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そして私は、女神の首筋に剣を突き立てる

今回は短いです。

 時刻はそろそろ暮れ七つ(午後四時)。


 薬師ミサは街の礼拝堂の懺悔の小部屋に一人、佇んでいた。

 周囲には誰も居らず、頼んでいないために懺悔を聞く牧師も居ない。

 この部屋を利用するのは牧師が居なくては本来の目的は果たせないのだが、礼拝堂の皆はミサが姿を現すと何も言わなくても部屋の鍵を開けてくれる。

 既に習慣になってしまっているのだが、時々教会に来たばかりの新人等は胡散臭そうに見詰めると、古参の者が睨みを効かせ、そそくさと去って行く。


 楽でいい。


 それに、と。

 ミサはこれから一人愚痴を漏らす言葉は、誰にも聞かせたくは無かった。

 ミサは突っ立ったまま、窓の無い部屋の壁がわにある女神の像を睨み付ける。



「私は貴女が嫌いよザアファラーン、私から全てを奪った女神」



 弟も血縁者も平穏さえ、全てこのザアファラーンに奪われた。

 長く(・・)生きた分積年の恨みは強すぎる。



ハク(あき)は奪わないでよね」



 独唱。

 現状届きやしないのだが。


 ミサは踵を返し、去って行く。




「何時かお前の首に剣を突き立ててやる」



 呟いた言葉は険を含んでいた。


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