夜の踏切
夏なのでホラー書いてみました。なお、多忙ゆえ出来るだけ文字数を減らした意味がわかると怖い話です。
カーンカーンカーン、と踏切の警報音がイヤホンをすり抜けて聞こえてくる。「エリーゼのために」を聴いていたのに、本当にうざったい。こうやって電車を待ってる時間ってほんとに無駄だ。
うざったい警報音にも負けないような激しい曲に変えるために、さっきまで開いて見ていたSNSを閉じて音楽アプリを起動する。
あー最近はこの曲が流行ってるのか。なんだっけ、なんかの映画の主題歌だったっけ?
そんな時にふと、視界に何か白いものが横切った気がして、前を見る。
それは手だった。ブンブンと勢いよくこちらに振られている。
知り合いか?夜だし、暗くてよく見えない。けれども、凝視しているとだんだん目が慣れてきた。俺の通ってる学校と同じ制服を着ている。
多分、同級生かな。そう思って一応礼儀のために、俺は目の前の遮断機の棒の先にいるそいつに向かって、同じように手を振った。
直後、俺は死んだ。
歩きスマホ、ダメ。ゼッタイ。