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転校
「えー。今日からこの学校に通うことになったハティ君です。自己紹介を」
「うむ。我の名はハティ。性別がない故敬称はつけなくてよい。よろしく頼む」
教室の各所から拍手が送られる。
ここは『緑の国』中央やや南西部に位置する国立学園。
入学した方法は、端的に言えば脅迫に分類されるのであろうな。
まあ細かいことは気にせんでも良いであろう。
「しつもーん」
「む?」
教室の一角から声が上がった。
「性別がないってどういう事ですかー」
何?
性別がないことぐらい普通であろう。
「普通ではないのか」
「人間種とか獣種には性別があるものだと思うんですけど」
なん・・・だと・・・?
此奴、まさか
「主、我を何だと思っている」
「え、獣種」
我は膝から崩れ落ちた。