表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

07 広まる噂

更新履歴

2024年 7月12日 第2稿として大幅リライト。

 『五加護姫』の奇跡――。


 私が5つもの加護を授かったことは、国の隅々まであっという間に広まりました。王宮のお膝元である王都モンドールの大通りでは、道行く人たちの噂話で持ちきりです。


「聞いたか? 五加護姫様の話」

「さっそく、第二妃様の病を治したっていうじゃないの」

「神に選ばれた御子様に違いねぇ」

「どんな姫様なのか、見てみてぇなぁ」


 五加護姫――。それが、私に付けられた愛称です。

 1つでも国に繁栄をもたらす加護が5つもあれば、自分たちの暮らしが楽になるに違いない――。そんな期待感が街に溢れ、ダルトンやエリカを通して耳に届くのです。

 きっと、父であるジスモンド陛下の心中は穏やかではないでしょう。加護の数で王位後継者が決まるわけではありませんが、民の人気は高まります。私の夫となって、王位を覆そうなどと企む高位貴族が現れないとも限りません。

 そもそも私は、他国へ政略結婚させるために育てられました。周辺諸国との同盟の手駒として使うため、ダルトンとエリカを寄越して最低限のマナーと教養、護身術を身につけさせたのです。実際には二人とも、本気過ぎる英才教育を施したのですが……。

 ジスモンド陛下はもう、私を他国へ嫁がせるわけにはいきません。5つもの加護を授かった私を他国へ差し出すなど、約束された栄華を自ら手放すようなものですから。――となると考えられるのは、このまま離宮に幽閉し続けるか、従順な領主に嫁がせるか。いずれにしても、私の自由を奪った上で、加護の力を利用しようと考えるはずです。


 まずは、王家が盤石であることを民に示さねばなりません。おそらく夜会が開かれるでしょう。第一王子であるローレット殿下の後継者指名と、私のお披露目を行うのです。

 ローレット殿下を差し置いて国を率いる気など毛頭ありませんが、このまま言いなりになって従うことが良いとも思えません。私とお母様にはあまりに自由がないのです。

 さて、どうしましょう? 取りあえず、かまどの火を強くしましょうか。


「フエゴ様、もっと火を吹いてください」

「任せておけい! フーーッ! フーーッ!」


 真っ赤な体の火の使い様が、筋肉質な体を屈めてかまどに火を吹いてくださります。尖らせた口と髪のない頭が、海の生き物であるタコを思わせます。――本の挿絵でしか見たことがないので、実際にどれほど似ているのかは定かでありませんが……。煮たり焼いたりすると美味しいらしいので、いつか食べてみたいです。

 かまどの上の鍋がグラグラと煮立ちました。


「カレンよ、そんな些事にまで加護を使って、疲れんのか?」


 頭をかいていた後ろ足を止めて、フェンが呆れた息を漏らしました。


「ちっとも」


 実際に何ともないのです。たくさん加護を使うと、激しい頭痛がしたり、ひどい時には気絶してしまうそうですが、まったくその気配がありません。


「どういう精神力なんじゃ」


 フェンがちらりと横目でダルトンとエリカを見ました。


「まったく……どんな鍛えられ方をしたのか」


 ダルトンがおイモの皮を剥く手を止めて、悪びれることなく一礼をしました。


「この老体の全てを伝授させていただきました」


 エリカは口笛を吹いてそっぽを向いてます。

 二人とも、後ろ盾のない私が王宮で生き抜けるように、最大限のことをしてくれたのです。

 感謝を込めて、今夜のメニューはおイモ祭りといきましょう。イモ煮と揚げイモとイモサラダですよ。

第8話を、7/16(火)に更新予定です。


【大切なお願い】

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

応援して下さる方、ぜひとも

 ・ブックマーク

 ・高評価「★★★★★」

 ・いいね

 を、お願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ