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商売を始めよう4



---神秘の泉 地上1万メートル



 「キャァ!」


 神秘の泉に到着した瞬間、リュシアさんだけが水の中に飛び込んでしまった。

 彼女だけが着地に失敗したのだ。


 「ああーずぶ濡れになってしまいましたわ……」


 う!

 リュシアさんは着地の衝撃で衣服が乱れて胸がはだけて見えていた。

 ミの可愛らしい小ぶりな胸と違って、豊満で美しい曲線を持っていた。



 「ひゃぁ! 見ないでくださいまし」


 仕方ないとは言え、直視してしまった。

 眼福がんぷく眼福。


 僕は手を合わせてリュシアさんを拝んだ。




 「カイエン様、ここは一体……」ハーネス会長が質問する。


 「ここが神秘の泉ですよ」


 「凄い! 古文書にあった絵図と一緒だわ! まさか伝説の泉が本当にあったなんて!?」


 ずぶ濡れになりながらもリュシアさんは興奮して泉を見渡し始める。



 「凄く綺麗な所ですねご主人様」


 「フフフ、そうだろう? ミーちゃんには一度見せたいと思っていたんだ」

 「ご主人様ぁ……ミは幸せ者ですぅ」


 ミは僕の腕にしがみ付き、ゴロゴロとのどを鳴らしながら頬擦りする。






 僕達の目の前には巨大な泉が広がっていた。


 「カイエン様、もしかして……」

 

 「この泉全てが"奇跡の水"ですよ。リュシアさんが今ずぶ濡れになりましたけど、その水分も全て奇跡の水です」」


 

 「凄すぎる、これだけあればどれだけの瓶になるか。天文学的な数字になりますよ!」


 ハーネス会長は興奮して叫ぶ。




 「キャー!」リュシアさんがまた叫んだ。


 あ、忘れてた。


 「危ないからあんま外側に行かないでね。ここ山の上だから」


 「た、高い! なんて高さなの!?」


 泉の外側はほぼ断崖絶壁の崖である。

 

 「カイエン様、貴方は一体どうやってここに辿り着いたのですか?」


 「普通に上って来たんですよ、前にね」


 「とても人間に登れるような場所には見えませんが」


 「まぁ企業秘密です」


 まさか、以前の冒険で登っていたと言っても信じては貰えないだろう。

 ここは周回10周目ぐらいで見つけた穴場だ。

 




 「これで理解いただけましたかな? 奇跡の水はいくらでも手に入るんです」

 「これはカイエン様にしか来れない場所ですね、貴方様にしか出来ない偉業だ」


 「凄すぎますわ、カイエン様。貴方は一体何者なんですの?」


 「ただの元冒険者ですよ」

 

 「流石ですご主人様!」


 全員が僕に対し今までとは違う目で見ている。

 そりゃそうだろう、こんな事普通の人間に出来る事では無い。

 僕もこの世界に転生してすぐに出来たわけでは無い。


 何度も死にかけ、実力を底上げし、魔王討伐後にようやくたどり着いた境地なのだ。




 「ところで、猛烈に寒くありませんか?」

 「なんだか頭が重いですわ」


 ハーネス会長とリュシア嬢は寒そうに縮こまり始める。

 そうだ、忘れていた。

 ここは普通の人間が本来長居出来る場所では無いのだ。


 「高度1万メートルですからね、長居すると死にますよ」



 「高い場所に居ると危ないんですの?」

 「毒の沼地に踏み込んでいるようなものです。人間はあまりに高い場所にいると呼吸が難しくなるんですよ」

 「まぁ、物知りですのねカイエン様は。私、全然知りませんでしたわ」

 「ううむ、この場所に来るだけでも大変な事なのでしょうな」


 「まぁ、普通は登って来る途中に死にますね。直角にそびえたつこの山をロッククライミングする必要がありますので」

 

 「流石ご主人様です! ご主人様には出来ない事が無いのですか?」


 皆、僕を尊敬した目で見ている。

 流石に尻の穴が痒くなったのですぐに帰った。






---獣人ミ視点


 

 私は以前では考えられない生活を手に入れた。


 「おはようございますご主人様」


 朝。

 寝室のご主人様に声を掛けたが返事は無い。

 まだお休みになっているよう。


 起こさないようにそっと寝室の拭き掃除をする。


 

 今はとても幸せです。

 前のご主人様と違って、カイエン様はとても優しい。

 毎日私に優しくしてくれます。

 

 よ、夜もとっても優しくしてくれます。


 理想のご主人様です。

 一生、この人についていけたら良いと思います。




 「ううーん、おはようミーちゃん」


 「おはようございますご主人様」


 私の最愛のご主人様が起床されました。

 寝顔を見ているのも幸せだったので少し残念です。

 ですが、起きている時のご主人様も素敵です。

 全ての時間のご主人様が大好きです。


 本心からそう思います。



 私は洗面器の水につけたタオルを絞り、最愛のご主人様のお顔を洗わせていただきます。


 「有難う、ミーちゃん。こっちへおいで」



 ご主人様は私を抱きしめ、頭をなでなでしてくれます。

 至福の時間です。


 獣人としての本能なのでしょうか。

 忠誠を誓っている人に頭を撫でられるととてもフワフワとした気分になってきます。


 この方に何もかもを捧げたい気分になってきます。


 「ご主人様ぁ……」


 自分でもびっくりするぐらい甘い声を出してしまっています。


 確信しました。

 私はカイエン様を愛しています。

 愛しているからこの人の子を持ちたいと思ってしまっています。


 まだ出会ってからそんなに時間が経っていないのにそういう気分になってしまうのは、女としてはしたない事でしょうか?


 でも、強くて優しくて教養のある最高の男性にそういう想いを持ってしまうのは雌として当然だと思います。


 


 「ミーちゃん、おいで」

 「はい、ご主人様」


 ご主人様はベッドに私を誘い。

 とても優しくしてくださいました。


 以前は服を脱ぐのが物凄く嫌でした。

 前のご主人様に付けられた傷がとても醜かったから。


 でも、カイエン様はその傷さえも愛して下さいます。

 カイエン様の愛情を賜っていると、自分の醜い傷さえ今はキラキラと輝く宝石のように思えてきます。

 とても不思議です。


 私は今、とても幸せです。

 カイエン主人様に奉仕できるからです。

 こんな日が訪れるなんてつい先日までは夢にも思いませんでした。


 「ミーちゃん、今日はお店はお休みにしようか」


 今日はお昼になるまでご主人様にとても愛して頂きました。

 

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