2-17
空が赤くなってきた。
山に向かおうとした。丘を進んでいく途中、モンスターが現れたが、それらはソングさんが片っ端からあの高速の斬撃で倒していった。
用心棒として、申し分ない……!!
って、アニキに対して失礼だな。俺。
「シルファは安全な所で避難していろ」
「は……はい」
シルファが明らかに何かを言おうとしている。
こちらを伺うようにチラチラと目だけで視線を向けてくる。
だが、俺はあえて聞く耳を持とうとはしなかった。
恐らくシルファは付いてきたいのだろう。ウコーンの新たな討伐方法の発見に関しては彼女の頑張りが占めるものが多い。だが、今からは山を攻めようとしている。
丘よりも危険が極端に大きくなる山へは彼女は連れていけない。
もし何かがあれば、グティに顔向けすらできない。
シルファは何か溢れてしまいそうに、こちらを見つめている。
なぜ私は行けないのか。なぜなぜ……。
「シルファ……」
意を決して伝えようとした時、山から下りてくる人影が見えた。
影は全てで3つ。真ん中の影が圧倒的に大きい。
シルエットがくっきりしてくると、顔は見えずとも誰かは分かった。
ハンマーフォールさん、クライフ、ヴァンデン・プラスの3人だった。
ハンマーフォールさんもこちらに気付いたようで、手を大きく振ってきた。
「おお!ヒロト。もう丘まで来ていたか」
「はい。ソングさんにフォローしていただきましたので」
「ハンマーフォールさん聞いて下さい。ヒロトの野郎、ウコーン捕獲について画期的な方法を発見したんですよ」
ソングさん、何喋り出してんの?
「ほう、画期的か」
「はい。それを証明する為に今から山に行ってきます」
おいおい、馬鹿アニキ何から何までぶっちゃけすぎだろ。
ほら、ハンマーフォールさんの眼光が鋭くなったじゃないか。
沈みかける夕陽にハンマーフォールさんの眼光の鋭さだけが一層ひどく目立った。
「山だと……?!」
「はい!」
「ソング、お前は何も解っちゃいねぇな。ヒロトに山は無理だ。危険すぎる」
「あ、はい。それは俺も言ったんです。でもヒロトがその、画期的な……」
「画期的も何も、ヒロトをどう守ってやるんだ。ああ? この話はもう終いだ。今日はもう帰るぞ。もう日も暮れちまう」
そ、ソングの兄貴……。なんで口を滑らせちまってんだよ……!!
そう思った瞬間、ほんの一瞬、近くにいた者でも解るか解らないかというぐらいの一瞬だけ、ソングさんが笑ったように思えた。
まさか、ソングさん……!? わざと口を滑らせて、なぜ……?
1-1
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この物語の1話目です。
是非こちらからも見て下さい。
2-1はこちらから!
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