緋色に空は染まりー Intermezzoー
短いです。
2/2 Nocturne改め Intermezzoに変更
「も~行くの?」
のほほんとした声が聞こえる。
「ああ」
私は上を向いて答える。
彼と契約を結んでから数百年。
それが急に切れた。
ぷっつりと。
てっきり彼は『死んだ』ものだと思っていたのに、鐘は途中で途切れた。
恐らく蘇生が効いたと思われる。
そして、私との契約は切れたまま。
情報が足りない。
遭いたくて逢いに行こうと思ったが、契約が無いため何処に居るかわからない。
大丈夫なのだろうか?
契約が無いため、力は足りるのだろうか?
あの非力な女神がついては居るが、彼女は名ばかりの傍観者だから役には立たないだろう。
「ね~ほんとーに無茶しちゃだ~めだよ~」
のんびりと話す言葉はゆったりだが、心配しているのは分かる。
「無理はしないさ」
「え~そ~言って~フローちゃんは~無理するからさ~、僕心配だよ~」
心配だと言う彼女の頭に手を乗せ、
「大丈夫、少し話すだけだ」
「そ~言って~フローちゃんは暴れるよね~?」
それについては返事はしない。
…事実だからな。
「図星だったんだね~」
彼女は柔らかく笑う。
私はその笑顔がとても好きだった。
でも、その笑顔は今日で見納め。
彼女は今日で『代替わり』する。
「ね、フローちゃん」
「なんだ」
「ずっと~一緒に居てくれて有難う、ね」
徐々に崩れる彼女の身体。
土の精霊の代替わりは初めて見るが、私もこの様に崩壊して行くのだろうか?
「フローちゃん」
彼女が泣いている。
「大好き…」
溶けるように消えた彼女に首を振り、
「私こそ、愛してるよアニタ」
彼女が消えた場所に、彼女が好きだった道端の名も知らない花を添える。
空は染まる
緋色に
私の色のようだと、彼女は昔笑って言っていた。
「行ってくるよアニタ」
彼女は既に居ないのだけど、「いってらっしゃいフローちゃん」と聞こえたような気がした。




