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国際情勢
我が失墜した事の始まりは十年ほど前。我が生まれ落ちてから五年であった。
我が国は、我が国以外の八の国々の兵士と神獣の連合軍に滅ぼされた。
一国にしては過剰戦力ではないか?と初め思ったが、どうやらそうでもないようだ。
各国の神獣には序列があり、一の座を持つ我が親と、二の座を持つ『青の国』のヨルムンガンドには大きな戦力的な開きがあるらしい。
戦争の理由は知らぬが、まあどうせ面倒な国際情勢という奴であろう。
親に教えられたことと自らが学んだことで生き抜いていた。
しかし人社会ではそうもいかない。
まったく、なぜ金属片を渡さなければ物を手に入れられないのだ。食べられもしないそんなものより野鳥の方が有益ではないか。それに視線が鬱陶しい。まあ確かに?我の毛は流麗ではあるが?それにしたって限度というものがあろう。
・・・そろそろ限界が来てしまっている。