番外編 御姉様方の新年 4
番外編四番目にて終了です。
次は本編(切実に)希望!
「…なんだこれは?」
グリンウッドの中心にある街ファンダムとは所変わって、南方の国ウイングダス。
その国の名物である水道橋を辿って高台に聳え立つ、竜王の住む古城のとある室内の最中。
「ううーんと?」
銀髪で柘榴色の瞳の少女と、紫色の髪の毛の先が徐々に色素が抜けて薄くなっている金の瞳の少年が隣り合わせで唸っている。
「何て言ったっけ?エレマンノは?」
「ええ~とガレ聞いてない?」
「ガレは知らない~」
「エレマンノは頼まれただけ。中身は聞いてない~しゅわっち!」
ミトラの十人居る風の高位精霊のガレとエレマンノは、二人合わせて知らない~!と首を振っている。
その内何が楽しいのか、二人の風の精霊は空中で「ガレこーせんっ!」や、「じょわぁ!」等と言ってクルクル舞っている。
どうやらこの風の精霊達、落ち着きが無い様だ。
そして何処から聞いたのだ、その台詞は。
「食べ物ですか?」
固いけど穀物っぽい匂いがしますよ?と、銀髪の少女が紫色の髪の毛の少年に話し掛ける。
「ふむ、初めてみるが…弟からのお裾分けなのだろう?」
「そうです。でもどうしたら?」
少年と少女の背後に居た年若い執事にも聞いて見るが、この様な形のは見たことが無いらしい。
「食べ物でしたら似たような物で別の形のならばあるのですが、もしかして同じでしょか?」
部屋に控えていた黒い執事服を着こなしている者も首を傾げている。
「ふむ、そうか。すまんなマルティン」
「いえ、お役に立てずスイマセンご主人様」
頭を下げた執事服の者は少し考えてから言葉を次げる。
「もしかして餅でしょうか…」
「知ってるの?マルティンさん」
「アドニス様に昔少々聞いたことがあります。それに和の国の周囲にも似たような物があったように記憶しております。ただ形は丸くて平たかった様に思います。記憶が確かなら焼いたり煮たりしていた筈です」
二人の風の精霊が「多分それだ~」「わかんない!」「僕達あほ?」「ぎゃーやめてー!」とギャアギャアと喚いて居るが何時もの事なので少年と執事はスルーし、少女は"よく飛び回るなぁ"とちょっと明後日の方向に思考を向けて居た。
「手紙は入ってませんか?」
「「あ」」
品に気を取られて二人の少年と少女はすっかり忘れていたらしい。
意外とこう言う所はそっくりだなと黒服の執事服を纏っているマルティンと呼ばれた一見年若く見える青年は、白い餅と思われる食品を見詰め、持って来た紙袋に何故か首まで突っ込んで探している少女に注意すべきか否かと困惑していると、
「あ、あった。ありました!」
嬉しそうに封筒を持って喜々として掲げる少女。
その少女を見て慈愛に満ちた眼差しで眺める少年。
その少女と少年の姿を眺めて「全く」と苦笑をし、マルティンは部屋の隅に置いてあるカートに移動して冷めてしまった紅茶を淹れ直す。
「やっぱりお餅みたいです。えーと、オショウユとかアンコとかキナコとかを付けてご賞味下さいですって」
後は煮物にもって書いてあります。でも煮物ってなーに?オシュウユ?アンコ?キナコ?キョトンとする少女に少年はうーむと唸り、
「聞いたことあるかマルティン」
目の前に出された淹れたての紅茶に口をつけているこの城の主である少年を見詰め、マルティンは茶器を片付けて居た手を止めて失礼の無いように主…レノを見詰め、
「残念ながらキナコはありませんが、確か醤油はありますよ。アンコはもしかしたら市井に行けばあるかもしれません。餅だとしたら以前アドニス様が教えてくれた調理法を幾つか知っております。宜しければ後程料理長に頼んでまいりますが如何ですか?」
「有難うマルティン、ウサギもそれでいいか?」
「はい!」
楽しみです!と微笑む二人にマルティンは笑み――…
アンコにショウユって確か異世界人の産物だと思いましたが、はて、何故お嬢様の弟君が知っておられるのでしょう。異世界人と関係あるのでしょうか?と小首を傾げるのであった。
その後食したウサギがお餅が伸びる事に気付き、つい魔が差して悪戯心に逆らえず手で伸ばして遊んでしまい、レノはレノで「チーズか?」と何も付けずに食して瞬時に真顔になったり。
何だかな、と執筆のマルティンは口許を押さえて必死に苦笑を押さえるのだった。
一ヶ月以上掛かってしまった…(・ω・`)
いや、『子ウサギ』の方のキャラクターが此方側で上手く喋らす事が出来なくて時間が掛かってしまいました。反省。
一応次回は本編へと入る予定ですが、『子ウサギ』の方にゲスト出演するキャラクターが次回から登場します。ちなみにこのキャラクターは本来なら此方側メインキャラクターです。
元々『子ウサギ』と『俺のでは(普段異世界と書いてますが、此方で略すのが良いかな?)』リンクする話のため、キャラクターがダブります。
もしかしたらってキャラクターも今後此方に出て来る場合もあります。もし出て来たら、ホンとに出しやがったな作者っ!とでも思って下さい。はい(笑)。
ではでは、次回本編にて。
………フラグ立ってないよねっ!?
f(^ー^;




