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文豪と自殺  作者: border
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1、私小説

文豪、とは、文章を操り、様々な物語や詩などを作り出している人のことである。


私は、それこそが彼らの自殺の原因の一つと考える。


ここでは、太宰治を例に挙げてみよう。


太宰治は、「人間失格」などの己の実体験を混ぜ込んだ【私小説】が有名だ。

私も彼の作品は拝読しているが、矢張り、一言で言うと、暗い。しかしそこが、多くの読者をひきつけている。


さて、ここで、皆さんに聞いてみたい。

皆さんは、人生で恥ずかしかったこと、辛かったこと、苦しかったことなどを思い出して見てください、と言われたら、どれくらいのことを思い出せるだろうか。


私は、まだ10代なので、10数個しか思い出せないが、きっと三十代、四十代頃になってくると、何十個も思い出せるのだろう。

しかも、きっとそれ以外にも、昨日は思い出せなかったが今日は思い出せた、などのものがあるだろう。それも合わせると、もうそれは数え切れないくらいになるのではないだろうか。


太宰治は、それを小説に書き留めて行った。

その行動は、私としてもとても共感できるところがある。

例えば、何か学校で失敗をしてしまったとする。

私だったら、その恥ずかしさから逃れるために、こんなこと、君もない?と書いてしまうだろう(太宰が私と同じ気持ちで書いたのかはわからないが)。


しかし、それは、数年後には、記録として残っていると、あぁ、今まで忘れていたのに、これのせいで思い出してしまった…と、後悔に苛まれることだろう。


私は、これが彼の死因のひとつなのではないかと考える。

自分の思い出したくない苦しかったこと、哀しかったことが、いつでも思い出せてしまう状況にあって、その後悔を抱えて生きるというのは、とても苦しいことなのだろう、と、考えなくてもわかる。

彼は、この人生を1度リセットしたくなったのではないだろうか?

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