凶暴暴力極凶
実話です。脚色一切無し
実際に起きた出来事を事後まとめにしたものです、読まれている方の中には覚えがあるかもしれません。この話はある事件の渦中にいた私の仲良い先輩の実体験です。
私は兵庫県○○市に住んでいる。
10代の頃は不良がカッコイイと思い、チャラ着いた服をきて夜の歓楽街を歩き、悪い人達とつるむことで高揚感を感じていた。そんな恥ずかしい黒歴史の頃。
当時兵庫県では今とは比べ物にならないほど麻薬が出回っていた。粗悪品の飲み薬タイプなら1000-1500円程で数粒買えた為、小中学生の小遣いでも買える値段設定で、街の至るところで売人が売っていた。
麻薬に興味はなくても悪いことには興味がある。そんな子供達が麻薬の知識も無く嬉しそうに買い、麻薬に手を染め続ける。そんな時期がありました。
○○市は指定暴力団山口組傘下の組が歓楽街等の元締をしていた。歓楽街では昼夜問わずどこでもどんな薬でも安易に買うことができた。
私の仲のいい先輩はそこで売人をしていた。私自身は目の前で覚せい剤を打ち込み、頭おかしくなった友人や、長野県にある更生施設に半年以上いれられた友人、先輩、後輩を何人も見たり知っていた為、薬物には絶対に手をつけてはならないと思った。売人の先輩はもっと悲惨な状況の人をたくさん見て知っていた為、私によく言っていた。
「売ることはあっても絶対買うな」
今にしてみれば売ることも当然クズだと思う。
当時の売人はあんなものに手を出すやつはアホやと笑いながら売っていた。
意外にも自分に薬をしたことがない売人の方が圧倒的に多かった。ヤク中らしき売人はすぐにいなくなっていたのもあるが。
薬をした人は目がギラギラしている。脳が覚醒状態をキープしているからしい。だが、1番わかりやすいのは臭いだ。バニラエッセンスに化学薬品を足したような独特の嫌な甘い臭いがする。香水や消臭剤をつかっても消えない。特に口から嫌な甘い臭いがするのだ。
今までま嗅いだことの無い不快感の臭いのため、すぐに分かると思われる。
なぜ○○市内では売人がはびこり、子供たちでさえ簡単に買うことができるのか?その理由は暴力団が警察を買収し、情報を横流ししていたからだ。
○月○日○時頃に○○の辺りに捜査しにいく。という情報を前もって受け取り、売人に連絡し、その日その場所を担当する人は休みという流れだ。
先輩いわく、とてつもない金額の賄賂を渡していたらしい。
その警官達は賄賂で豪邸を買って高級車を乗り回す。
情報を電話で話す。ただそれだけで莫大な金が入ってくる為、癒着している上役の警官たちは我先にと情報を渡していたそうだ。
○○市の警察官の質の悪さは全国的にも有名だ。もちろん治安の悪さも。
だが、そんな○○市の腐敗に特大のブレーキがかかることになる。
麻薬取締法の施行だ。
当時の歓楽街では特に誰も気にしていなかった。金をやればいつも通り情報を嬉しそうに渡すだろう。
そうすればいつも通りやればいい。そんな程度にしか思ってなかったそうだ。
だが現実は違ったようだ。
ある日の午前中。いつも通り歓楽街でたむろして薬を売り、同僚達とタバコを吸いながら缶ビールを飲んでいた時
「警察やー!警察がこっちに向かっとるぞー!逃げろー!」
同僚の1人が叫びながら走っていた。
普段なら数日前にはガサ入れの告知がくる。でも今回は情報無しどころかガサ入れのパトカーの量ではないようだ。
一斉検挙だ。
「やばい!今すぐ全員逃げろ!走れ!」
歓楽街中の売人、客は一斉に走った。
すぐ近くに大きな駅があるため走ったが、時既に遅く大量の警官が張っていた。
駅、タクシー乗り場、国道沿いの中道。至るところで警察官が張り込んでいた。
私の先輩たちは駅には警官が張り込んでいると予想し、住宅街に逃げようと走っていたところ警官に囲まれて警棒でボコボコに殴られた。
手錠をかけられても警棒でボコボコにされたようだ。
私も昔警棒で殴られたことがあるが、とてつもなく痛い。
頭を殴られたら視界が揺らぐ。腕を殴られたら重く鈍い痛みが走る。
先輩は捕らえられ留置所に送られ、1年半の実刑判決をくらい服役した。
出所後先輩と会い、居酒屋で飲みながら当時の話をした。
とんでもない事がおこったもんやなと笑っていた。
私は友人知人の中に薬で人生を崩壊させ亡くなった人が何人かいる。甘くくさい臭いをだし、歯は溶け、髪は抜け落ちる。頭のイカれた行動をする。
たまらなく人生活に苦しんだ後に死んでいくのだ。
あの事件が無ければ今もたくさんの人達が軽い気持ちで手を染め、人生崩壊させていたことだろう。
いい事件だったと私は思う。
あの時の話かと思った方もいるかもしれませんね。