プロローグ
この作品はフィクションです。実際する登場人物、団体などとは一切関係ありません。
作者はアドルフ・ヒトラーとナチスドイツが行った行為を一切肯定していません。
したがって、この作品はアドルフ・ヒトラーの考えに賛同する考えや、ナチズム思想を普及するために作ったものではないです。彼の行った行為は70年以上経った今も断罪されるべきで、ドイツから遠く離れた日本であっても肯定はしてはいけません。
1945年4月30日、彼は命を絶った。
ソ連軍の激しい攻撃によって廃墟と化したベルリン。彼の理想とは違った結果。もう後戻りはできない。
1945年4月30日、彼は命を絶った。
総統地下壕。ベルリンの官邸の地下に掘られたこの閉塞的な空間で彼は一丁の拳銃を握り締め、自らのこめかみに銃口を向けた。
1945年4月30日、彼は命を絶った。
妻も毒薬を服用し命を絶った。後は引き金を引くだけだ。
1945年4月30日、彼は命を絶った。
大きな銃声が鳴り響いた。8000万もの命を奪ったこの戦争を始めるために引き金を引いた張本人は、無責任にも自らの人生を終わらせるために引き金を引いた。
そう、1945年4月30日、彼は命を絶った。東方生存圏、世界首都、華々しいドイツの再興、彼の野望は全て絶たれた。彼が死んだことによって、絶たれたはずだった。