カヨ姉ちゃんとの約束だから。」
母さんは笑顔で彩香を見詰めて、
「そうね。良い子にするのよ!」
「うん。」
「それじゃあ、翔太、これ。」
「あぁ、いいよ。とりあえず小遣いはあるから。」
「まあ、なんだ。これはお年玉だ。」
「そっか。そう言う事なら貰っとくよ。ありがとう。」
「お父さん、サヤのは?」
「今のが3人分だ!」
俺は貰ったお年玉を彩香に見せた。例によって1万円だ。
「それ、分けっこするの?」
「いや、今日の食事代なんかになる予定。だけど、余りはサヤにあげるよ。」
「本当?」
「そうね。良いアイデアだわ!」
「てか、お年玉ならサヤはもう貰ってんだろ?」
「お兄ちゃん無駄使いしないでね。」
「スルー? まあいいや、必要な無駄遣いしかしないから安心しろ!」
「えぇ~、なんか変。」
「ウフフ、彩ちゃん賢い!」
姉ちゃんと俺と彩香は親父と母さんと別れてサンロードの喫茶『話輪』に向かった。話輪で皆と待ち合わせしているからだ。
「11時15分かぁ!」
「どうしたの?」
「うん。ちょっと早いかなと思って。」
「そうね。お昼には早いわね。じゃあ、YAMABASHIに行ってみない?」
「2階だね。」
「うん。」
姉ちゃんと俺と彩香はサンロードの手前の横断歩道を通り過ぎて、大通り沿いの『正月セール』をしているカメラ量販店に向かった。もちろんその量販店はカメラだけでなく家電類なら何でも売ってる。姉ちゃんが行くと言っている2階は当然だがカメラ売り場だ。
「何か買うの?」
「うん。ディスプレイの保護フィルムがすり傷だらけになったの。」
姉ちゃんはそう言うと、手提げ袋から赤いミラーレスを取り出して俺に差し出した。確かに擦り傷が付いて白くなっている所がある。
「本当だ。結構すり傷だらけになったね。」
「たぶんスクール・バックの中で教科書なんかの荷物とこすれ合うからだわ!」
「みたいだね。でも、本体にはそれほど目立った傷は無いみたいだ。」
俺は歩きながら左手で赤いミラーレスを持って、手首を回してボディーの光沢と傷を確認した。
「サヤにも見せて!」
「良いかい姉ちゃん?」
「サヤちゃん、落とさないでね。」
「うん。こうするから。」
彩香は俺から赤いミラーレスを受け取ってストラップを首に掛けた。
「それが良い。サヤは賢い!」
「えへへ!」
俺が彩香の頭をポンポンと撫でて姉ちゃんを見ると、心配そうに彩香を見た後、姉ちゃんを見ている俺を睨んで、
「あのね、私も落とした事は無いから。」
「そうじゃなくて、そろそろ新しいボディーを買ったら?」
「それには愛着があるの。」
「そうだね。初めての1眼だからね。」
「うん。」
「新しいの買ったら、これサヤにくれるんでしょ?」
「う~ん、そうね。」
「彩香、残念だがそれは暫く無いかも。」
「どうして?」
「カメラマンはプロに近付くほど2丁拳銃に憧れるんだ。」
「どういう事?」
「カメラを2台持って写すんだ。2台専用ストラップでね。」
「えぇ~、1つで良いじゃん。」
「たぶん、1つが広角でもう1つがズームだね。」
「どうしてそんな事するの?」
「レンズ交換の時間が節約できるから、フットワークが良くなるのさ。」
「ふう~ん。良く判んない。」
「そうだな。写すのに慣れて、写したい事がいっぱい出来るとそうなるらしい。」
「ふう~ん。」
YAMABASHIカメラには中央口から店内に入った。そして、上りのエスカレータを捜した。姉ちゃんが先頭で、彩香、俺の順に乗った。姉ちゃんは体を捻って振り返って、
「私はじっくり派だから1台で良いわ。」
「まあそうかもね。」
「じゃあ、まだ買わないの?」
「残念だったね。彩香。」
「ううん、サヤもデジカメあるから、まだ良いよ。」
「ありがとう、彩ちゃんは良い子ね。」
俺達3人はオランパスカメラのアクセサリーコーナーでディスプレイ保護フィルムを捜した。
「なんか、色々あって、どれが良いか判らないね。」
「なるべく傷が付きにくいのが良いと思う。」
「これかなあ?」
その時背後から聞き覚えのある声がした。
「いらっしゃいませ。」
姉ちゃんと俺が慌てて振り返ると、中里さんがにこやかに立っていた。
「あ、中里さん!」
「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。」
姉ちゃんと俺は年頭からハモった。そして互いにお辞儀した。
『明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。』
「素敵な晴れ着ですね。」
「有難うございます。母のお下がりなんですよ!」
「そんな感じには見えません。とても良くお似合いです。」
「有難うございます。」
「そちらは妹さんですか?」
「はい。彩香です。」と俺。
「明けましておめでとうございます。」と彩香。
「まあ、可愛い! お幾つでしたっけ?」
彩香は両手を使って6歳の意思表示をした。
「そうだ、年長さんでしたね。じゃあ今年は1年生ですね。」
「うん。そうだよ!」
「それはおめでとうございます。」
「有難うです。」
俺は遠い昔、『1年生おめでとう』って周りの大人皆に言われてなんか困ったことがあった様な記憶というか、すごく心細い感情がフラッシュバックした。彩香と繋いでいた手に力が入った。彩香は俺を見上げた。
「なに? お兄ちゃん。」
「ん? 何でもない。」
「今日は何かお探しですか?」
「はい。ディスプレイの保護フィルムを・・・」と姉ちゃん。
「お姉ちゃん、これ返す。」
彩香は赤いミラーレスを姉ちゃんに差し出した。姉ちゃんはそれを受け取りながら、
「はい。ありがとう。」
「お勧めの物はありませんか?」と俺。
「そうですね、このガラス強度のが良いと思います。傷が付きにくいですから。」
「じゃあそれにします。」
「有難うございます。在庫を調べて来ます。」
「お願いします。」
「さっきまでエリちゃんが居たのですけど、何処へ行ったのかしら。」
「そうですか。久しぶりに会いたかったです。」と俺。
「メールしてみますわ。」
そう言うと、中里さんはレジに向かった。姉ちゃんと俺と彩香は中里さんを見送って、
「エリちゃん帰っちゃたのかしらね。」
「かもね。」
「そうだ。フィルムは張り替えて貰えるかしら。」
「たぶん張り替えてもらえると思うよ。」
「なら良いけど。私、下手だから。埃が入って。」
そこへ聞き覚えのある声が聴こえて来た。
「あぁあ、居た居た!」
フロア右奥の通路からエリが急ぎ足で近付いて来た。アズキ色より少し明るい紅い生地に胸元から裾にかけて桜の花の様な花や蕾のデザインの流れが際立った振袖だ。その長い袖が翼の様に翻っている。
「あら、エリちゃん、久しぶり!」
エリが姉ちゃんのすぐ傍に来た頃、
『明けましておめでとうございます。』
姉ちゃんとエリは同じ決まり文句を同時に言って、お辞儀した。俺も挨拶をそれに続けた。ただし省略形だ。
「あけおめ、ことよろ!」
エリも省略形で返した。
「あけおめ~!」
「エリ姉ちゃん?」
「そうよ~、サヤちゃんは忘れちゃった?」
「ううん。覚えてる。テニスのお姉ちゃん。」
「そうだよ~、サヤちゃんは可愛くなったねぇ。」
「えへへ。」
エリは彩香の頭をポンポンと撫でた。
「エリちゃん、元気だった?」
「うん。あの後でね、ライセンス取ったんだよ!」
「へぇ~、すごいね。」
その時、中里さんが笑顔で割って入った。
「春香さん、レジの方へ来て下さる? フィルム張り替えますから。」
「はい。お願いします。」
「ごめんねエリちゃん。」
「いってらっしゃい。うちは翔ちゃんとここで待ってるから。」
「あ、サヤも行く!」
中里さんと姉ちゃんと彩香はレジの方へ向かった。エリと俺はそれを見送った。俺はエリを見て、
「エリちゃんの振袖初めて見た。」
「どう?」
エリはそう言うと袖を持ち上げてくるりと回って見せた。
「うん。綺麗だ。」
「それだけ?」
「えっと、可愛い。」
「ありがとう。」
エリと俺は久しぶりに見詰め合った。だが、微笑むエリの瞳に小悪魔の輝きが見えたような気がした。
「翔ちゃん、聞いたよ!」
俺はなんか嫌な予感がした。
「な、なに?」
「エコサの加代ちゃんと凄い事になったんだって?」
「え、そんな事、誰に聞いたの?」
「情報源は内緒だわ!」
ナッちゃん筋か?・・・俺は出来る限り話を逸らしたいと思った。
「エリちゃんは田中さんを知ってるの?」
「何言ってるの、中1の時同じC組だったもの。出席番号近いし。」
「へえ~! 佐野と田中かぁ。なるほどね。」
「ちょっと変わってるけど、良い娘だよね。頭良いし。」
「そっか?・・・そうだね。」
エリは俺の顔を見上げて、
「ねえ、どうなのよ?」
「だから、何でも無いって。」
「あのね、『煙立つ所、火の用心』って言うじゃん。」
俺は深呼吸を1つして、覚悟を決めた。
「エリちゃんの2回捻りだね。」
「翔ちゃんの真似よ!・・・だから教えてよ、正直に!」
「交換条件になって無い様な。・・・他言無用の約束できる?」
「モチ! だってうち、貴男の第3夫人なのよ! 聞く権利があると思わない?」
「聞いてんじゃなくて、問い詰めてるよね。」
「つべこべ言わないの!」
「へいへい。」
エリは瞳を輝かせて俺を見上げるように見つめた。なんか可愛い。こいつやっぱり小悪魔だ。
「・・・加代はもうすぐタレントデビューする。」
「本当? てか呼び捨て?」
俺は一瞬狼狽した。
「あ、ああ、だから彼氏なんて不要ってか無い方が良いだろ!」
「はは~ん。そうか。翔ちゃん捨てられたんだ。可愛そうに!」
「失礼な! 元々そんなドロドロの関係じゃなかったから。」
「ほんとかなぁ? てか、つまりドロドロじゃ無いご関係なのね。」
「いや違うから。・・・だから、今でも仲良しだぜ!」
エリは俺の瞳を覗き込むようにした。
「なあ~んだ? 仲良し? そうか。やっぱりね。」
「まあ、色々誤解や曲解を招いた事は否定しないけど。エリの期待とは違うから。」
「どうして誤解されるような事になったの?」
「加代は久我高のディーバで、俺はファン2号だから。ユニット組んだし。」
「ファン1号は?」
「姉ちゃん。」
「そっかぁ・・・」
「確かに、姉ちゃんとはギクシャクした時期もあった。」
「解決したんだね。」
「ああ。」
エリはとりあえず納得してくれた様だ。そして少し安心した様だった。少し沈黙があった。
「エリは自分を『うち』って言うようになったんだね。」
エリは俺に1歩近付いて左手で俺のコートの右袖を摘まんだ。
「うん。ちょっとあって。女子高だから。」
「おれの助けは要らないか?」
「うん。もう良いの、うちも解決したから。」
「そっか。出来ることがあったら何でも言ってくれ。」
「ありがとう、翔ちゃん。」
「遠慮要らないから。」
お互いに見つめ合った。あの時の様に。今度の表情はすごく可愛かった。
「じゃあ、うちはまだ3番目に居るんだよね。」
「あ、うん。もちろん。」
「ありがとう。これからも末永くよろしくネ!」
「へいへい。」
「返事は1つで良いから。」
「へい。・・・ところで、今日は初詣?」
「うん。午前中はね。」
「じゃあ、午後は時間があるんだ。」
「でもない。」
「デート?」
「何言ってるの! うちは翔ちゃんの第3夫人よ! 身持は固いのよ!」
「は、ありがとう。冗談でも嬉しいです。」
エリは背伸びして内緒話の様に、小声で、
「本気だから。」
「そっすか!」
「残念だけど、これから初釜のお稽古なの。」
「初釜? なんか焼くの?煮るの?」
「もう! 茶道よ。」
「ああ、ぶんぶく茶釜だね。」
「うん、まあね。」
「そうだった。・・・エリちゃんがねえ。」
俺はエリの瞳を覗き込んだ。エリはちょっと恥ずかしそうにした。
「初釜に来る?」
「これから?」
「ううん。成人式の日」
「ああ、ごめん。今すぐはわからない。冬期講習のフォローアップがあるかも。」
「そっか。進学校だもんね。」
「あ、まあ。」
「大変だね。うち等は短大にエスカレータだから気楽でごめん。」
「良いね。」
そこへ彩香が帰って来た。それをエリが笑顔で迎えた。
「やっぱ彩ちゃん、少しお姉さんになったねぇ。」
「うん。エリ姉ちゃんも。」
「ありがとう。可愛い!」
エリは彩香を軽くハグした。それから振袖の中から手首を出して腕時計をチラット見た。俺はその手首の白さに、なんかドキッとした。
「あ、いけない。そろそろ行かなくちゃ。」
「そっか。」
「うち、アキ姉とハルちゃんに挨拶してから行くから!」
「うん。元気でな!」
「翔ちゃんもね。彩ちゃんバイバイ!」
「バイバイ!」
エリはレジの方へ急ぎ足で向かった。エリの振袖の袖が再び翼の様に翻った。俺と彩香はその後姿を見送った。そして、姉ちゃんを待つ間、俺と彩香はショウウインドウの上にチェーンで繋いで展示してあるカメラを手に取って写しっこをした。彩香カメラマンは、まあ予想通りではあるが、アバンギャルドな、つまりブレブレの作品が多かった。仕方なく、俺は彩香に構え方を教えた。彩香の作品が写実的になった頃、姉ちゃんが戻ってきた。
「お待たせ! お年賀もらっちゃった。タオル。」
「中里さんは?」
「他のお客さんのお相手みたい。」
「そっか。じゃ仕方が無いね。エリちゃんが行ったろ!」
「うん。なんかすごく嬉しそうだったけど?」
「うん。なんか第3夫人継続の確認で。」
「もう!」
俺は1つ深呼吸をして、
「行こっか!」
「うん。」