第一話 転移前
初投稿です。
最後まで書けるよう頑張ります(*´∨`*)
それは、いつもの朝のこと。
「おっはよー!」
と同時に私は勢いよく教室のドアを開ける。
「おはよう、冷花。もう直ぐチャイム鳴るよ」
私の声に気づき挨拶をするのはクラスのマドンナの橘 愛理。
黒髪のストレートで、着物とか似合いそうな顔立ちだ。
「はぁー、まにあってよかった」
「もう、頭に葉っぱが付いてるよ」
私の頭に付いていた葉っぱを取る。
「ふふん、家から学校までの最短ルートを通ってきたのだ」
「それ、自慢じゃないよ」
半分呆れ顔で見てくる愛理。
だって最短ルートを通らないと間に合わなかったもん。
「如月、またあそこ通ってきたのか」
「あっはー、二人とも」
始めに話しかけてきたのは、サッカーのエースの杉浦 亮太。
学年一のイケメンで女子から絶大な人気を誇っている。
もう一人はスポーツ系女子の松倉 香苗。
バレーボールで今後に期待されている選手だ。
「おっす、またいつのもメンバーだな」
あくびをしながらこちらに近づいてくるのは、赤井 浩二。
髪は茶色に染め、耳にはピアスをつけているがこう見えて彼は、テストの成績がよく学年十位以内に必ず入っている。
「おはよー、皆」
こんな人生勝ち組の中にThe凡人な私が居るのはまだ信じられないが、このグループに居るのが心地よいのだ。
「てゆーか、先生来るの遅くない?もう10分経ってるよー」
「あ、本当だ」
「私、先生呼んできますね」
愛理は席を立ち先生を呼びに行こうと教室のドアに手をかける。
「あれ?」
「どうしたの?」
「ドアが開かないの...」
愛理の顔に不安が浮かぶ。
「そんなわけ」
私が「そんなわけないよー」と言おうとしたとき教室全体の床にアニメなどに良く見る魔法陣らしきものが現れる。
青い光を帯び、綺麗と思えるが明らかにこの教室には異質な存在だ。
「えっ!何だこれ」
「何が起こっているの?」
クラスメイトの皆が突然現れた魔法陣に驚き騒いでいる。
そうしている内に魔法陣から放たれている光はどんどん強くなっている。
その中で私は突然現れた魔法陣にどうしても違和感を感じる・・・・・・・ことが出来なかった。
もやもやする。何かを忘れているような...。
私は何かを思い出そうとすると頭が吹き飛んでしまいそうなぐらいの痛みに襲われた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「冷花、どうしたの!
「如月、しっかりしろ!」
私は朦朧とする意識の中、頭の中にある映像が流れる。
真っ赤な花が咲き乱れる中でまるで宝石のように美しい少女が笑みを浮かべながら踊っている。
映像が切り替わる。
背筋が凍るぐらいの暗闇にとてつもない大きさの何かが浮かんでいる。
そして、最後に。
「どうして!どうしてなのよ!なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで! 裏切ったのよ!」
と叫びながら奇妙な形をした黒い錆が付いている大剣を振り回す。
自身の長い灰色の髪をその大剣が、バサバサに斬ってしまっているのにも気づかないぐらい彼女は、心がやられてしまっているのだ。
その彼女を見ているのは先ほど観た少女だが先程とは違い、彼女はまるで汚物を見ているかのように彼女を見ている。
とても冷たい目だが、その目からは少しの悲しみの色が感じ取れる。
少女はその小さな薄桃色の唇を動かしこう言った。
「それは...。こちらの台詞せりふだ」
そこで私の意識は途絶えた。