登場人物紹介&後日談(15):秋白福寿、秋白桔梗、秋白桜、瀬山忠義
『秋白福寿』
「鈴花ももう大人だ。家に来た客の応対も出来ないでどうする」
「楽しさの代償。人には生まれ持ってきた悲しみがある。そして、生きていく悲しさも。悲しさは、楽しさの傍にも、少なからず寄り添っている」
「俺は、悔いとか反省とか言う言葉が、大嫌いだ」
43歳 181cm 74キロ
地元の古くからの名家である秋白家の現家長。父親はすでに隠居し、母親と共に気ままな世界の旅をしている。鈴花の素を知っている数少ないうちの一人。
大きくも、張りつめた雰囲気を持つ。手入れされた口髭が特徴的。
家族は妻と二人の娘。本人は息子も欲しかった様子。
趣味はクレー射撃と鹿狩り。特技は後方伸身宙返り四回ひねり。
厳しいが、実は面白いことが大好きな性格。自分と似ている鈴花に対しては厳しくも優しく見守っている。桜に対しては特に干渉したりはしない。
自分で考えた家訓を言うのが癖。家族に押し付けてはいない。元は、父が自己を戒めるマイルールとして口癖で言っていたのを、真似したり参考にしながら考えたもの。祖父は仏教に精通しており、より良い生き方を父に諭し、そこから父がマイルールとして自分を戒めた。
鈴花に対する妻の態度を気にしながらも、二人の関係に干渉することは避けていた。桜と鈴花が仲良くなっていく様子に安堵していた。
桜が結婚してしばらくすると、桜の夫に家督を譲り、狩りをしたり両親に会いに行ったり夫婦で世界旅行したり気ままな生活を送る。遠くにいる時も常に秋白家の状況は掴んでいた。鈴花に息子が出来ると、よく会いに行き、ジャグリングや手品を披露して孫を喜ばせた。本人もようやく男の子が出来て喜んでいた。
*若い時は私生活や女性関係でかなりやんちゃな人でした。彼の父もやんちゃな人でした。彼の祖父はしっかりした人ですね。桔梗とは見合い結婚です。年貢の納め時のような感じで結婚しています。彼か彼の父か彼の祖父の話も書いてみたいとは思っています(多分書かない)
『秋白桔梗』
「だって、大事なお話なのでしょう。それなのに、鈴花さんを同席させて。桜さんの方がよろしかったんじゃありませんか?」
「自分でも、わかっていますね?」
「いけません、あなた。鈴花さんと関わって、桜さんまで不良になってしまっては、あら、失礼したわ。気にしないで下さいね、鈴花さん」
39歳 170cm 56キロ
福寿の妻で、桜と鈴花の母親。嫁として秋白家に入った。
綺麗な顔だが、怒ると眉間に深くしわが刻まれる。胸までかかる髪。先の方を一本にまとめ、胸の方に流している。
家族は夫と娘二人。桜も鈴花も実子。
趣味はエステなどの美容。特技は建築デザイン。一級建築士の資格を持っている。
夫の前ではよき妻。娘の桜を溺愛しているが、鈴花には憎悪の感情を持っている。
苛立つと足を鳴らすのが癖。
少し傾き始めた旧家の次女として生まれる。長女は婿養子を取り、家に居場所がなくなると思い、旧家が 揃うパーティで福寿に眼をつけ、その後見合いで猛アタック。その甲斐もあり、福寿と結婚し秋白の妻となり桜を産む。桜を育てながらその才能に気づき、依存するように自分の全てを傾ける。息子が欲しいと福寿にせがまれたが、次に生まれたのは娘の鈴花だった。そんな鈴花に福寿は気にかけだが、桔梗は福寿の愛が自分と桜が離れるのではないかと考え、鈴花に辛く当たる。成長した鈴花とは冷戦状態。桔梗も鈴花も互いを嫌悪している。
高校卒業後、鈴花は留学し、彼女に心の平穏が訪れる。桜の結婚、出産を心の底から喜び、孫も桜と同様に溺愛する。鈴花が孫を連れ帰ってきた時、鈴花とその孫に嫌味を言う。それにキレた鈴花の娘によって門に逆さまに吊るされることになってしまう。生涯、鈴花とその家族との溝は埋まることは無かった。
*実際にモデルがいたりするキャラです。それにしても、鈴花の娘は凶暴ですね。鈴花の娘は、普段はお嬢様然としていて、キレると容赦ないキャラです。秋白家の人の名前には、全て草木や花に関係する名前がつけてあります。
『秋白桜』
「…鈴花さん、なの?」
「そうだったのですか。格好いいと思います、とても」
「ええ、私で良ければ、喜んで」
19歳 169cm 49キロ
秋白家の長女で、鈴花の姉。大学二年生。
ゆったりとした雰囲気のある容姿。幼さの抜けた、穏やかで優しそうな顔。美人で基本的な顔の作りは鈴花と似ている。眼が少しタレ目気味。つり目の鈴花と唯一大きく違う点。腰まで届く、長く真っ直ぐな髪。
家族は父と母と妹。
趣味は熱帯魚鑑賞。特技は赤ん坊をあやすこと。
優しく妹思いだが、少し天然で空気の読めないところがある。鈴花の素には気づいていない。
虫を苦手。鈴花が赤ん坊の時に、鈴花を助けようとして蜂の大群に襲われた。二人とも怪我はなかったが、その時の恐怖から虫を見るのもトラウマになっている。
秋白家の誇りと鈴花に対してしっかりした姉であろうとすることから、最大限の努力をし、また持ち前の素質でほぼ全てにおいて鈴花を圧倒していた。そんな桜を母親は溺愛し、何でも出来る桜に対し、最初は頼もしい姉として甘えていた鈴花だったが、母親から姉と常時比較されることに対し母親を嫌悪、同時に桜に恐怖感を抱き、年を取るにつれどんどん二人は疎遠な仲となっていた。輩の襲撃により負傷し、鈴花に助けられる。その時に鈴花と和解。以後は徐々にではあるが姉妹関係は昔の頃に戻っている。
大学在学時、婿養子の夫と見合い結婚。その後家督を父から譲られた夫を助け、秋白家を盛り立てた。後に二人の娘を産む。鈴花に会いにアメリカに行ったり鈴花が日本に帰ってきたときは必ず会っていた。その中の良さは夫も嫉妬するほどであったという。
*完璧超人ですが、ところどころ抜けているところがあります。大人になった桜と鈴花はかなり仲良しなんでしょうね。良い姉妹です。名前からアルズローザとか一瞬考えたりもしましたが、一日悩んで却下しました。
『瀬山忠義』
「かしこまりました、お嬢様」
「ですから、心配することなどありません。お嬢様ならば、きっと良いようにしてくれると信じております」
「お嬢様のこととはいえ、出過ぎた真似を致しました。お許しください」
61歳 171cm 55キロ
秋白家に仕える執事。全執事のまとめ役だが、自身は鈴花の執事として働いていることが多い。大昔から秋白家に仕えている家で、本人は福寿の祖父の代から秋白家に仕える。鈴花の素を姿を知る数少ないうちの一人。
理知的で優しい瞳。白髪で、髪形はオールバック。立派な口髭を蓄え、いつも燕尾服を着ている。
家族は父・妻・息子・息子の嫁・孫(男)。
趣味は秋白家の人の写真を取りまとめるコト。特技は古武術と手刀。手刀でりんごを切るコトで鈴花をあやしていたことも。
与えられた役割はきっちりこなす性格。鈴花に対しては煙たがられない絶妙の距離感で接する。そんな瀬山に鈴花は満足している。母親から疎まれている鈴花を不憫に思い、仕事ではなく、彼本人の意思で世話を焼いている。
主人の影を踏まないように歩くことと、足音を立てずに歩くのが癖。
代々秋白家に仕える家に生まれる。福寿の祖父の代に執事として初めて秋白家に仕え、福寿の祖父から執事としての振る舞い方や人としての生き方を学ぶ。福寿の父とは幼いころから兄と弟のような関係であり、成人して秋白家に仕えてからも、弟として福寿の父の良き相談相手だった。福寿が生まれ、忙しい父に代わって父のように接する。よく家を抜け出す福寿に同行し、やんちゃであった福寿から眼を離さずに彼の放蕩に付き合った。鈴花が生まれ、福寿から身の回りの世話を頼まれる。母親から憎しみを向けられていた気の弱い鈴花を優しく見守り、彼女の精神的な支えとなっていた。ルーオと出会い、たくましく成長していく鈴花に眼を細め、自身は影のように鈴花を見守る。
高校卒業後、海外への留学の同行を求めた鈴花に対し、自分の役目は終わったと秋白家に残った。老齢に達していたが、よく働き、後進の指導も怠らなかった。後に、鈴花に子供が生まれた際、孫を世話役として鈴花の元に送った。たまに日本に帰ってきた鈴花の子供達の御守をする。彼の孫は苦労しながらも、鈴花の子供達と良好な関係を築いた。
*サブキャラですが、意外に歴史を持った人です。サブなのにメインより紹介が長いとかちょっと問題ですが(笑)




