緋色の色はやがて抜け落ち
「ひぇぇぇぇ、大丈夫なの?」
カリナタが所属している魔法部隊が居る場所から後方、今は控えに回っている為に一人、ハラハラとしながら上空を見詰める。
見詰める先にはディーネが聖剣と名高い名剣を抱え、その下をミトラの風の魔法+風の高位精霊の小さな二名の女の子が補佐をしながら、「おーらい~おーらい~、あ!もう少し右~」と言いつつ上空に運んでいる。
ちなみに離れた所では未だに竜巻の様な火炎が上がっているが、其方は進展がないらしくずっと熱気が此方へまで上がって来る。
時折殴り合っているらしい音が響いて来るが音のみで、立ち上がる火炎が視界を塞いでいてどうなっているのか判断が付かない。
『すまんがの、此方が終わったら妾はフローの所へ行く。心配での』
恐らく属性等不利な条件が重なり、フローではあの敵は対処出来ないのじゃろと呟く。
実際その通りであれだけの熱量を発していると言うのに一向に収束する気配がない。
「わかった、すまんな精霊女王」
『あ~その、なのじゃが。妾の事はミトラで良いのじゃ。そこのハクが名付けた名ぞ。中々良い名ゆえ、妾はとても気に入っておる。故に其方で読んで欲しいのじゃ』
「ではミトラ殿」
『よいよい、ミトラで構わん。その方が妾も気が楽なのじゃ』
「私の事はディーネ、もしくは女将で頼む」
『ふふ、わかったのじゃディーネ』
一人と風の大精霊が仲良くしている間、モチは始終周囲を見渡して警戒をしながらも横で作業をしているハクの手伝いをする。
「ご主人こんなに沢山どうするんですか?」
「一応不測の事態があった時の対応策込みって感じかな」
「たいおうさく?」
きょとんとして小首を傾げて居るモチはそれでもせっせと腕を動かして次々と造って行く。
「これさっきの火薬ですよね?でもこれは?」
「陽動にとな。後は内緒」
火薬にせっせと糸を付けていたモチは「ほえ?」と更に首を傾げるがハクがそれ以上は秘密らしく話してくれない為、きっと何か考えがあるのでですねと思って言及するのはやめておいた。対応と言っているのだし、本来なら使わない方のが良いのだろう。
それにしても何なんでしょうね?と気にはなったのだが。
『よし、着いたのじゃ』
黒い穴の真下にディーネを降ろし、ハクの作ったライトシールドの上にディーネは立つ。
「これ壊せるの~?」
「出来そう~?」
先程までディーネを運んでいた高位精霊が二体、つかれた~~と言いながらもディーネの傍を羽搏いてくるくると周囲を回っている。
「壊せるではない。壊すのだ」
眼下にいる息子のアレフが「あ、やべ御袋が脳筋状態だ」等と言ってその場から距離を取る。
ついで周囲に居たものにも距離を取る様に支持を出し、最後に父親であるキアフに確認を取る。
「行くぞっ!」
ディーネがそう叫んだ瞬間――…
キンキンキンキンギンギンギンディンディンディン
途中からガンガンと言う物音迄混ざり、下で控えて居た息子が「相変わらず無茶をするなぁ」と朗らかに言い、周囲で何かあったらと不測の事態の為に控えて居た者達は唖然とする。
『ふむ~中々じゃの』
「ミトラさーん何か穴がドンドン裂けてません?」
『やはりそう見えるかの』
「はい。と言うよりあれってもしかして…」
モチがそう言うが早いか、次々とディーネが聖剣で放つ剣戟に次第に黒い穴の周囲がズタボロの様になり、徐々に全貌が現れて来た。
「まじか…」
誰がそう言ったのか分からない。
だが誰しもそう言ったであろう。
何せ皆はただ其処に穴が開いているだけだと思っていたから。
だが現れたのは…
「島!?」
「なんでココに」
「飛行島?」
「天空の島ぁ」
「天空に何故?」
唖然としている人々の中、ハクは「やっぱり隠蔽されてたか~」と一人納得をし、次いで出来上がった品を持って立ち上がる。
「ディーネさんちょっと攻撃します。多分其処に居るとまた何かが落ちて来ると思うので危険ですから離れて下さい」
サッとディーネが離れた辺り、穴がある真下にハクは移動してから火薬の導火線に火をつけ、大きなホール見たいな場所に投げる。
すると…
ドドーンッと一度火薬を投げた時よりも大きな音がし、今度は扉みたいなモノが下に落ちて行った。
「「「「扉!?」」」」
「多分これで中に入れますね」
敵が出て来る可能性もあるけど、と飄々とハクは言い放つ。
「え、中に入れるの?」
「ええ。優しいゴーレムでも居ると良いのですけど」
『は?』と聞き返して来るミトラにハクはあ~ええと、オバリヨンだったっけかな?と言い直すが、余計皆に混乱を催した。
■優しいゴーレム
某映画の天空の城の住人。
1輪の花を片手に持ち、朽ちるまで墓守をし無き王族の墓にそえる優しいゴーレム。
□オバリヨン
新潟県の三条市に伝わる妖怪。背負うと徐々に石の様に重くなる。
そしてやっと!
島出せました!
子ウサギの方で途中出て来てしまいそうでやばかった!
何度か竜王が台詞としていってしまいそうになり、慌てて修正したり。シナカッタリ(オヤ?)。
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m(__)m




